チャンス オー スプランディド|シャネル初のラズベリー・フレグランス

シャネル
©CHANEL
シャネル
この記事は約8分で読めます。

チャンス オー スプランディド

原名:Chance Eau Splendide
種類:オード・パルファム
ブランド:シャネル
調香師:オリヴィエ・ポルジュ
発表年:2025年
対象性別:女性
価格:50ml/17,600円、100ml/24,200円
公式ホームページ:シャネル

スポンサーリンク

五番目のチャンス。それはシャネル初のラズベリー・フレグランス

©CHANEL

©CHANEL

©CHANEL

オリヴィエ・ポルジュ ©CHANEL

チャンスは、それを掴む方法を知っている人に訪れるということです。運よりも、自分の運命を切り開く力を信じることです。

「チャンス」の新作は、単なるフレグランスではなく、それは心構えであり、信念の飛躍であり、人生という終わりのないゲームにおけるスリリングな賭けなのです。

「チャンス」の根底にあるアイデアは、非常に異なるスタイルで解釈した心の状態でした。それぞれの「チャンス」の香りはユニークですが、すべて同じ心の状態を表現しています。共通の香りの構成はありませんが、それぞれの香りが表現する感覚や感情に沿った何か、つまり非常に生き生きとした、非常に直接的な何かがそこにあります。

オリヴィエ・ポルジュ(以下の引用はすべて彼のお言葉)

1996年の「アリュール」(2001年に発売された「ココ マドモアゼル」は「ココ」のフランカーである)以来となるシャネルの女性用の新作フレグランスとして、2002年に発売された記念すべき「チャンス」シリーズの第五弾として「チャンス オー スプランディド」は、2025年4月15日に世界同時発売されました。

ちなみに『5』は、シャネルにとって究極のラッキーナンバーです。

2024年10月にフレグランス&ビューティ部門の社長に就任したシモーナ・カッタネオが就任後初めて手掛けた香りとなります。彼女は、ロレアルやバーバリー、コティのビューティー部門で実績を積み上げてきた人です。

10年ぶりに誕生した〝新しいチャンス〟のその名の「オースプランディド」とは、「華麗なる水、心奪われる水」という意味です。パープルカラーのボトルに入った〝第五のチャンス〟は、シャネルの四代目調香師オリヴィエ・ポルジュにより調香されました。

他のバージョンと比べて、よりフルーティーでフレッシュなオープニングが特徴です。それでいてジャムのようなくどい甘さもなく、まるで摘みたてのラズベリーが満開のローズガーデンに佇んでいるかのような清々しさがあります。

実は、シャネルのフレグランスにおいて、意図的にフルーツ(ラズベリー)をメインの要素として採用したのは今回が初めてです。フルーティーな香りは洗練されていない、あるいは表面的だと誤解されることがよくあります。しかし、私はそうは思いません。フルーツには、人々が思っている以上にはるかに多くの魅力があると思っています。

スポンサーリンク

2年の歳月をかけて生み出された、10年ぶりの新しいチャンス

©CHANEL

©CHANEL

©CHANEL

©CHANEL

2年の歳月をかけて生み出された新しいチャンスについて、当初オリヴィエ・ポルジュは、フルーティーフローラルで作ろうとは考えていませんでした。しかし、フルーティーノートの中からラズベリーアコードを掘り下げているうちに、このアコードを中心に万華鏡のように廻り廻るフルーティーフローラルを生み出してみようと決断したのでした。

香水を調香するときは、通常はベースノートから始めて、上に向かって香りを盛り上げていきます。しかし、今回はそれを逆にやっているような感覚と直感がありました。すぐに人の注意を引くような、何かきっかけを探していたのです。そしてラズベリーでそれを見つけた気がしました。

ボトルのパープルカラー(=ヴァイオレットカラー)は、香りが誕生した後に、決定されました。

キャンペーンフィルムは、パリオリンピックの閉会式でパフォーマンスを披露したことで有名なベルギー出身のフレンチポップシンガー、アンジェルをミューズに『エイリアン4』(1998)『アメリ』(2004)を監督したジャン=ピエール・ジュネにより撮影が行われました。ちなみに写真撮影は伝説のファッション・フォトグラファー、スティーヴン・マイゼルが担当しました。

