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【シャネル】ココ & ココ マドモアゼル シリーズの全て

シャネル
©CHANEL
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ココ & ココ マドモアゼル

Coco & Coco Mademoiselle 1977年に誕生したイヴ・サンローランの「オピウム」から始まるオリエンタル・フレグランス・ブームの集大成として、1984年にシャネル帝国が、満を持して生み出したのが、〝シャネルのオリエンタル〟=「ココ」でした。それは、ガブリエル・シャネル(1883-1971)のニックネームから付けられた香りでした。

シャネルの三代目専属調香師ジャック・ポルジュ(と補佐役のフランソワ・ドゥマシー)の初めてのウィメンズ・フレグランスとして発表された香りです。

そして、同年、カール・ラガーフェルドにより、シャネルはファッション・ブランドとして不死鳥のように蘇りました。まさにこの香りは、〝シャネルの復活祭〟をセレブレイトする役割も担うことになったのでした。

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不屈の精神で、前進する女性に捧げられた『生命の水』

イネス・ド・ラ・フレサンジュ、1985年 ©CHANEL

ヴァネッサ・パラディ、1991年 ©CHANEL

「ココ」は私のオリエンタルの解釈になった。それはヴェニスからはじまりヴェニスで終わる。「シャリマー」はあなたをインドに連れていくだろう。「オピウム」はマラケッシュに。しかし、「ココ」が必ずあなたをヴェニスに連れ戻してくれる。

「パヒューム・レジェンド」マイケル・エドワーズ

20代のココ・シャネル ©CHANEL

18歳のとき修道院を出たガブリエルは、1903年、20歳のとき、ムーランの小さな靴下屋に店員として雇われます。その時に、ステージ歌手になることを夢に見て、「ラ・ロトンド」というカフェ・コンサートホールでコーラスガールとして掛け持ちで働くようになりました。

そして、彼女は「Qui Qu’A Vu Coco?」を持ち歌にするようになり、ココという愛称で呼ばれるようになりました。

時は経ち、歌手になれず挫折し、打ちのめされていたガブリエルは、数々の男性との出会いにより感化され、ファッション・デザイナーとして活躍するようになりました。しかし、1918年12月22日に、最愛の男性ボーイ・カペル(ガブリエルは生涯独身を通した)が交通事故で急死したことにより、再び、精神的に打ちのめされることになるのでした。

そんなガブリエル・シャネルが、ヴェネチアで、空っぽになった心を癒しながら、「はじめての香水=N°5」を形にしようとしていた時代の空気を反映して1984年に生み出された香りが「ココ」なのです。

「ココ」それは、幸せの絶頂を生きる女性の香りではなく、幸せも不幸せも含めて、ドラマティックに人生を謳歌する女性のための香りなのです。

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21世紀の〝ココ〟のための『生命の水』

モデル:ケイト・モス、2004年 ©CHANEL

モデル:キーラ・ナイトレイ、2007-2008年 ©CHANEL

私はたっぷりと時間をかけてこの香りを生み出したわけではないことを白状しなければならない。

しかし、振り返ってみると、「ココ」はもうすっかりバロックすぎて古めかしい香りだったので、全く違う軽やかに明るくフレッシュな香りを作りたいと考えていました。

ジャック・ポルジュ

香水・ファッションの分野において見事に復興を遂げ21世紀を迎えることになったシャネルは、この時点で、顧客層の平均年齢が50代半ばから30代後半にまで若返っていました。

この状況を見たシャネルの社長兼COO(CEOではない)であるアリー・コペルマンは、これからの時代はより若い世代を取り込んでいかないといけないと考え、20代をターゲットにした香りを生み出すことを計画したのでした。そして、この計画にあたりシャネルらしい禁止事項をひとつ掲げたのでした。

どんな場所でもつけやすい軽い香りを作るべからず!

シャネルというブランドの恐ろしいところは、軽い香りを好んでつけるようになっていた21世紀の若い女性に対して、〝20代のためのオード・パルファム〟を作ろうとしたところにあるのです。

21世紀前夜に発売された「アリュール」が、アメリカを中心に爆発的ヒットとなっている勢いに乗り、パルファム&コスメ部門のマーケティング・ディレクターであるジーン・ジンマーマンは、「チャンス」(2003)の調香に全力投球していたジャック・ポルジュに、先に「ココ マドモアゼル」を生み出すように指示しました。

そのため両方の香りには、フルーツパチョリという共通点が生まれました。とても意外なことなのですが、二つの香りは姉妹のような関係なのです。

かくして2001年に発表された「ココ マドモアゼル」は、ココの売り上げの二倍売り上げることが出来れば良いというシャネル社の予想を遥かに上回る(6倍も!)初年度売り上げ2100万ドルを叩き出し、世界中に「ココマド旋風」を巻き起こしたのでした。

さらに、2012年には、「ココ ヌワール」が発売され、ここに「ココ三姉妹」は集結することになるのでした。

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「ココ三姉妹」九作品

ココ


ココ 香水 (1984)

ココ オードゥ・パルファム (1984)

ココ オードゥ・トワレット (1984)

ココ・マドモアゼル


ココ マドモアゼル ロー プリヴェ(2020)

ココ・マドモアゼル・アンタンス (2018)

ココ・マドモアゼル オードゥ・トワレット (2002)

ココ・マドモアゼル パルファム (2001)

ココ・マドモアゼル (2001)

ココ ヌワール


ココ ヌワール (2012)