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パコ・ラバンヌ

【パコ ラバンヌ】フェイム(アルベルト・モリヤス/マリー・サラマーニュ/ファブリス・ペルグラン)

パコ・ラバンヌ
©Paco Rabanne
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フェイム

原名:Fame
種類:オード・パルファム
ブランド:パコ・ラバンヌ
調香師:アルベルト・モリヤスマリー・サラマーニュ、ファブリス・ペルグラン、ドラ・バクリッシュ
発表年:2022年
対象性別:女性
価格:日本未発売

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パコ・ラバンヌの『甲冑ドレス』

フランソワーズ・アルディ、1968年。

ジョアンナ・シムカス、1967年。

オードリー・ヘプバーン、1967年。

1960年代半ばにピエール・カルダン、アンドレ・クレージュが前衛的なファッション・デザインを発表しました。しかし、この男のデザインは明らかに前衛的という概念を突き抜けていました。「縫うを否定したデザイン」。彼の名をパコ・ラバンヌ(1934-2023)と申します。

まず最初にジバンシィ、ディオール、バレンシアガ、シャネルのためにジュエリーデザインを行うことからキャリアをスタートしたパコ・ラバンヌは、「新しい素材で武装した戦い」を起こすんだ!と、1966年に自身のメゾンを設立しました。

そして金属、紙、プラスチックなどを使用した前衛的な〝着ることのできない12着のドレス〟を発表しました。その中のひとつ甲冑ドレスこそが、『冒険者たち』(1967)の中でジョアンナ・シムカス、『いつも二人で』(1967)の中でオードリー・ヘプバーンが着て、さらにファッション・フォトのためにフランソワーズ・アルディが着た『ファッション革命を起こした一着のドレス』なのでした。

この甲冑ドレスの意味は、そのものずばり、女性の社会進出のための戦闘着としてのアマゾネス・ファッションです。

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〝名声〟を勝ち取る、女性のための『香りの戦闘服』

©Paco Rabanne

©Paco Rabanne

パコ・ラバンヌの香水はプーチ社により作られています。21世紀に入り「ワンミリオン」「インビクタス」「ファントム」といったメンズ・フレグランスのヒット作により、今ではすっかりメンズ・フレグランス・ブランドのイメージがついています。

そんなブランドのイメージを覆すべく、チーフ・ブランド・オフィサーのヴァンサン・ティロワの指揮の下、2022年に総力を挙げて生み出された香りが「フェイム」です。それは今まで、ファッションとフレグランスを結びつけてこなかったパコ・ラバンヌがはじめてその部分に目を向け生み出した香りです。

60年代に『ファッション革命』を巻き起こした〝甲冑ドレス〟をテーマにした、フローラル・ウッディ・ムスクの香りは、アルベルト・モリヤスマリー・サラマーニュファブリス・ペルグランドラ・バクリッシュにより調香されました。

成分の90%が自然由来であり、バニラとサンダルウッドに包まれた三種類のインセンスノートによって、新しいシプレを作り上げています。

何よりもボトルデザインが特徴的で、クリエイティブ・ディレクターのジュリアン・ドッセーナがデザインしたチェーンメールドレス(鎖帷子ドレス)とブーツ、そしてイヤリングとブレスレットが描かれています。サングラスは、オードリー・ヘプバーンのスイタルにインスパイアされています。

5mlと30mlのボトルは甲冑なしですが、50mlと80mlのボトルは、輝くシルバーとゴールドのプラスチックで出来ており、60年代のグラマラスを表現しています。

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マンゴーココナッツシェイクと夢見るジャスミンの香り

©Paco Rabanne

©Paco Rabanne

エル・ファニング ©Paco Rabanne

エル・ファニング ©Paco Rabanne

目もくらむばかりの、スパイシーなフレッシュさを持つインセンスは、まさにパコ・ラバンヌの嗅覚のシグネチャーと言えます。斬新な効果を生み出すために、私はバニラとサンダルウッドが生み出す中毒性のある暖かさを選びました。

このクリーミーなインセンスアコードをさらにフェミニンなものにするために、自然でフレッシュで陽気なジャスミンと、美味しくてカラフルな(100%天然由来の)シチリア産マンゴー(ネイチャープリント)の組み合わせにより、輝きを与えていきました。

その結果、コントラストと官能性をもって作られた、初の女性のための現代的なインセンスが誕生しました。パコ・ラバンヌ・ウーマンの自由で破天荒なキャラクターを際立たせています。

ドラ・バクリッシュ

〝名声〟という名のこの香りは、大人への距離を測るように、ベルガモットが弾ける中、あなたの素肌の上にジューシーなマンゴーを降り注がせてゆきます。マンゴーと遭遇したベルガモットはすぐに酸味と甘みが弾けるパイナップルの香りとなります。爽やかではなく濃厚なピーチのようなマンゴーがそこにはあります。

肌の上に滑らかに広がるトロピカルフルーツカクテルに、すぐにマダガスカル産バニラが注ぎ込まれ、マンゴーココナッツシェイクのような甘さに包まれてゆきます。

やがて、エアリーなジャスミンが甘やかな南国の花を咲かせる中、クリーミーなソマリア産オリバナムとオーストラリア産サンダルウッド、ドリームウッドによって、夢見るようにクリーミーなジャスミンの余韻に全身は満たされるのです。

ちなみにこの香りのジャスミンはグラースで収穫されたものをマイクロリキッド・テクノロジー(花に含まれる水分を取り込み、最も純粋な香りを表現する最先端の抽出プロセス)を使用して抽出された天然素材です。

そして、ドリームウッド(Dreamwood)とは、フィルメニッヒ社による100%天然由来の香料です。サンダルウッドと結びつくとたまらなく官能的でクリーミーなウッディコンビネーションを生み出します。

「フェイム」のミューズとして、『マレフィセント』、TVドラマ『THE GREAT 〜エカチェリーナの時々真実の物語〜』のアメリカの女優エル・ファニング(1998-)が起用されています。デヴィッド・ボウイの「Fame」に合わせて軽快なキャンペーン・フィルムは、パリのモンテーニュ通りにあるパコ・ラバンヌの旗艦店で撮影されました。

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香水データ

香水名:フェイム
原名:Fame
種類:オード・パルファム
ブランド:パコ・ラバンヌ
調香師:アルベルト・モリヤスマリー・サラマーニュ、ファブリス・ペルグラン、ドラ・バクリッシュ
発表年:2022年
対象性別:女性
価格:日本未発売


トップノート:マンゴー、ベルガモット
ミドルノート:ジャスミン、オリバナム
ラストノート:バニラ、サンダルウッド