【レーヌ ド サバ】オンソン サバ（アルベルト・モリヤス）

オンソン サバ

原名：Encens Saba
種類：オード・パルファム
ブランド：レーヌ ド サバ
調香師：アルベルト・モリヤス
発表年：2022年
対象性別：ユニセックス
価格：100ml／49,500円
販売代理店ホームページ：LE SILLAGE

フレデリック・マルの王位継承者と言われる『レーヌ ド サバ』とは？

2022年に、イエメン出身のハビブ・アル・ソワイディ（Habib Al-Sowaidi）が創業したレーヌ ド サバは、『旧約聖書』と『コーラン』に登場する〝シバの女王〟の名を冠したイエメンのニッチ・フレグランス・ブランドです。

〝シバの女王〟とは、イエメンからエチオピア北部にかけて存在したシバ国の女王であり、紀元前10世紀頃、イスラエル王国のソロモン王の知恵を試すために、オリバナム、ミルラ、ラブダナムといった貴重な香油と金、財宝を持参し、エルサレムを訪れたという伝説があります。

ハビブ・アル・ソワイディは、サウジアラビアのジッダに出来た中東初の香料会社で働き、着実にキャリアを積み上げ、1996年にパリでLe Royaume du Parfumという会社を作り、調香師の人脈を広げてゆきました。そして、2022年に満を持して、10人の選ばれしスター調香師たちを召喚し生み出された10種の香りと共に、レーヌ ド サバはスタートしたのでした。

ブランドを創業するにあたり、イエメン、オマーン、エチオピア原産の原材料に重点が置き、さらに〝シバの女王〟の伝説とブランドの精神を結び付けていくために、『匂いの魔力: 香りと臭いの文化誌』などの著作を持つアニック ル・ゲレの監修を経て、ブランドの方向性を固めていったのでした。

ちなみにブランドロゴの柱は、イエメンのマアリブ（2023年に世界遺産に）にある、シバの女王ビルキスの居城であったとされるアルシュ・ビルキスなどが集まる遺跡にあるバラン寺院の柱から採られたものです。

ちなみにボトル・デザインは、セルジュ・マンソーが亡くなる前にデザインしてくれたものです。ザマック合金のキャップは砂漠の砂の流動性を反映し、他方ではバビロン、エジプト、シバの建築モチーフを思い起こさせます。エルメスなどの香水瓶を作っている、イタリアのパルマにある老舗グラスメーカー、ルイジボルミオリ社によるものです。

情熱の真っ赤な薔薇が、インセンスの奥深くで咲いています。

夢は時代を超越するものだと私は考える。だからこそ、現代​​の女性たちのために新しい物語を創りたかったのです。しかしこの香水に性別はありません。インセンスは皆に語りかるのです。男性でも女性でも、この香水を身につけた瞬間に生き生きと命を吹き込まれることでしょう。

アルベルト・モリヤス

最初の10種の香りのうちの一つとして発売された「オンソン サバ」は、アルベルト・モリヤスにより調香されました。

〝シバの女王のインセンス〟と名付けられたこの香りは、砂漠のかなたに沈んでいく太陽のように、ジューシーなオレンジが、夜闇迫るブラックペッパーと溶け合い、ゆっくりと闇が心地良く広がってゆきます。

すぐに陽炎のようにシナモンとダマスクローズが蝋燭のように揺らめいて、闇を愛で燃やしてゆきます。そしてうっとりとこの世のものとは思えぬスモーキーなインセンスに包まれていくのです。

やがてアンブロックスが、記憶の大海原を駆け抜けて、インセンスをまるで実体のある木であるかのようにミルラが混ざり合い、塩っけとミネラルを含んだ香りで磨き上げてゆくのです。インセンスとレザーが全く別のスモーキーな甘さで、心にまで届いてゆくような余韻を残してゆきます。

光輝くようでありながら、闇に堕ちていくようでもある、〝希望と絶望のはざまを漂うインセンスと、その奥深くで最初から最後まで揺らめいている一本の情熱の真っ赤な薔薇の存在に、素肌も心も翻弄されてゆく〟とんでもなく神聖で、とんでもなく妖艶な香りです。

香水データ

香水名：オンソン サバ
原名：Encens Saba
種類：オード・パルファム
ブランド：レーヌ ド サバ
調香師：アルベルト・モリヤス
発表年：2022年
対象性別：ユニセックス
価格：100ml／49,500円
販売代理店ホームページ：LE SILLAGE

トップノート：ブラックペッパー、オレンジ、シナモン
ミドルノート：ダマスクローズ、シプリオール、アンバーグリス
ラストノート：オリバナム、ミルラ、パチョリ、ムスク