ロエベ 001 ウーマン オードゥ トワレ
原名:Loewe 001 Woman Eau de Toilette
種類:オード・トワレ
ブランド:ロエベ
調香師:エミリオ・バレロス
発表年:2017年
対象性別:女性
価格:50ml/14,080円、100ml/19,140円
公式ホームページ:ロエベ
2016年に誕生した〝001ウーマン〟のEDT版
1846年にマドリードで創業したロエベは、1905年にはスペイン王室御用達にまでなり、1965年に初代デザイナーとしてカール・ラガーフェルドを迎え、ウィメンズのプレタポルテをスタートしました。そして、1996年以降はLVMHの傘下に入り、97年、ナルシソ・ロドリゲスがデザイナーに就任しました。
しかし、時が経ち、すっかり低迷期に入っていたロエベに彗星の如く現れたのが、2013年にクリエイティブ・ディレクターに就任した29歳の天才デザイナージョナサン・アンダーソン(1984-)でした。
彼が2015年春夏コレクションで発表した「パズル」や、2016年春夏コレクションで発表した「ハンモック」は、瞬く間に世界中の女性の憧れの的となり、ロエベ旋風が吹き荒れることになりました。
そして、別々だったファッションと香水部門を一本化し、2016年に満を持して新たなるロエベのシグネチャー・フレグランスを発表したのでした。
レモンとピオニーで表現する〝愛し合った後の香り〟
ジョナサン・アンダーソンと約25年間ロエベの専属調香師をつとめてきたエミリオ・バレロスが共同で、1年半の歳月をかけて誕生させたペア・フレグランス「ロエベ 001 ウーマン」と「ロエベ 001 マン」は、2016年8月に発売されました。そして、そのオード・トワレ版が、2017年に発売されました。
はじめて出会った男女が迎える〝モーニング・アフター〟の香りというテーマは同じでありながら、オリジナル版のような恋の複雑さは存在しません。この香りには、はじめて一緒に朝を迎えた男女の愛の絶頂と、二つがひとつになった後の温かな余韻を、レモンとピオニーとサンダルウッドで表現しています。つまりは〝愛し合った後の甘いひと時の香り〟=満ち足りた瞬間の香りです。
ベルガモットとタンジェリンを、フレッシュなピンクペッパーが刺激する、明るいシトラスの輝きからこの香りははじまります。EDT版の特色は、そこにシチリア産レモンが加えられ、よりフルーティーでフレッシュなストレートな爽快感を生み出しているところにあります。
すぐにEDP版には存在しなかったピオニーが現れ(最初から強く感じる時もあります)、インドールが抑えられたクリーンなエジプト産ジャスミンと交じり合い、シトラスとフローラルが生み出す甘い幸せの絶頂へと導いてくれます。
やがて、このままだと甘ったるくなる寸でのところで、絶妙なタイミングで、ピーチのようでココナッツのようなサンダルウッドのクリーミーさが加わります。このサンダルウッドにより、ピオニーの刺すような甘さは、フルーツのようにふんわりとした円やかな甘さとなり、夢のような浮遊感を与えられてゆきます。
このEDT版の方が、日本で愛されているのは、ピオニーの〝愛を表現しすぎる濃度の高さ〟を見事なまでに50%以下に制御しているところにあります。ピオニーは使い方によっては、ガツガツしている印象を与えてしまうのです。
ドライダウンにつれて、サンダルウッドの中から、リネンフラワーとムスクが突出し、得もいわれぬ柔らかなフルーティーな甘い余韻を肌に残してくれるのです。
このピオニーはまさ情熱的なスペインの精神そのものです。〝熱すぎる愛〟にサンダルウッドを溶け込ませ、見事なまでに〝爽やかな愛の香り〟を生み出したところに、新生ロエベの狡猾さを感じ取ることが出来ます。
香水データ
香水名:ロエベ 001 ウーマン オードゥ トワレ
原名:Loewe 001 Woman Eau de Toilette
種類:オード・トワレ
ブランド:ロエベ
調香師:エミリオ・バレロス
発表年:2017年
対象性別:女性
価格:50ml/13,530円、100ml/18,370円
公式ホームページ:ロエベ
トップノート:イタリアン・タンジェリン、ピンクペッパー、ベルガモット、シチリア産レモン
ミドルノート:エジプト産ジャスミン、リネン、ピンクピオニー、サンダルウッド
ラストノート:ムスク、トンカビーン、アンバー