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その他の男優たち

『バッファロー’66』|110分のヴィンセント・ギャロ自撮りムービー

その他の男優たち
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真にオシャレなメンズとは・・・

こんなオシャレなスタイルだったら、ロザンナ・アークエットにもモテるでしょ?

すべてのギャロの衣装は、自分で用意したものです。そして、自宅も、ギャロ自身が生まれ育った家を再現した。

上質なスエードの生地感が伝わるバストアップ・ショット。

ヴィンセント・ギャロ、180cm。クリスティーナ・リッチ、153cm。

本作のアイコニック・アイテムであるレッドブーツ。

ビリー・ブラウン・スタイル1
  • グレー×薄いネイビーのピタピタのスエード・ブルゾン、フロント・スリー・ジップポケット
  • グレースリムフィットパンツ、ベルトなし
  • 白のグンゼが座るときに半ケツになって見える。ギャロ自身がグンゼ・フリーク
  • カルペ・ディエムのような赤のジップアップブーツ。6cmヒール

その生き様からは絶対にありえないほどにファッショナブルな主人公がここにいます。スエードのブルゾン、スリムフィットパンツ、ジップアップブーツ。男性にとって「お洒落である」という要素は、並みの男性が同じ格好をしたならば、滑稽に見えるスタイルを指します。それはルックスやプロポーションが良いという話ではありません。

ジャケットの腕の長さといい、ジップを閉めたときの空気が少しだけ入っているようなゆとりといい、ベルトループを隠すギリギリの丈といい、パンツとブーツの丈の絶妙なマッチングといい、それはスタイリストが作り上げたものではなく、ギャロ自身が磨き上げたファッション・センスであることが分かるほどに個性的です。結局のところ、この作品のギャロがとんでもなくファッショナブルに見えるのは、それは自分のスタイルをいついかなる時にも貫いてることを、見ているものが感じるからなのです。

それは一種の場違いな感覚です。本当にお洒落な人が与える印象は常に違和感でなければなりません。それは軍服を着て機関銃を持つのではなく、スーツを着て機関銃を持つような感覚です。やがて、人々は、その場違いな感覚に対して、ひとつの美学を見つけ出すのです。

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ボーイフレンド・ジャケット

一緒にバスタブに入ることを頑なに拒否するビリー・ブラウン。

いつのまにかビリー・ジャケットを着ているレイラ。

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男なら、ライダースを着て町に出よう!

ブラック・カーフレザーのライダース姿のビリー・ブラウン。

大人の男になるということ=リアルレザーのライダースを身に纏える男になること。

ライダースの袖のしわの入り方がとても美しい。

ビリー・ゲット・ユア・ガン!

ビリー・ブラウン・スタイル2
  • シングルのレザーライダース
  • グレー×黒のボーダーシャツ。ノースリーブ
  • グレースリムフィットパンツ、ベルトなし
  • 赤のジップアップブーツ

男として生まれたからには、ステラ・マッカートニーのコットンベルベットのジャケットを着ない限り、リアルレザーのライダースをうまく着こなしてみたいものです。肩がけなど、うまく着崩す前に、まずはうまく着こなさなければ意味がありません。そして、それ以上に、自分に合ったデザインとサイズ感のライダースを選ぶ必要があります。レザーという獣の皮を、自分自身の肉体の上に纏うための最重要課題は、革の質です。レザーほどフェイクであることが、欠点になるファッション・アイテムは存在しません。

おおよそ地球上で最もダメなファッション・スタイルが、合皮のジャケットの肩がけスタイルであるように、レザー・ジャケットの着こなしとは、つまりは、この男性は、どういうレザーを選び、どういうサイズ感で、どういう風に着るのかということを、異性のみならず同性にも見極められてしまうところにあるのです。

ビリー・ブラウンのライダース・スタイルは、間違いなくタイムレスなメンズ・ライダースの教科書のようなものです。レザーとは腕で着るものだということを何よりも教えてくれます。