アクアロッサ
原名:L’Acquarossa
種類:オード・パルファム
ブランド:フェンディ
調香師:フランソワ・ドゥマシー、デルフィン・ルボー、ブノア・ラプーザ
発表年:2013年
対象性別:女性
価格:30ml/8,295円、50ml/11,970円、75ml/14,595円
フェンディ帝国最後の香り
フレグランスの展開においてぱっとしなかったフェンディは、2005年にグッチグループのYSLボーテとのライセンス契約が終了した後、今まで発売していたすべての香りを廃盤にしました。そして、クリエイティブ・デザイナーのシルヴィア・フェンディの陣頭指揮の下、2007年に「パラッツォ」をローンチしました。
調香界のオールスターを集めて生み出したとも言える、アニック・メナードとティエリー・ワッサー、フランソワ・ドゥマシーを召喚し調香されたこの香りは、残念ながらほとんど売れず、2009年に販売終了しました。
一方でシルヴィア・フェンディは、2008年9月の2009年春夏ミラノ・コレクションにおいて新たなるシグネチャー・バッグ〝ピーカブー〟を発表し、2009年にブティック販売を開始し、一大旋風を巻き起こしました。
そんな勢いの中、再びシグネチャー・フレグランスを生み出すべく2010年9月に発売されたのが「ファン ディ フェンディ」でした。フランソワ・ドゥマシーとデルフィン・ルボーにより調香されました。
大ヒットにはならなかったのですが、いくつかのフランカーを出していく中、2013年9月(日本は10月25日)に、最後の挑戦として「アクアロッサ」を発売しました。〝アクアロッサ〟とは、イタリア語で〝情熱の赤い水=媚薬〟の意味です。
赤と黄金と黒のカラーリングが重厚なボトル・デザインと見事にマッチしています。フェンディのアイコニックバッグであるピーカブーの留め金をイメージした、黄金と黒のキャップ。ボトルの底にはダブルFのロゴが配置されています。
フローラル・ウッディーの香りは、フランソワ・ドゥマシーとデルフィン・ルボーとブノア・ラプーザによって調香されました。キャンペーン・モデルとして、マルチェロ・マストロヤンニとカトリーヌ・ドヌーヴの娘であり、映画女優のキアラ・ マストロヤンニ(1972-)を起用し、イタリア文化とフランス文化の融合と、成熟した女性美を謳うフェンディ・ウーマンを体現させています。
フランスのフォトグラファー・ジャン=バティスト・モンディーノによりビジュアルは撮影されました。
フェンディの〝最後の赤い鳥〟
しかし、満を持して発表したこの香りをもってしてもフェンディは、フレグランスの世界においてシグネチャーと呼べるフレグランスを生み出すことは出来ませんでした。そして、この香りを最後に、2015年に、フェンディは完全にフレグランス・マーケットから撤退するのでした。
そんな〝最後の赤い鳥〟の香りは、明るくジューシーなマンダリンとベルガモットが、砂糖漬けされたプルーンと溶け合い、妖しくきらめくムードからはじまります。
すぐに赤ワインのようなクラクラさせるクールビューティなパチョリローズが、しなやかな肢体を思わせるオレンジ・ブロッサム、クリーミーに磨き上げられたマグノリアと、ほんのりスパイシーにグリーンなランタナと共にひとまとめになり満ち広がってゆきます。
やがて、触れるものすべてを燃え上がるようにレッドシダーがムスクの風に乗り、パチョリローズを火の鳥へと変えてゆき、素肌を透かして、心に情熱の赤いロゼワインを注ぎ込んでゆくのです。
オード・トワレ版について
2014年に発売されたオード・トワレ版は、ローズの代わりにピオニーで、より明るくきらめく華やかな女性を演出してくれます。ボトルカラーは、オレンジレッドです。同じ三人による調香です。
トップノート:シチリアン・マンダリン、カラブリアン・ベルガモット、華北山椒、ブラッド・オレンジ
ミドルノート:ランタナ、ピオニー、ヴァイオレット
ラストノート:ムスク、レッド・シダー
香水データ
香水名:アクアロッサ
原名:L’Acquarossa
種類:オード・パルファム
ブランド:フェンディ
調香師:フランソワ・ドゥマシー、デルフィン・ルボー、ブノア・ラプーザ
発表年:2013年
対象性別:女性
価格:30ml/8,295円、50ml/11,970円、75ml/14,595円
トップノート:シチリアン・マンダリン、カラブリアン・ベルガモット、プルーン
ミドルノート:オレンジ・ブロッサム、ローズ、マグノリア、ランタナ
ラストノート:インドネシア産パチョリ、ムスク、レッドシダー