究極のフレグランスガイド!各ブランドの聖典ページ一覧にすすむ
カトリーヌ・ドヌーヴ

『昼顔』Vol.6|カトリーヌ・ドヌーヴはサンローランのミューズに

カトリーヌ・ドヌーヴ
この記事は約5分で読めます。

デヴィッド・ベイリーが結び付けてくれたイヴ・サンローラン

(イヴ・サンローランは)ただドレスを作る。というだけでなく、それをどのような女性が着るかといったことまで探求してくれるのでした。

私がこれまでずっとサンローランのファンだったのも、彼の作るドレスが、それを着る人の人格までも引き出してくれるからです。

カトリーヌ・ドヌーヴ

ロマン・ポランスキー監督にシャロン・テートを紹介した時、デヴィッド・ベイリーは、カトリーヌ・ドヌーヴを紹介されました。当時、スウィンギング・ロンドンを代表するフォトグラファーだったベイリーは、ジェームズ・ボンド、ビートルズ、ローリング・ストーンズの次に世界でモテるイギリス人でした。

ベイリーは「オレはチビには興味はないぜ(ドヌーヴは、168cm)」と、背の低いポランスキーに偉そうな事を言っていたのですが、会った瞬間、彼女の虜になりました。

そして、1965年に(ロジェ・ヴァディムとジェーン・フォンダが結婚した3日後に)二人は結婚しました。しかし、ベイリーはずっとひとつのことを気にしていました。

「ファッション・センスが最低だな」とはっきりカトリーヌに言っていたのでした。「ブリジッド・バルドーと同じデザイナーの服を着てるんだが、これがとんでもないクズなんだ!」そう言って、彼は、イヴ・サンローランを紹介したのでした。

人見知りが激しいという共通点を持つ二人は、段々と打ち解けあうようになり、カトリーヌがサンローランのアトリエの向かいにアパートメントを借りるほどに、友情を育んでいったのでした。

かくしてカトリーヌは、一気にファッションに目覚めることになりました。すぐにベイリーと別居することになる(カトリーヌ曰く、ロジェに対する対抗心で結婚しただけで、最初から愛情はなかったとのこと)のですが、このベイリーとの出会いが、彼女の人生に与えた影響は計り知れないものがありました。

2人の友情は生涯続きました。これほど長きに渡るファッション・デザイナーと女優の関係は、オードリー・ヘプバーンユベール・ド・ジバンシィ以外にありません。

スポンサーリンク

1966年9月26日、サンローラン・ブティック・オープン。

この日、彼女は、サンローランの来賓として招かれました。

1966年9月26日、イヴ・サンローランがリヴ・ゴーシュに一号店をオープンしたとき、カトリーヌ・ドヌーヴは来賓として招かれました。

そして、サンローランが直接、彼女のためにスタイリングしたのでした。その時にカトリーヌが購入したのが、赤のコート、ジャージー素材のブラックドレス、スモーキング(7月のコレクションで発表されていた)、そして、スエードのミニスカートの3着でした。このミニスカートに関しては「もっと短くして」とお願いしたのでした。

かくして、二人は、1966年以降、さらに飛躍的にその活躍の場を広げていくことになるのでした。

赤いコートを試着するカトリーヌ。そして、このコートを購入しました。

この頃のカトリーヌはヘビースモーカーでした。

そして、スモーキング。ニキ・ド・サンファルの彫刻が後ろにある。

さらに煙草片手に、ブラックドレスを試着。

スポンサーリンク

『昼顔』ヴォーグ・スペイン2012年9月号。モデル:エニコ・ミハリク

『昼顔』をテーマにしたファッション・フォトの中で最も優れたもの。

vogue_septiembre_2012-dragged-68

ドレス:ディオール

vogue_septiembre_2012-dragged-76

ドレス:カルヴェン、シューズ:ロジェ・ヴィヴィエ

vogue_septiembre_2012-dragged-79

vogue_septiembre_2012-dragged-81

コート:ジョルジュ・レッシュ、タンクトップ:エミリオ・プッチ、シューズ:ロジェ・ヴィヴィエ

スポンサーリンク

2014年SSルイ・ヴィトンのマーク・ジェイコブス・ラスト

7


スティーヴン・マイゼルが撮影したルイ・ヴィトンのキャンペーンに、カトリーヌ・ドヌーヴが、ソフィア・コッポラ、ジゼル・ブンチェン、ファン・ビンビンと共にヴィジュアル広告に登場しました。

いまだ現役で活躍するカトリーヌ・ドヌーヴ。「私がいまも現役でいられるのは、姉フランソワーズの霊が、私を守ってくれているからなの」と語るこの人が持つルイ・ヴィトン。もう格好良すぎます。全てが!

作品データ

作品名:昼顔 Belle de jour (1967)
監督:ルイス・ブニュエル
衣装:イヴ・サンローラン
出演者:カトリーヌ・ドヌーヴ/ミシェル・ピコリ