そして、物語は牧場で終わりを迎える。
最後にバカヤローで終わる。
兄貴の東京ジョーが死んだにも関わらず、悲壮感の欠片もなく「バカヤロー」で終わるこの作品によって、東映のハッタリズムの極みとも言える東映ギャング・シリーズは始まりました。そして、生活感の全くない〝愛すべきバカ〟たちが勢揃いした、記念すべき第一作目のこの作品こそが、日本にはあまり存在しないオシャレ・ムービーの代表格と言えます。
60年代的なモードなギャング・スタイルと、モダンな台詞廻しと、サントラが欲しいほどにイケてるモダンジャズ、そして、新井茂子。この作品こそ、21世紀の日本人に再評価されてしかるべき要素を多分に含んだ作品なのです。