リリー オブ ザ バレー
原名:Lily of the Valley
種類:オード・トワレ
ブランド:フローリス
調香師:ジュアン・ファメニアス・フローリス
発表年:1847年
対象性別:女性
価格:50ml/13,200円、100ml/17,600円
『春を呼ぶ大自然の演奏会』を肌にまとう喜び
290年の歴史をもつ英国王室御用達のメゾンフレグランスブランドフローリスより、1765年に、創立者であるジュアン・ファメニアス・フローリスにより生み出された「リリー オブ ザ バレー」は、1847年から発売されるようになりました。
時代を超えて今も愛され続けているスズランの香りです。そして、フローリスにおいて、最も人気のある香りのひとつです。
雨上がりの新緑に太陽が降り注ぎます。大地は目覚め、朝露をふくんだ草葉が身体を起こし、爽やかな風に揺られています。そこに、太陽に温められたアマルフィ・レモンが、キラキラと輝きながら、酸味の効いたフレッシュな香りを降り注がせてゆきます。
新緑とレモンのしずくよ永遠に!とばかりに、すぐにクリーミーなサンダルウッドとパウダリーなムスクが注ぎ込まれ、最後まで持続するレモン=〝香りの鉄琴〟が誕生します。さあ、『春を呼ぶ大自然の演奏会』のはじまりです。
木陰に咲いていたスズランの出番です。スズランがマレットとなり、クリーミーなチューベローズを中心としたローズ、ジャスミン、イランイランといったフローラル製の音板が鳴らされ、鉄琴は優しく透き通るように甘やかな音を奏でてくれます。
もっとも古い部類に入るスズランの香りでありながら、昨日生み出されたような〝永遠に色褪せないシンプルな〟スズランの香りです。その秘密は250種類以上の精油がブレンドされて生み出されたという複雑な調香にあります。
ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「リリー オブ ザ バレー」を「フレッシュ・フローラル」と呼び、「天然エキスは見当たらないので、スズランのような香りのする香料はすべて、合成物質か部分的に合成物質で再構築されている。悪くない香りだが少々ぎこちなく、機能本位だ。つまり心地よさを産みだすのではなく、むしろよくない香りを覆い隠すのが目的のように思える。」と2つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:リリー オブ ザ バレー
原名:Lily of the Valley
種類:オード・トワレ
ブランド:フローリス
調香師:ジュアン・ファメニアス・フローリス
発表年:1847年
対象性別:女性
価格:50ml/13,200円、100ml/17,600円
トップノート:グリーンノート、アマルフィ・レモン、ライム
ミドルノート:ジャスミン、スズラン、ローズ、イランイラン、ヴァイオレット、チューベローズ
ラストノート:サンダルウッド、ムスク、アンバー