婚約者ジェームズ・ハンソン
オードリー・ルック<1952年>4 リトルブラックドレス
- Uネックのリトルブラックドレス
- ブラック・パテントレザーベルト
- ハイヒールパンプス
誰もが彼女の中にすばらしい生命力と聡明さと強い性格を見ていた。彼女はまことに意志の強い若い女性で、のちになしとげたことをなしとげるためにはなにが必要かということをはっきり見通していた。
ジェームズ・ハンソン
『ローマの休日』が撮影中の1952年8月27日に、婚約者である英国の御曹司ジェームズ・ハンソン(当時28歳)とローマにて、リトルブラックドレスがとても似合っています。
この約一ヵ月後に、二人は婚約を解消しました。
幻のウエディングドレス
オードリー・ルック<1952年>5 ウエディングドレス
- デザイナー:フォンタナ・シスターズ
- アイボリー・サテン・ウエディングドレス、ボートネック
後に『甘い生活』(1960)でアニタ・エクバーグのブラックドレスをデザインすることになるフォンタナ・シスターズに、オードリーは、『ローマの休日』の撮影のさなかに、ジェームズ・ハンソンとの結婚式のためのウエディングドレスをオーダーしました。しかし、婚約破棄のため、このドレスは「幻のウエディングドレス」になりました。
その時、オードリーは姉妹にお願いしました。「このドレスを他の女性に着てもらいたいです。とても美しく、でも貧しくてこのようなドレスを買えないイタリアの女性を見つけて、差し上げて頂けませんでしょうか?」
そして、アマービレ・アルトベラという、戦後の中、極貧にあえぐラティーナの田舎町の美しい娘に与えられることになりました。彼女は結婚式で着用し、町でも話題となり、パリへの新婚旅行まで贈呈されました。そして、2002年までアマービレによって大切に保存されていたのでした。幸せな家庭を築いたアマービレは回想しています。「オードリーのドレスが、私の生涯に幸運を運んでくれました」。