コロニア アンブラ/アンブラ
原名:Colonia Ambra
種類:オーデコロン・コンセントレ→オード・パルファム
ブランド:アクア・ディ・パルマ
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2015年→2019年
対象性別:男性
価格:20ml/19,360円、100ml/43,780円、180ml/55,880円
公式ホームページ:アクア・ディ・パルマ
樹脂のアンバーではなく、アンバーグリス(龍涎香)の香り
美意識の高い男性に向けて、旅先で見つけたさまざまな風土や異なるカルチャー、そこで見つけた美しいものからインスパイアされ生みだされた『コロニア イングリディエント』コレクションの第三弾として、2015年4月に発売された「コロニア アンブラ」は、ディオールの初代専属調香師フランソワ・ドゥマシーにより調香されました。
この香りの主人公はヴェネツィア生まれのマルコ・ポーロ(1254年頃-1324年)です。マルコ・ポーロは、13世紀から14世紀の探検家で、元朝の初代皇帝クビライに気に入られ、17年間を中国で過ごすことになります。彼は『東方見聞録』の中で、マダガスカル島沖でマッコウクジラが捕獲され、龍涎香が採れたことを記しています。
不老長寿の薬効があると考えられていた龍涎香(=アンバーグリス)を、ヨーロッパにマルコ・ポーロが伝えたことにより、それ以来、香水の世界においてもアンバーグリスは人気の天然香料となっていくのでした。そんなアンバーグリスが持つ不思議な力を、21世紀のマルコ・ポーロたちに捧げたのがこの香りです。
現在この香りは、2019年にスタートした『シグネチャー オブ ザ サン』コレクションのひとつとして「アンブラ」の名で、オード・パルファムの濃度でリニューアルされています。
このコレクションのテーマは、馴染みのある素材を〝まるで初めて体験した香り〟のように、意外性と活気に満ちた輝きで演出するです。
嘘を真実に変える力を持つ、アンバーグリス・アコードの最も危険な遊戯
マルコ・ポーロが10数年ぶりにヴェネツィアに戻って来たとき、彼の身体には、中国皇帝の宮廷に広がるアンバーグリスの香りが染み付いていました。そんな彼の肉体に、幼い頃から慣れ親しんだ、オレンジを中心としたヴェネツィアのシトラスの澄み渡る香りが溶け込んでゆく、そんな東洋と西洋の融合からこの香りははじまります。
フレッシュなシトラスを海水が飲み込んでいくようではなく、イタリアの浜辺に辿り着いた塩気を含んだ龍涎香が、太陽に愛され温められ、海辺に植えられた果樹園で実る、これから収穫を待つシトラスに、まるで祝福されているようです。
そこに馥郁なローズが広がり、パチョリと結びつき、太陽は沈み、情熱の赤い薔薇が、まるで寝床で、愛人を待つ人妻のような官能的な匂いで、シトラス×アンバーグリスの愛人を柔らかく暗黒の世界へと誘ってゆくのです。
まるで高級住宅地で淑女のような佇まいで過ごしている貴婦人が、黒いガーターベルトとストッキングを付け、赤いリップとマニキュアとスモーキーアイで、あなたに熱い視線を向けているような、そんな視線を身に受ける香りです。
魅力的な年上の女性(喫煙者)に愛されてきた男から香り立つ、甘やかされた熱い吐息のようにミルキーなサンダルウッドが、スモーキーなラブダナム、バニラと結びつき、閃光のようなムスクとひとまとめになった瞬間、香りが生み出しうる〝最も危険な遊戯〟がはじまるのです。
あなた自身が、女性が泳ぐ大海に浮かぶ龍涎香になる香り。この龍涎香を知ってしまうと、もう普通の男は愛せなくなる...そんな男にあなたを磨き上げてくれるかなり危険な香りです。本物のアンバーグリスを偽造し、嘘を真実に変える力を持つ、アンバーグリスに最も近い詐欺師の香り。こんな素敵な嘘になら騙されてみたいと思わせる悪魔の香りです。
香水データ
香水名:コロニア アンブラ/アンブラ
原名:Colonia Ambra
種類:オーデコロン・コンセントレ→オード・パルファム
ブランド:アクア・ディ・パルマ
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2015年→2019年
対象性別:男性
価格:20ml/19,360円、100ml/43,780円、180ml/55,880円
公式ホームページ:アクア・ディ・パルマ
トップノート:ベルガモット、オレンジ、プチグレン
ミドルノート:ローズ、ナガルモタ、シダーウッド、パチョリ
ラストノート:アンバーグリス、サンダルウッド、ラブダナム、バニラ、ムスク