それまでチャンスのキャンペーンは、ガールズグループというイメージで行われていたのですが、この作品は、ソロのポップスターというイメージとなっています。

スポンサーリンク

万華鏡のように素肌に反射し、上品に弾けていくベリーローズの香り

©CHANEL

©CHANEL

©CHANEL

チャンスといえば、今では5つの異なる香り、5つの異なるフォーミュラがありますが、どれも非常にフレッシュでキャッチーなトップノートが共通しています。

新しいチャンスについて考えていた時、ただちに人の心を掴むノートを見つけ出さなければならないと思いました。最終的にラズベリーのアコードにたどり着いたのですが、これはとても興味深いと思いました。なぜならこの美しい赤い果実の香りの背後には、なんとなくピーチの香りが加わるだけでなく、他のベリー系の香りとは一線を画すヴァイオレットやローズといった花のニュアンスがあり、フルーティーさが甘すぎず、包み込むような感じとフレッシュさが同時にあるからです。

さらにシャネルの自社農園で栽培されたローズゼラニウムリーフのエキスが際立っており、ローズのとてもナチュラルな印象を与えてくれます。そこにムスクとシダーウッドを溶け込ませ、洗練された余韻を残しました。

オリヴィエ・ポルジュ

クラッシュされた新鮮なラズベリー、ブラックカラントの入ったフランボワーズリキュールが、シュワシュワっと素肌の上で、キラキラと万華鏡のように反射し、上品に弾けていくようにしてこの香りははじまります。女性の心を一瞬で鷲掴みにする、鮮やかにまばゆく煌めく甘酸っぱいラズベリーにからだも心も満たされていくようです。

すぐにジャミーなピーチローズと、シャープなローズゼラニウム(シャネルのグラースの自社農園で育てている5種の香料植物のうちの一つ)、パウダリーなアイリスとヴァイオレットが、ラズベリーのローズとヴァイオレットのニュアンスと溶け合い、幻想的なグルマンの儚さと、摘み立ての果実の生き生きと透き通るようなフレッシュさの二面性のある甘く柔らかなフルーティーフローラルの香りが広がってゆきます。

すべての段階で、フレッシュさを保てるようにしたかったんです。香りを暗くしてしまうようなものは何もないようにしました。

オリヴィエ・ポルジュ

やがて甘やかに温かい太陽と木のクリーミーな輝き=ホワイトムスクとシダーウッドのハーモニーに満たされながら、クリーンなラズベリーはスパークリングウォーターのように素肌に溶け込んでゆくのです。

ちなみにこの香りのローズゼラニウムは、グラース産のものと他の産地のものをブレンドすることにより、ピリっとしたミンティな甘みのないローズの香りという、非常に独特な香りのプロファイルを生み出しています。

さらにシダーウッドは、シャネルの最新技術により再蒸留したシダーウッドで、香りを最も明るいものにするために、暗い色調を少し取り除いたものです。

パープルカラーにライトアップされた東京タワー ©CHANEL

パリと東京で大々的なキャンペーンが行われました。このキャンペーンのクライマックスとして、2025年4月10日に東京タワーがパープルカラーにライトアップされました。

シャネルのこの力の入れ方が、このチャンスが完全にアジア市場をターゲットにして生み出されたものだということを伝えてくれます(その後、ロサンゼルスのザ・グローブでも大々的なキャンペーンが行われた)。

ヴェルサーチェの「ブライト クリスタル」、イヴ・サンローランの「パリジェンヌ」「ベビードール」、ディオールの「アディクト オーフレッシュ」といったベリーローズ・アコードの香りの進化系と言っても過言ではない香りです。

スポンサーリンク

香水データ

香水名:チャンス オー スプランディド
原名:Chance Eau Splendide
種類:オード・パルファム
ブランド:シャネル
調香師:オリヴィエ・ポルジュ
発表年:2025年
対象性別:女性
価格:50ml/17,600円、100ml/24,200円
公式ホームページ:シャネル


トップノート:ラズベリー、ローズ、ヴァイオレット、ピーチ
ミドルノート:ローズ・ゼラニウム、アイリス
ラストノート:ホワイトムスク、シダー