究極のフレグランスガイド!各ブランドの聖典ページ一覧にすすむ

【グッチ】グッチ フローラ ゴージャス ガーデニア オードパルファム(アルベルト・モリヤス)

グッチ
©GUCCI
グッチ
この記事は約5分で読めます。

グッチ フローラ ゴージャス ガーデニア オードパルファム

原名:Flora Gorgeous Gardenia Eau de Parfum
種類:オード・パルファム
ブランド:グッチ
調香師:アルベルト・モリヤス、オノリーヌ・ブラン
発表年:2021年
対象性別:女性
価格:50ml/15,400円、100ml/21,670円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム

スポンサーリンク

まず最初に、フレグランスの分類について

©GUCCI

世界中で発売されているフレグランスは大まかに四つに分類されます。

  1. ラグジュアリー・フレグランス(最高級の香料と最高級の調香師により生み出されるラグジュアリー・ブランドの香り)
  2. メゾン・フレグランス(フレグランスの歴史があり天然香料に拘るフレグランス・メゾンが生み出す香り)
  3. ニッチ・フレグランス(ターゲットが広くない、香水愛好家の中で分かる人にだけ分かればよいというスタンスで生み出された香り)
  4. ファッション・フレグランス(広告やボトルデザインを含め、万人に愛され、たくさん売るために作られた香り)

たとえばルイ・ヴィトンは、ラグジュアリー・フレグランスのみを生み出しています。一方、ディオールシャネルは、メゾン・フレグランスとファッション・フレグランスを生み出しています(ちなみにニッチ・フレグランスとは、nose shopにある香りであり、ジョー・マローンフレデリック・マルセルジュ・ルタンスはメゾン・フレグランスを生み出しています)。

グッチの興味深いところは、2015年にアレッサンドロ・ミケーレが、クリエイティブ・ディレクターに就任して以降、

  1. ラグジュアリー・フレグランス=ザ アルケミスト ガーデン=ブランドの真髄を見せる
  2. ニッチ・フレグランス=ギルティ=香水愛好家を夢中にさせる
  3. ファッション・フレグランス=グッチ ブルームなど=とにかく売れることが重要

という風に、三方面を満遍なく抑えている所にあります。

スポンサーリンク

マイリー・サイラス × GUCCI × 日本のアニメ

©GUCCI

フレグランスは探検です!特に花のフレグランスは無限の可能性を秘めた世界を表現しています。花束からさまざまな香りを引き出して楽しむように、今回のキャンペーンでは、マイリー・サイラスのロックンロール精神と花の世界との遊び心あるコントラストを中心に、ワクワクするようなシュールで魅惑的な世界を構築してみました。

アレッサンドロ・ミケーレ

2021年8月1日に発売された「グッチ フローラ ゴージャス ガーデニア オードパルファム」は、ミケーレが、〝究極のファッション・フレグランス〟を生み出すべく、本気で商業主義に徹した香りです。日本では2021年9月8日発売されました。

元々は、2012年にオノリーヌ・ブランが調香した「フローラ ゴージャス ガーデニア」(EDT)がこの香りの原型として存在します。そのオード・パルファム版として再定義する形で、いまやグッチ専属の調香師と言っても過言ではないアルベルト・モリヤスによって生み出されました。

ミケーレは〝究極のファッション・フレグランスを生み出すためにマイリー・サイラス(1992-)を起用した大々的な広告キャンペーンを行いました。キャンペーン・フィルムの撮影のために、人気アーティストのペトラ・コリンズを起用し、日本のアニメにインスパイアされた少女マンガのようなタッチ(Akihiko Ota)のCFが採用されたのでした。

ちなみにCFの曲は、1994年にShampooがヒットさせた「デリシャス」(このMVは日本で撮影されたものでした)をマイリーがカバーしたものです。

スポンサーリンク

グッチ版「チャンス」または「ミス ディオール」

©GUCCI

ミケーレがキャンペーンも含めて「花の世界を予想外の方法で再解釈する挑戦です」と豪語するこの香りは、10代から20代のはじめてのフレグランスを探している層に向けてしっかり考えられた、シャンプのような馴染みのあるフレッシュ・フルーティ・フローラルの香りからはじまります。

クリーミーなガーデニア(ネイチャープリント)と甘いジャスミン(ジャスミン・アブソリュート)のホワイトフローラルブーケの中に、みずみずしい洋ナシとジューシーなマンダリンのフルーティさが注ぎ込まれるようにしてこの香りははじまります。

軽やかにふんわりと包み込むような優しさがあります。すぐに到来するブラウン・シュガーは、この香りをキャンディのようにグルマンにするのではなく、温かい太陽の光のようにフローラルをより生き生きと自然に円やかに甘くする役割を担っています。

そして、パチョリが、甘さと独特なアーシィさを対比させ、香り全体に奥行きとそつのないラグジュアリー感を与えてくれるのです。

ジューシークチュールの「ビバ ラ ジューシー」や、ビーディーケーパルファムの「パスソワール」とよく比較される香りです。

ボトルデザインは、ラッカー仕上げのピンクガラスを用いた長めのボトルに、シャイニーゴールドのキャップを配したものです。

ひとつだけ残念なのは、グッチにとって〝フローラ〟とは、1966年にモナコ王妃グレース・ケリーのために作られた約80枚のスカーフ。つまりはヴィットリオ・アッコルネロがデザインしたグッチ特有の花柄を意味するのですが、この香りには、グレース・ケリーっぽさは微塵も存在しないというところです。

スポンサーリンク

香水データ

香水名:グッチ フローラ ゴージャス ガーデニア オードパルファム
原名:Flora Gorgeous Gardenia Eau de Parfum
種類:オード・パルファム
ブランド:グッチ
調香師:アルベルト・モリヤス、オノリーヌ・ブラン
発表年:2021年
対象性別:女性
価格:50ml/15,400円、100ml/21,670円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム


トップノート:ピアー・ブロッサム、イタリアンマンダリン、レッドベリー
ミドルノート:ガーデニア、ジャスミン、プルメリア
ラストノート:ブラウン・シュガー、パチョリ