エルメスのパンツルックで乗馬の練習をするオードリー
オードリー・ルック<1955年>11 乗馬ルック
- ブラックタートルネック
- ベージュのカシミア乗馬パンツ、エルメス、1954年にオードリーが購入
- ブラウンの乗馬ブーツ、エルメス
- ブラウンの細ベルト
『戦争と平和』の乗馬シーンのためにオードリーは、夫であり共演者のメル・ファーラーと共に乗馬トレーニングに励みました。
『戦争と平和』前夜。オードリー、スペイン上陸
オードリー・ルック<1955年>12 シャツドレス
- ジバンシィのシャツドレス、半袖
- 太いブラックレザーベルト
- 白にドット柄のスカーフ
- 白のショートグローブ
1955年6月に、7月4日からはじまる『戦争と平和』の撮影に向けて英気を養うためにスペインのマドリッドを訪れたオードリー・ヘプバーン&メル・ファーラー夫妻。
ユベール・ド・ジバンシィの登場
オードリー・ルック<1955年>13 イエローデイドレス
- 映画『戦争と平和』
- デザイナー・マリア・デ・マッテイス
- イエロー・ロングドレス、パフスリーブ、背中にたくさんのくるみボタン
- 金色のローヒールパンプス
- 黄色のリボンでポニーテールに
大きな口と、ほっそりとした剥き出しの腕と、黒い瞳を持つ生気に溢れた女性・・・肩は薄く、胸は目立たない・・・それが驚きと喜びと内気さをそなえたナターシャだった。
『戦争と平和』トルストイ
1955年7月4日『戦争と平和』の撮影がはじまりました。オードリー・ヘプバーンが、ファッション・アイコンとして、他の女優を寄せつけない圧倒的な存在感を誇るのは、彼女が、自分の衣裳に対して、絶対に妥協しないからでした。それは、彼女自身が、コンプレックスに感じている、四角い顔の輪郭、長い首、平らな胸、クビレのない腰を考慮したデザインかどうかということを確認する為だったのですが、その衣装に対する姿勢が、コンプレックスを個性として生かし輝かせるスタイルの創造へとオードリーを導いたのでした。
本作に関しても、自分自身で、19世紀初頭のファッションに関する書籍を買いそろえ、当時の衣装を研究した上で、親友のファッションデザイナーのユベール・ド・ジバンシィをパリからローマのチネチッタに招聘して、衣裳デザイナーのマリア・デ・マッテイスが用意した衣装を全て監修してもらったのでした。
そして、プリーツやペティコートを納得するまで手直ししたのでした。ある衣装の手直しのために、オードリーはジバンシィの前で3時間立ちっぱなしだったというほどの念の入れようでした。最終的に24着の衣装と10種類のヘアスタイルで撮影に臨むことになったオードリーに対して、当初は怒っていたマリアも、途中からは、そのプロ意識に感心し、オードリーの細かい要望にとことんまで付き合ったのでした。