マリリン・モンロー専属メイク・アラン・スナイダー
唇に完璧なカーブとシェードをつけるために口紅を5,6種類使った。セクシーだと納得するまで続けた。濡れてぽってりとしたマリリン・モンローの唇になるまでけっして妥協しなかった。マリリンの唇はほんとうは薄かった。丸い鼻を気にしていたから、ノーズ・シャドウにもたっぷり時間をかけた。
『マリリン・モンローという生き方』山口路子
アラン・スナイダー(1914-1994)について少し語りましょう。『モンキー・ビジネス』(1952)でマリリン・モンローのスクリーン・テストのメイクを担当して以来の専属メイクアップ・アーティストであり、あらゆるパーソナルなことにおいてのメイクまでも担当しました。そして、彼のみが、マリリンの死後、一切のハリウッド関係者が排除されたジョー・ディマジオ主導のマリリンの葬儀において、彼女の棺を担ぐことを許された人だったのです。
なぜならば、マリリンは生前に、彼にこう言っていてのでした。「私がもし死んだときは、あなたが私の死に顔にメイクを施してね」と。そして、アランはその約束を果たしたのでした。
ウィリアム・トラヴィーラの傑作コスチューム
マリリン・モンロー・ルック2 スパンコールドレス
- 流星モチーフのシルバーとベージュのビーズとスパンコールが施されたペールピーチのカクテルドレス。ロングスリーブ、左腰にスパンコールのローゼット(円花飾り)とスリット
- シルバーフェザーとスパンコールとタッセルのヘッドドレス
- 白のハイヒールサンダル
マリリン・モンローの魅力の秘密はきっと、男たちに対して、俺にもチャンスがあるぞ、と思わせることだろう。
ビリー・ワイルダー(『七年目の浮気』と『お熱いのがお好き』の監督)
『ノックは無用』(1952)『モンキー・ビジネス』(1952)『紳士は金髪がお好き』(1953)『百万長者と結婚する方法』(1953)『帰らざる河』(1953)でマリリン・モンローの衣装を担当してきたウィリアム・トラヴィーラ(1920-1990)を悩ませたのは、彼女の大きなバストがショーのダンスシーンで左右に大きく揺れることでした。そのため全裸のマリリンのバストを特注のワイヤーでコルセットのように固定しました。
この曲の歌詞が、マリリンの人生のようで、とても切ないです。「あなたは私を求めるんだけど、私を手に入れるともう欲しくなくなるのね?」。