エンプレッサ
原名：Empressa
種類：オード・パルファム
ブランド：ペンハリガン
調香師：マイク・パロット、クリスチャン・プロヴェンザーノ
発表年：2014年、2018年
対象性別：女性
価格：30ml／21,120円、100ml／41,250円
販売代理店ホームページ：ラトリエ デ パルファム
〝エンプレッサ〟＝『女帝』という名の香り
©Penhaligon’s
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2007年にペンハリガンのジェネラル・マネージャーに就任し、ブランド復興の舵取り役を見事に果たしていたサラ・ロザラムが、右腕のクリエイティブ・ディレクター、ナタリー・ヴィンチグェッラと2008年に生み出した最初の香り「エリクシール」により、オリヴィア・ジャコベッティがペンハリガン初登場となりました。
それ以降、実力派調香師を起用する流れがはじまりました。そんな中、2014年に（19世紀末の）ロンドンと植民地とを結ぶ大英帝国の貿易ルートから想起された「トレードルート コレクション」として、3種類の香りが発表されたのでした（日本では2015年2月25日から全国発売されました）。
そのうちのひとつが、「エンプレッサ」です。その名の意味は「女帝」です。上流社会の女性のために次々とロンドンに運び込まれた貴重なシルク製品やパールの美しい光沢にインスパイアされた、フェミニンでシプレフルーティな香りです。マイク・パロットにより調香されました。
2018年には、クリスチャン・プロベンザーノが、オード・トワレからオード・パルファムへと進化させ、日本でも2021年9月22日から発売されるようになりました。
タフで、クールでやさしい女帝の香り
©Penhaligon’s
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荘厳に鮮やかに弾けるピリっと酸味の効いたピンクペッパーに導かれ、ピーチを中心にブラッドオレンジ、ブラックカラント、ブラックベリーといった純潔な魂に満ちた果実たちが、愛と自由とを謳いつづけるように広がるようにしてこの香りははじまります。すぐに円やかなバニラとパチョリが溶け込んでゆきます。
「さぁ、エンプレッサのおな～りぃ～」。それは、本物の女帝（オーストリア皇妃エリーザベトやヴィクトリア女王）というよりは、組織の中で活躍する華やかな女性リーダーに対して親しみを込めて呼ぶ「女帝」という名に相応しい香りです。
厳しい言葉の中に、ふと見せる優しさが、部下の女性には憧れの心を、そして、部下の男性には叶わぬ恋心を抱かせる・・・まさにそんな親愛の情と忠誠心を沸き起こすように・・・ダマスクローズとネロリに彩られたパウダリーなフローラルが香り全体を優しく抱擁してゆくのです。
どこかシャネルの「ココ マドモアゼル」のようであり、フルーツはさらに明るく輝き、パチョリ、バニラ、アンバーはより濃厚になり、ジャスミンとベチバーを除いたジャミーなローズが、フルーツカクテルに溶け込み、明るい輝きを広がらせてゆくのです（マルトールが綿菓子のような感触も添えてくれています）。
この香りのポイントは、19世紀後半のシルクは、衣蛾が布に卵を産みつけるのを防ぐために、絹を運ぶシルクロードの交易商たちが、乾燥させたパチョリの葉で包んでいたという時代の空気が、香り全体に漂っているところにあります。
普段は厳しい「女帝」。だけど、私たちは彼女の優しさもよく知っている。だからこそ、彼女の下で、自分自身のリミッターを振り切ることが出来るのだ。やがて、フランキンセンスの風に乗り、うっとりするようなミルキーなココアとサンダルウッドが満ちひろがってゆくのです。
「女帝」。それは彼女の下に、あらゆる香料が集結し、自分自身の行動に毅然とした確信を与えてくれる〝叱咤激励してくれる、綺麗なお母さんのような女上司の香り〟なのです。
香水データ
香水名：エンプレッサ
原名：Empressa
種類：オード・パルファム
ブランド：ペンハリガン
調香師：マイク・パロット、クリスチャン・プロヴェンザーノ
発表年：2014年、2018年
対象性別：女性
価格：30ml／21,120円、100ml／41,250円
販売代理店ホームページ：ラトリエ デ パルファム
トップノート：ブラッドオレンジ、ベルガモット、マンダリン
ミドルノート：ピーチ、ブラックカラント、デューベリー、ローズ、ネロリ、ゼラニウム、カルダモン、ピンクペッパー、ブラックペッパー
ラストノート：バニラ、フランキンセンス、ココア、アンバー、ムスク、ウッド、パチョリ、サンダルウッド、キャラメル