ビキニケスタセラ
原名:Bikini Questa Sera
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ルブタン
調香師:ピエール・ネグリン
発表年:2016年
対象性別:女性
価格:30ml/20,900円、80ml/41,800円
ルブタンらしいビジュアル・イメージ
靴の裏に赤いペインティングが施されたシューズが広まるきっかけを作った男クリスチャン・ルブタン。フレデリック・マルの大親友であり、自身もフレグランス愛好家であるルブタンが、2016年9月1日に満を持して発売した「クリスチャン ルブタン コレクション」。
そのうちの一本である「ビキニケスタセラ」は、イタリア語で「今夜のビキニ」という意味です。ピエール・ネグリンにより調香されたフローラル・スパイシーの香りです。
ビーチでの一日が夕暮れを迎え、やがて、太陽は消えていくが、まだ月は出ていないマジック・モーメントを香りで表現したフレグランスです。それは「こんな素晴らしい夕陽を見たのなら、今夜は私の中の狼を解き放ってもいいでしょう」と決意する一人の女性の「魔の刻」の香りでもあります。
赤ワイン・パラディゾーネにグリーンの香りが絡み合うトップノートから始まります。すぐに香りは、グリーンなジャスミンとクリーミーなチューベローズの甘い濃厚さに包まれ、サンダルウッドとベチバー、アンバーグリスがさらにさらに二倍三倍にくどすぎる官能性を発散させます。
偽者のレッドソールのような香り
「情熱的な甘い香り」と銘打たれているのですが、その香りは日本人の洗練された情熱(慎ましやかな情熱)とは相容れません。この香りを日本人がつけると、それは、まさに、表面的な西洋文化に憧れ、派手な露出をして、EDM(もはや死語)が流れるクラブでストリッパーのようなダンスにこうじている日本人女性が思い浮かべられます。
その洗練や情熱とは程遠い姿に、チープなハイエナが群がり、ある種のステレオタイプであるチープジャパニーズ・イメージを連想させます。一流の女性と二流の女性の違いは、あらゆることについてほどほどの甘さを知っているかどうかにあります。
まさにハワイのチーズバーガーショップから漂ってきそうな香りであり、甘い香りが好きな10代のアメリカンにとっては、この濃厚なチューベローズに惹きつけられるのでしょうが、決してルブタンの香りとは言えない、市場に出回るあの偽物のレッドソール・シューズにお似合いの香りです。
ボトルのシルエットはともかくとして、陶酔感を生み出すエジプトの夕日をイメージした色彩のボトルカラーはなるほどとてもクリスチャン・ルブタンです。
香水データ
香水名:ビキニケスタセラ
原名:Bikini Questa Sera
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ルブタン
調香師:ピエール・ネグリン
発表年:2016年
対象性別:女性
価格:30ml/20,900円、80ml/41,800円
トップノート:パラディゾーネ、グリーン・ネクター
ミドルノート:ジャスミン・アブソリュート、チューベローズ・アブソリュー
ラストノート:オーストラリア産サンダルウッド、ハイチ産ベチバー、アンバーグリス(龍涎香)