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【カルティエ】パシャ ドゥ カルティエ(ジャック・キャヴァリエ)

カルティエ
©Cartier
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パシャ ドゥ カルティエ

原名:Pasha
種類:オード・トワレ
ブランド:カルティエ
調香師:ジャック・キャヴァリエ
発表年:1992年
対象性別:男性
価格:100ml/16,665円
公式ホームページ:カルティエ

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カルティエ最初の防水腕時計「パシャ」

ピアース・ブロスナンとパシャ ©Cartier

ピアース・ブロスナンとパシャ ©Cartier

1932年に、入浴するときも付けておける腕時計を所望したマラケッシュのパシャ(太守)エル・ジャウイ公のために、ルイ・カルティエが世界最初の防水時計を制作しました。

1943年、その時計をモデルに、「パシャ」がカルティエの時計のコレクションとして登場しました。そして、1985年に伝説的な時計デザイナー、ジェラルド・ジェンタにより「パシャ」は更に進化を遂げることになりました。

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熱き心を持つ紳士の涙もろさに、防水加工を施す香り

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©Cartier

イワナズナ

そんなカルティエの人気の時計コレクションの名を冠した香水「パシャ ドゥ カルティエ」が1992年に発売されました。クラシックなフゼアの香りは、ジャック・キャヴァリエにより調香されました。

香調のフゼアとは、フランス語で「シダのような」という意味で、ラベンダーとオークモス、クマリンによる渋みと甘さとハーブの爽やかさが三位一体になった香り立ちが特徴です。

キャヴァリエは、「ロードゥ イッセイ」を1991年11月に完成させたすぐ後に、この香りを完成させました。爽やかでクリーンなアロマティック・フゼアのこの香りは、マンダリンが爽快感を運んでくれる中、優雅な風に乗ってラベンダーが到来するようにしてはじまります。

すぐにミントを中心としたハーブと豊かに甘やかなスパイス(アニス、キャラウェイ、コリアンダー)が、ラベンダーに力強さと深みをもたらしてくれます。そして、タバコのようなスモーキーな香りが加わります。

ここで、ジャスミンやマグノリアを思わせるイワナズナの芳香が、ラベンダーとぴったり呼吸で共鳴しあいながら、うっとり落ち着いた華やかさで包み込んでゆくのです。

やがて、クリーミーなサンダルウッドと渋いオークモス、甘いラブダナムがミンティなスパイスと溶け合い、威風堂々とした爽やかなソーピィーの余韻ですべてを包み込んでゆくのです。

それは、熱き心を持つ紳士の涙もろさに、防水加工を施すというテーマで生み出された香りともいえます。つまり実に涙もろいシプレが潜むロマンティックフゼアなのです。

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カルティエ覚醒前夜の香り

©Cartier

時計のリューズと(イスラム教寺院の)ミナレット&オスマン建築のドームをミックスしたボトル・デザインはアレッサンドロ・レゴヴィーニ(Alessandro Legovini)によるものです。

イヴ・サンローランの「ジャズ」(1988)やカルバン・クラインの「エタニティ フォーメン」(1989)とよく比較される香りです。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「パシャ」を「アロマティック・フゼア」と呼び、「めっそうもないことだが、気の毒な「オードソワール」からシプレ構成の骨格の残骸を取り除き、そして家具用つや出し剤レモンプレッジをいくらか加えれば、パシャに近づくだろう。」

「パシャについては大失敗としかいいようがない。なにしろ瓶などは白人のドレスの股袋か、もしくは「サントス」をなんとか上品と思わせる、おぞましい腕時計に見えるからだ。カルティエが工場のラインを止めないのがふしぎでならない。ブルネイでなら人気があるに違いない。」と1つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:パシャ ドゥ カルティエ
原名:Pasha
種類:オード・トワレ
ブランド:カルティエ
調香師:ジャック・キャヴァリエ
発表年:1992年
対象性別:男性
価格:100ml/16,665円
公式ホームページ:カルティエ


トップノート:マンダリン・オレンジ、ラベンダー、ミント、キャラウェイ、アニス
ミドルノート:コリアンダー、ブラジリアン・ローズウッド
ラストノート:サンダルウッド、オークモス、パチョリ、ラブダナム