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オードリー・ヘプバーンのすべて【1955】第三編|戦争と平和

オードリー・ヘプバーン
オードリー・ヘプバーン
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『戦争と平和』のハイライト・シーン



オードリー・ルック<1955年>19 舞踏会用シュミーズ・ドレス
  • 映画『戦争と平和』
  • デザイナー・マリア・デ・マッテイス
  • スクエア・カットのシュミーズドレス
  • 白のスペイン扇子
  • 白のロンググローブ
  • アクセサリーは、頭にティアラとダイヤモンドのイヤリングのみ

このシーンの写真は、特に日本のウエディング会社に人気のある写真の一つです。そして、オードリーとメル・ファーラーが踊る写真の下には、決まってこの一文が挿入されています。「二人はこの作品で共演し、結婚しました」と。それは全くのデタラメなのですが、そういたデタラメさえも、真実味を帯びさせてしまうのが、オードリー・ヘプバーンという女優の魅力なのです。

結婚というセレモニーに最も相応しいアイコンとして、オードリー・ヘプバーンが選ばれる理由が、この舞踏会のシーンを見ればしっくりとくるはずです。

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オードリー・ヘプバーンと夫メル・ファーラー


オードリー・ルック<1955年>20 グリーンストライプ・ドレス
  • 映画『戦争と平和』
  • デザイナー・マリア・デ・マッテイス
  • グリーンストライプのドレス、首元にはオーガンジー、スクエア・カット、パフスリーブ

わたしは13歳のときから自立して、多くの重要な問題を慎重に考えてきましたが、判断を誤ったことは少なかったと思います。自分で物事を考える能力があることをとても誇りに思っています。わたしの判断に逆らって、わたしに何かをさせることは、誰にも、たとえ愛する夫にさえできないのです。

オードリー・ヘプバーン

上記の台詞は、本作公開時に、夫メル・ファーラーが、完全にオードリーの仕事をコントロールしており、まるで操り人形のように、大スターの妻を利用して、アンドレイ役を獲得したということに対してのものです。そういった見解が全くの中傷だったことは、その後のオードリーの主演作が示しています(この後に二人が共演したのは、1957年のテレビ映画『マイヤーリング』のみ)。

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動物のような野性味に満ち溢れるダークブラウンドレス


オードリー・ルック<1955年>21 ダークブラウンドレス
  • 映画『戦争と平和』
  • デザイナー・マリア・デ・マッテイス
  • ボールショルダーのダークブラウンドレス、チャイナボタン、スタンドカラー
  • ダークブラウンの手袋
  • ダークブラウンのピルボックスハット、ピンクのシフォンリボン

隠れた名作ともいえるオールダークブラウンのドレスが、20代のオードリーの野性の小鹿のような魅力を引き出しています。アンドレイの父と妹の失礼な対応に対して、怒りを抑えるオードリーの表情がとても凛々しく、そして、気高く美しいのです。

本作の衣裳デザイナーであるマリア・デ・マッテイス(1898-1988)について、少し語りましょう。イタリアの舞台及び映画の衣裳デザイナーである彼女は、本作においてアカデミー衣装デザイン賞カラー部門にノミネートされました。『天地創造』(1966)などの歴史劇を得意とする彼女は、1970年に『ワーテルロー』にて再びナポレオンの衣裳を担当しています。