【アニー・ホール】
Annie Hall ウッディ・アレンという監督が生み出した新しいコメディ。チャールズ・チャップリンが大絶賛したこの作品の名前は『アニー・ホール』。この名前は、ダイアン・キートンの本名であるダイアン・ホールと、彼女の幼少期からの愛称であるアニーを組み合わせたものでした。
彼女がプライベートにおいても愛用していたラルフ・ローレンのメンズ・ウェアを女性が着るという発想が、公開当時「アニー・ホール・ルック」として大流行しました。このスタイリングは、21世紀に入ってもなおメンズライク、もしくはトムボーイといった言葉と共に、オシャレな女性の必須スタイリングとして定着しています。
あらすじ
ニューヨークを舞台にスタンダップ・コメディアンのアルビー・シンガー(ウッディ・アレン)と歌手の卵アニー・ホール(ダイアン・キートン)の数年に渡る恋愛関係。それは、口論し、別れ、そして、仲直りすることの繰り返しでした。そんな二人の関係は、アニーが、レコードデビューするためにハリウッドに引っ越したため、終止符が打たれることになります。しかし、どんな女性と付き合っても、アニーが忘れられないアルビーは、ニューヨークから大嫌いなハリウッドまで飛行機で飛んで行き、アニーにプロポーズする行動に出たのでした。
ファッション・シーンに与えた影響
二人の男女が出会い、たとえ別々の人生を歩んでいこうとも共に過ごした日々は、永遠の宝物なのです。この作品が、後のファッション・シーンに与えた影響は、ただ一言、革命的でした。そのポイントは、以下の4点に集約されます。
- アニー・ホール・ルックという、ラルフ・ローレンのメンズ・ファッションを女性が着るという斬新さ
- パンツのスタイリングの教科書
- ベージュのメンズライクなスーツの見事な着こなし、70年代のディートリッヒ
- 二人のアイウェアの使い方のオシャレさ
この作品で、ダイアン・キートンは、第50回アカデミー賞主演女優賞受賞を受賞しています。ちなみにこの作品は、最優秀作品賞、監督賞、脚本賞も受賞しています(アレンはアカデミー賞への出席をボイコットした)。つまりこの作品は、ファッションシーンのみならず、1978年に、世界的なアニー・ホール・シンドロームを巻き起こしたのでした。
作品データ
作品名:アニー・ホール Annie Hall (1977)
監督:ウディ・アレン
衣装:ルース・モーリー
出演者:ウディ・アレン/ダイアン・キートン/クリストファー・ウォーケン