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ボンド・ナンバーナイン

ニューハーレム(モーリス・ルーセル)

ボンド・ナンバーナイン
©Bond No. 9 New York
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香水データ

香水名:ニューハーレム New Haarlem オード・パルファム
ブランド:ボンド・ナンバーナイン
調香師:モーリス・ルーセル
発表年:2003年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/19,000円


トップノート:ラベンダー、ベルガモット、グリーン・リーブス
ミドルノート:コーヒー、シダー
ラストノート:アンバー、バニラ、トンカビーン、パチョリ

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ルカ・トゥリン

★★★☆☆ コーヒーラベンダー

初めてコロンにコーヒーを入れた「オード ナビガトゥール」(ラルチザン)に、もっとつや出ししたもの。モーリス・ルーセルによるボンド・ナンバーナインの大胆なニューハーレムもそんなに悪くない。トップノートはリッチで、とても美味しそうなこうばしい香り、そして軽いウッディ調に落ち着くと、その後には短命なフゼア。もしかしたら私が朝食にうるさいだけなのかもしれないけど、このコーヒーの香りが漂うと心を奪われる。こんな香りを漂わす男性なら、早くも午前11時には髭が目立ってくる人に違いないというイメージが、少なくとも科学的に間違いだと立証されるまでは信じている。― タニア・サンチェス

『「匂いの帝王」が五つ星で評価する世界香水ガイドⅡ』ルカ・トゥリン/タニア・サンチェス 原書房

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香水についての解説

ハーレム」とは、ニューヨークにあるアフリカ系アメリカ人が住む地区です。1920年代には、ハーレム・ルネサンスと呼ばれる黒人文化が花開くのですが、第二次世界大戦後、空前の治安の悪化に見舞われ、1970年代から80年代にかけては、世界を代表する貧困と犯罪に満ちた無法都市の象徴になりました(こういう言い方はあまり良くないのですが、現在の視点で見れば、ファッション感度が高いのはこの時代のハーレムです。今のハーレムにはカラーがありません)。しかし、1990年代以降は、高級都市として再生し(=ネオ・ハーレム・ルネサンス)、今に至ります。

この「ニューハーレム」の香りは、アポロ・シアター、スモールズ・パラダイス、コットンクラブといったハーレム・ルネサンスを讃える香りです。

コーヒー、バニラ、パチュリに包まれたこのオリエンタル・ウッディの香りは、モーリス・ルーセルによって2003年に調香されました。ボンド・ナンバーナインが2003年にローリス・ラメにより創業された時のファースト・フレグランスの成功を受けて発売された第二弾フレグランスです。

世界初のコーヒーのフレグランスはティエリー・ミュグレーの「A メン」(1996)です。その影響の下で生み出されたこの香りは、最も忠実に〝淹れたてのコーヒー〟の香りが再現されたフレグランスだと言われています。

グリーンかつハーバルなラベンダーが効いたオープニングからはじまり、コーヒーとシダーをブレンドすることによって、淹れたてのコーヒーの香り立ちが再現されます。圧巻なのは、ベースにおいて使用されているアンバー、バニラ、トンカビーンがヘーゼルナッツの香りを生み出している点です。

そこに、パチョリがパズルの最期のピースのようにこの香りにはめ込まれ、一日のテンションをクールに保ってくれる魔法を生み出してくれるのです。