そして、ロンドンへと舞い降りたブロンド爆弾
セシル・ルック3 ダークネイビー・アンサンブル
- ダークネイビーのベルベット・ジャケット
- ダークネイビーのベルベット・スカート
- グレージュのローヒールサンダル
ロンドン撮影において、ブリジット・バルドーは人気の頂点にいました。この作品自体は、ヒットせず、監督のセルジュ・ブールギニョン(1928-)は、約20年間次回作を撮影することが出来なかった(ちなみにその作品は、スティーブ・マックイーンの息子チャド・マックイーンと佐倉しおりが共演した『17才』です)のですが、ロンドン・ロケの間、バルドーは凄まじい見物人の数に驚いていたのでした。
これ!欲しい!パステル・トレンチ!
親友パトリシアの着ているレインボーカラートレンチコートがステキすぎます。グリーンとピンクとオレンジの配色なのですが、まさにスウィンギング・ロンドンを象徴するパステル・トレンチです。
マイケル・サーンとマレー・ヘッド
セシル御一行を出迎える二人のイギリス男のスタイルが震えて眠れるほどクールです。
マイケル・サーン(1940-)の穀物色のスーツ(もちろん3つボタン)と、マレー・ヘッド(1946-)の金ボタンつきダブルジャケット姿は、もうファッション・フォトグラファーとしての存在感をこれ以上ないほどに発散していました。それにしても、マイケル・サーンという男は、本当に全てにおいて「時代を進んでいた男」でした。
恐らく最もクエンティン・タランティーノに影響を与えた映画監督だったのではないでしょうか。
何よりも恐ろしいのは、撮影当時、まだ26歳になった割には、凄まじいカリスマ性に溢れているところです。まさにカメラはペニスであり、ファッションを撮影することになぞ興味はなく、ファッションを通じてセックスを撮ることに興味があったデヴィッド・ベイリー像を、『欲望』のデヴィッド・ヘミングスより忠実にやってのけたのでした。