パチュリ パッチ
原名:Patchouli Patch
種類:オード・トワレ
ブランド:ラルチザン
調香師:ベルトラン・ドゥシュフール、エヴリン・ブーランジェ
発表年:2002年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/13,500円、100ml/17,000円
後悔からはじまる至福の香り
18世紀から19世紀にかけて、中国の絹商人はシルクを守るために、虫除けとして乾燥させたパチョリの葉を敷き詰めていました。そんなパチョリの物語からインスパイアされ生み出されたのがこの香りです。
最高品質のパチョリのエッセンシャルオイルを使用し、2002年にベルトラン・ドゥシュフールとエヴリン・ブーランジェによって調香されました。
トップノートの、アーシーなパチョリの剥き出しの一面が、身に纏いし人々にまずは〝後悔〟の二文字を脳裏にかすめさせます。やがて、すぐにベチバーやシダーウッド、サンダルウッドによってパチョリは引き立てられ、スモーキーな最高峰の墨汁のような、静謐かつ深遠な至福の香り立ちに包み込まれます(ホワイトムスクが、パチョリの崇高さに対する、〝欲望〟という名の煩悩の二文字を追加しているところが面白い)。
タピオカを飲むのは、あくまでもポーズとして・・・どこのお店が旨いとか追求したところで、何が残るのでしょうか?どうせ一瞬のブームでしかないことはご存知のはずです。
インスタで自分の魅力をひけらかすことに夢中な人間と、その時間を内面の磨きこみに費やしている人間とでは、どちらの方が、輝きに満ち溢れてくるのでしょうか?
この「パチュリ パッチ」という香りには、「いいね乞食」や「トレンド乞食」の1000%合成香料で作り上げられたようなTHE FLAVOR DESIGN(ザ フレーバー デザイン)の安っぽい知識で安っぽく生み出されたあなただけの香りの世界観とは真逆の本物志向が存在するのです。
どこかのブランドのボトルデザインをぱくり、調香師の教育もろくに受けずに、香りについての知識を対して持たない、インスタに振り回されるお馬鹿ちゃんをターゲットに、薄っぺらな知識をひけらかすこのお店のスタンスをル ラボの方々が見たらどう感じるでしょうか?このお店で調香遊戯を繰り広げている販売員たちにまずはアドバイス。ラルチザンを買いな!と(私は見た。客層の大半は、この商品をフレグランスと勘違いしていました)。
ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「パチュリ パッチ」を「フレッシュ・アーシー」と呼び、「このすばらしく意外なフレグランスは、その広告どおり、いくつも体にあけたピアスの穴とタトゥーといったイメージのパチョリノートで幕を開ける。だが、「脳タリン」という言葉が口をつきそうになった途端、香水製造においてとくに同時に存在しやすい、魅惑的で手に余るノートめがけ、不意に90度、方向転換する。」
「この要素はヘリクリサムに含まれており、これは一風変わったフェヌグリークのようなノートである。ちょうどベッドの下にキリンをかくまうのがむずかしいのと同じくらい、そのすさまじいパワーを構成に隠すのがむずかしい。だが前例がないわけではない。もっとも有名なのは、センセーショナルな「サブレ」(アニック・グタール)で、最近の作品ではディオールの「オー ノワール」だ。」
「数多くの作品から、見なれない顔と出会えることは喜ばしい。パチュリ パッチの意外性はこれで終わらない。フレグランスはたいてい、みずみずしさから温かさへと進むが、ここにはその流れに奇妙な反転があり、同社の「タンブクトゥ」を思い起こさせるドライダウンが華麗なウッディ・アコードで、これらの干からびたトップノートを、爽やかな夜風で蹴散らしてくれる。実に素敵な香水だが、中には自分なりの第三の進展を好む人もいるかもしれない。」と4つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:パチュリ パッチ
原名:Patchouli Patch
種類:オード・トワレ
ブランド:ラルチザン
調香師:ベルトラン・ドゥシュフール、エヴリン・ブーランジェ
発表年:2002年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/13,500円、100ml/17,000円
トップノート:キャラウェイ、パチョリ、ホワイトムスク、スターアニス
ミドルノート:アイリス、パチョリ、オスマンサス、ホワイトムスク
ラストノート:サンダルウッド、ベチバー、シダー