キュイル ベルーガ
原名:Cuir Beluga
種類:オード・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:オリヴィエ・ポルジュ
発表年:2005年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/49,500円、200ml/70,290円
公式ホームページ:ゲラン
シルヴェーヌ・ ドゥラクルトが愛したバニラ
それは私がずっと夢にまで見てきた女性が身に纏えるライトレザーの香りを作りたいという想いからはじまりました。
白くて、フェミニンで、パウダーのように繊細で、バニラスエードな。そして、「ルール ブルー」(ヘリオトロープ)のエッセンスも詰め込んだそんな香りを作りたいと考えたのです。
シルヴェーヌ・ ドゥラクルト
2005年、パリ・シャンゼリゼ通り68番地のゲラン本店のリニューアルオープンを記念して発売された「ラール エ ラ マティエール(芸術と貴重なる生の素材)」コレクション。
このコレクションは、今までゲランと全く接点のなかった3人の調香師が、時のクリエイティブ・ディレクター、シルヴェーヌ・ ドゥラクルト(マチルド・ローランと共にジャン=ポール・ゲランの下で学んだ女性)により選抜され生み出されました。
3人に課せられた要望はただひとつ、〝世界で最も貴重な原料を使ってゲランのパッションを表現して欲しい〟ということでした。
「キュイル・ベルーガ」は、「ベルーガ・チョウザメの革」という意味ではなく、海のカナリアと呼ばれる「シロイルカの革」の意味です。高級なホワイトスエードの中毒的な甘さを彷彿とさせる、15種類の原料で構成された香りは、オリヴィエ・ポルジュにより調香されました。
パティシエが混ぜる生クリームの香り
暖かい光のようなアルデハイドとマンダリン・オレンジの導入部はすぐに終わり、チェリーアーモンドバニラのようなヘリオトロープと蜂蜜のようなイモーテル(カレープラント)の豊潤な甘さがパチョリによって肌馴染みの良い〝浮遊するバニラ〟を生み出します。
レザーというよりも、高級ホテルの中に入っているパティシエの工房で、かき混ぜられている生クリームを隣で眺めながら、ピエールマルコリーニのギモーヴショコラを食べている、そんな最高級のバニラとマシュマロに包まれているような非常に贅沢な香りです。
2005年当時、レザーはフレグランスにとってよく使われる香調ではありませんでした。
IFFが特許を持つスエーデラルが使用されています。それは、肉厚で硬めの無骨なレザーの香りではなく、頑丈なレザーをなめした後の滑らかで繊細なホワイトスエードの香りを生み出します。
この香りが、肌馴染みの良い、パウダリーで癖になるバニラだと感じる理由はこの香料がブレンドされているからなのです。
理性と野性の狭間で、官能のホワイトシロップが滴り落ちる中、自分自身の肌が思う存分甘くなめされていく香りです。
ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「キュイル ベルーガ」を「パウダリーアンバー」と呼び、「香水の構造や、詩人気どりの名前、背が高く長方形の瓶をみれば、ついにゲランもルタンスのように香水専門メーカーの影響を受けたことがわかる。」
「大きなソファとキャビアのおつまみを連想するようなキュイル・ベルーガという名前は、やたらな贅沢を好むフランスの嗜好に明らかに迎合したものだ。この香水は基本的に軽いヘリオトロピンとバニリンのアンバー調で、ミドルノートにはフローラルグリーンとスエードの香調がかすかに入っている。色彩と風合いは心地よいが、形はようとして捉えがたい。」と3つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:キュイル ベルーガ
原名:Cuir Beluga
種類:オード・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:オリヴィエ・ポルジュ
発表年:2005年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/49,500円、200ml/70,290円
公式ホームページ:ゲラン
トップノート:アルデヒド、マンダリン
ミドルノート:パチョリ、カレープラント、ヘリオトロープ、バニラ
ラストノート:アンバー、スエード