イリス パリダ エクストレ 6
原名:Iris Pallida Extrait 6
種類:エクストレ・ドゥ・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:ティエリー・ワッサー、デルフィーヌ・ジェルク
発表年:2023年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/85,800円
公式ホームページ:ゲラン
極上のイリスバターで、素肌を磨き上げましょう。
21世紀に入るまで、ゲランがずっと秘密にしてきたレシピがあります。二代目調香師エメ・ゲランにより生み出されたゲルリナーデです。ゲルリナーデとは、香水芸術に情熱を傾けてきたゲランだからこそ調達出来る、選りすぐりのベルガモット、ローズ、ジャスミン、トンカビーン、アイリス、ヴァニラのエッセンスを組み合わせて創造する〝ゲラン帝国の血〟であり〝ゲランの精神=刻印〟です。それはゲランの歴代調香師にのみ一子相伝で伝えられてきました。
とここまでが通常のゲルリナーデの説明となるのでしょうが、ここからが、本当のゲルリナーデの真髄に迫る部分です。それは「コミュネル」と呼ばれる、6つのエッセンス自体が、異なる生産者や国からの、同じ植物の異なるエッセンシャルオイルを組み合わせ、異なる側面を生み出すようにブレンドされているところにあります。
この6つのエッセンスそれぞれのスペシャル・ブレンドこそが、ゲルリナーデの真の秘密のレシピなのです。
2005年、パリ・シャンゼリゼ通り68番地のゲラン本店のリニューアルオープンを記念して発売された「ラール エ ラ マティエール(芸術と貴重なる生の素材)」コレクションの〝究極のコレクション〟として、2023年に『ラール エ ラ マティエール エクストレ』が発売されました。日本では10月12日から伊勢丹新宿店で開催される「サロン ド パルファン 2023」で先行販売され、11月1日以降、一部ブティック限定で販売されています。
ゲルリナーデを生み出す〝ゲランの六星〟それぞれに脚光を当てていく、それぞれの香りには、〝宿命の数字〟=ゴールデンナンバーが振り当てられています。
そのうちのひとつ「イリス パリダ エクストレ 6」は、五代目専属調香師ティエリー・ワッサーとデルフィーヌ・ジェルクによって調香されました。
ゲランとアイリス(アイリス・パリダのイリスバター)のランデブーは、1906年に三代目調香師ジャック・ゲランによる「アプレロンデ」からはじまり、1912年の「ルールブルー」で頂点に立ち、以来ゲランのシグネチャーとなっています。
誰もが白鳥のような美しい首を持った気分になる香り
アイリスの香りが持つ素晴らしさは、クラシック音楽やバレエを鑑賞するひと時とよく似ています。その瞬間、自分の中に眠る〝美しさに対する憧れ〟が呼び覚まされ、劇場を後にするとき、誰もが白鳥のような美しい首を持った気分になるものです。
一方で、アイリスの香りは、最も使いにくい香りでもあります。それはあたかもファッションにおいて、スモーキングジャケットとデニムのジーンズの組み合わせや、バイカーズデニムとイブニングドレス、ミニスカートとスティレットヒールとケリーバッグ、テーラードスーツとルイ・ヴィトンのバッグのように、組み合わせ次第で、とんでもなく野暮ったくなる一方で、絶妙なバランスを極めれば、究極のハイセンスなエレガンスを演出してくれるものと同じです。
アイリス(特にイリスバター)のフレグランスを選ぶとき、このバランスに気をつけないといけません。だからこそ、21世紀のエレガンスの旗手だと自認するセリーヌのエディ・スリマンは、「ディオール オム」でイリスバターを使用し、さらに半分以上のセリーヌの香りで、イリスバターを使用しているのです。
最高級のイリスバターの品種は、アイリス・パリダです。この香りの名についている「6」が、ゲランのアイリスのゴールデンナンバーです。それはイリスバターを手にするためにかかる期間を示しています。アイリス・パリダがフレグランスの世界で極めて貴重なアイリスとされている理由は、イタリアの太陽の下、3年間の生育を必要とし、さらに3年間その根茎を乾燥させないといけないという6年の時間をかけて、イロンを豊富に含むパウダリーなイリスバターが採られるからです。
ふとした所作にフワッと舞うように香る〝ひきよせ素肌の匂い〟
その最高品質のイリスバターを中心に他品種および他産地のアイリスをスペシャルブレンドし、30%に濃縮されたエクストレが力強く広がるようにしてこの香りははじまります。
すぐに、甘くて香ばしいアーモンドとムスク、クリーミーなサンダルウッドが注ぎ込まれ、フレデリックカッセルのミルフィーヌのように、パウダリーなアイリスに、パウダリーなアーモンドとムスクを重ねることで高まる美しさを満ち広がらせてゆきます。
そして、最後に振りかけられるホワイトスエードの高級なレザーバッグのような温かい柔らかさがすべてと見事に調和し、その中に収められたリップスティックのニュアンスもほんのりと立ち上ります。
極上のイリスバターは、うっとりと周りの人々を心豊かに魅了し、青年に淡い心を芽生えさせ、自身の心にロマンティックな軽やかさを生み出してくれるものです。だからこそ、この香りに限り、たっぷりと思う存分、贅沢に身に振りかけて良いでしょう。なぜなら、このイリスバターは、真に素肌と一体化する高品質のものだからです。愛でるように全身に塗りこむように振り掛けると、素肌がきらめきで満たされてゆきます。
やわらかく、しずやかに、消え入るように、美しくもはかないアイリスのパウダリーさと素肌が、ひとつになった瞬間、ふとした所作にフワッと舞うように、柔らかな匂いに香水を嫌悪するあらゆる人々さえも引き込んでいくことでしょう。そして、誰もがその奥に潜むあなたのすべてを確かめたくなるはず。
香水データ
香水名:イリス パリダ エクストレ 6
原名:Iris Pallida Extrait 6
種類:エクストレ・ドゥ・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:ティエリー・ワッサー、デルフィーヌ・ジェルク
発表年:2023年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/85,800円
公式ホームページ:ゲラン
シングルノート:イリスパリダ、ホワイトスエード、アーモンド、ムスク、サンダルウッド