究極のフレグランスガイド!各ブランドの聖典ページ一覧にすすむ
ペンハリガン

【ペンハリガン】ポートレート コレクションの全て

ペンハリガン
©Penhaligon's
この記事は約4分で読めます。

ポートレート コレクション

Portraits Collection 1870年にウィリアム・ヘンリー・ペンハリガンが設立したイギリスのフレグランス・ハウス、ペンハリガンは、1975年にブランド存亡の危機に立たされていました。そんなペンハリガンを復興させたのは、イタリア人映画監督兼オペラ演出家であるフランコ・ゼフィレッリでした。

ペンハリガンとは、イギリスの伝統的なフレグランス・ブランドという一面とは別に、ヨーロッパの映画監督やオペラ演出家などの貴族の血統を引く芸術家たちを魅了してきたという一面も持ちます。そんな一面を突き詰めた「劇場型フレグランス」が2016年11月から発売されている「ポートレート」コレクションなのです。

当初、プーチ社はペンハリガンの年間収益の10%を占めてくれればいいと予想していたのですが、わずか1年で収益の20%を生み出し、コレクションが拡大していく流れになりました。

2023年8月現在、19作品が発売されています。

©Penhaligon’s

スポンサーリンク

ペンハリガンの最上級コレクション「ポートレート」

©Penhaligon’s

©Penhaligon’s

1870年にウィリアム・ヘンリー・ペンハリガンが設立した、イギリスのフレグランス・ハウス「ペンハリガン」のブランド力がすっかり存亡の危機に立たされていた1975年に、ブランドを復興させたのは『ロミオとジュリエット 』(1968)『エンドレス・ラブ』(1981)などで有名なイタリア人映画監督兼オペラ演出家であるフランコ・ゼフィレッリでした。

彼は、敬愛するルキノ・ヴィスコンティが愛用しているペンハリガンの「ハマンブーケ」の香りに魅了されていました。

ペンハリガンとは、イギリスの伝統的なフレグランス・ブランドという一面とは別に、ヨーロッパの映画監督やオペラ演出家などの貴族の血統を引く芸術家たちを魅了してきたという一面も持ちます。そんな一面を突き詰めた「劇場型フレグランス」が2016年11月に発表された「ポートレート」コレクションなのです。

それは19世紀の英国貴族社会と、ルキノ・ヴィスコンティの「ベニスに死す」や「地獄に堕ちた勇者ども」のようなデカダンな映画の世界観と、アガサ・クリスティの小説にインスピレーションを得た「架空の登場人物が生み出す愛と裏切りと官能の香り」なのです。

そのため、そのボトルデザインは極めて恣意的であり、ボトルキャップは、古代エジプトの神々のように、登場人物の属性が動物で表現された、ヴィクトリア調の彫刻が施されているのです。

まさに「ポートレート」コレクションとは、〝香りのダイナスティ〟であり、『華麗なる一族』の香りなのです。

スポンサーリンク

「劇場型フレグランス」ポートレート・コレクションとは

©Penhaligon’s

日本で発売されている登場人物だけの系図。©Penhaligon’s

全登場人物の系図。©Penhaligon’s

「ポートレート・コレクション」の物語の舞台は19世紀後半、イギリスの田園地帯に建つ大邸宅です。そこに住むジョージ卿とその一族の人々の秘密と、イギリスの上流階級の絡み合う人間模様を香りで表現していくという画期的なコレクションです。

一本4万円近くするその価格帯とその世界観(家系図)を伝える難しさ故に、(日本で取り扱っている)ブルーベル・ジャパンのラトリエ・デ・パルファムの販売員にとって、このフレグランスを売ることが出来てはじめて一人前だと言われる最上級のフレグランス・ラインです(そして、数店舗にしか置かれていない)。

この香りの魅力は、ひとつひとつの香りのストーリーに込められたメッセージを自分なりに解釈していく喜びと、調度品としても優れているボトルを所有する喜びにあります。

もし、あなた自身が「ポートレート」コレクションなら、あなたのボトルキャップはどの動物でしょうか?