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クリスチャン・ディオール

【ディオール】タンドゥル プワゾン(エドゥアール・フレシェ)

クリスチャン・ディオール
©DIORBEAUTY
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タンドゥル プワゾン

原名:Tendre Poison
種類:オード・トワレ
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:エドゥアール・フレシェ
発表年:1994年
対象性別:女性
価格:不明

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ディオールで最も復刻が望まれている〝失われた毒〟

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1985年に世界中にセンセーションを与え、ディオール帝国の復活の狼煙となった「プワゾン」から9年後の1994年に発売された二代目プワゾン「タンドゥル プワゾン」は、フランス語で「優しい毒、ソフトな毒」という意味を持ちます。

フローラル・グリーンの香りは、初代と同じくエドゥアール・フレシェにより調香されました。世界中の廃盤香水の中でも、強く復刻を求められている「幻の名香」です。

再び悪魔がやって来ました。しかし、今回のテーマは〝やさしい悪魔〟です。ほんの一瞬見せる、厳しさの中から、秘められたやさしさが、ぷわ~と広がり包み込んでゆく香りです。それは、若くて容姿端麗な女性よりも、優しいお母さんのような女性に惹きつけられてしまう、青年の心をよろめかせる香りとも言えます。

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大人の女性の魅力で、よろめかせる〝やさしい悪魔〟の香り

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やさしい毒で、ゆっくり溺れさせて〟欲しくなるこの香りは、エメラルドグリーンの美しいグリーンノートの煌めきからはじまります。心地よい苦みも伴うこのガルバナムが最初から最後まで、〝懐かしい子供時代の草の想い出〟〝駆け抜ける草原の輝き〟〝苦い失恋の味〟など色々な感情を走馬灯のように呼び覚ましてゆきます。

すぐにチューベローズを中心に、準主役のオレンジ・ブロッサムとフリージア、ローズといった花々が、妖艶さではなく、〝心を捉えて離さない〟抱擁するような温かな花蜜と花粉を解き放ってゆきます。そしてシトラスを伴った爽やかな緑のそよ風が吹き、独特な清々しさに満たされてゆきます。

ここに「悪魔の糞」という別名を持つアサフェティダのスパイシーなオニオン臭が絶妙に加わります。

やがて、すべてを包み込む官能的なはかないムスク、クリーミーなサンダルウッドとヘリオトロープ、そして甘いバニラがひとまとめとなりほんのりとソーピィな余韻に満たされていくのです。

それはまるで、一人の年上の女性との出会いが、青年の心に秘められていた、亡き母の美しい想い出を蘇らせ、この年上の女性に耽溺させていくように、魅惑のオーラを漂わせる大人の女の嫋やかさを表現した香りです。

青い誘惑』ならぬ『緑の誘惑』。まだまだグリーンな心の持ち主の男性に対して、今まで、夫だけを忠実に愛し続けてきた貞淑なる女性が、彼と出会い、女盛りであることに気づいてしまう瞬間。そして、何かに目覚めてしまう〝魔の刻〟。その後の甘くも優しい官能的なひとときを投影した香り、それが「タンドゥル プワゾン」=「やさしい悪魔」なのです。

このフレグランスのキャンペーンフォトがこの香りのイメージを全て伝えてくれています。赤ちゃんのお鼻に優しくキスをするように、キスしてくれる年上の女性に夢中になってしまう年下の青年。それは「やさしくも哀しい愛のはじまり」の香りでもあるのです。

グレの「カボティーヌ」とよく比較される香りです。現在、市場に残る「タンドゥル プワゾン」は、2006年に再処方されたものと言われています。

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香水データ

香水名:タンドゥル プワゾン
原名:Tendre Poison
種類:オード・トワレ
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:エドゥアール・フレシェ
発表年:1994年
対象性別:女性
価格:不明


トップノート:ガルバナム、アサフェティダ、マンダリン・オレンジ、ベルガモット、ブラジル産ローズウッド
ミドルノート:ハニー、チューベローズ、オレンジ・ブロッサム、フリージア、ローズ
ラストノート:サンダルウッド、ムスク、バニラ、ヘリオトロープ