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ペンハリガン

【ペンハリガン】クァーカス(クリスチャン・プロヴェンザーノ)

ペンハリガン
©Penhaligon's
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クァーカス

原名:Quercus
種類:オーデ・コロン
ブランド:ペンハリガン
調香師:クリスチャン・プロヴェンザーノ
発表年:1996年
対象性別:ユニセックス
価格:30ml/13,420円、100ml/25,960円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム

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樫の木ではなく、イングリッシュオーク=楢の木の香り

©Penhaligon’s

このフレグランスにはちょっとしたストーリーがあるのですが、あまり多くを語ることはできません。ただ言えることは、「クァーカス」は美しい新鮮なシトラスの輝きに、スズラン、ジャスミンの柔らかな花の香りと、ムスクの温かみが加わっているということです。

このフレグランスを約25年前に作った時は、ずっと人気がある香りになるとは思ってもいなかった。でも今、改めて香るとよく分かるんです。この香りには時代を超越した感覚が存在しています。それはジェンダーレスでクリーン、フレッシュでハッピーな感覚があり、何よりも香りの中に身を置くと笑顔になります。

クリスチャン・プロヴェンザーノ

20世紀の世紀末、ペンハリガンは低迷期に差し掛かっていました。そんな1996年に発売された「クァーカス」は、CPLのクリスチャン・プロヴェンザーノにより調香されました。現在まで人気のあるシプレコロンです。「ハルフェティ」をはじめとするペンハリガンの逸品をたくさん生み出すことになるプロヴェンザーノの最初のペンハリガンです。

〝クァーカス〟とは、ラテン語で落葉樹のイングリッシュオーク(English oak:秋にはドングリの実がなる楢の木)を意味します。そのナラの樹の幹や枝に着生するオークモスがこの香りの主役の一人なのです。ちなみに日本の公式サイトに書かれている樫の木は常緑樹であり、完全に誤訳です。

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「シーケーワン」に近いシプレコロン

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アマルフィ・レモンとベルガモットを中心に、マンダリンとライムがバジルのアクセントを付け加え、生き生きとしたシトラスシャワーを生み出してゆきます。

そして、オゾンノートとムスクが、冷たいカルダモンを加えながら、シトラスシャワーと甘やかなジャスミンとリリー、スズランを結び付け、香り全体に洗練されたドレスコードを与えてゆくのです。

どこかカルバン・クラインの「シーケーワン」(1994)を想わせるレモンティーに満たされてゆきます。やがて英国文化を想わせるドライなシダーウッド風サンダルウッドと苔むした渋いオークモスとガルバナムの爽やかな余韻が広がってゆくのです。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「気が滅入るほど、ぎこちなく角張ったシトラスフローラル。とりわけ安っぽい香り。」と2つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:クァーカス
原名:Quercus
種類:オーデ・コロン
ブランド:ペンハリガン
調香師:クリスチャン・プロヴェンザーノ
発表年:1996年
対象性別:ユニセックス
価格:30ml/13,420円、100ml/25,960円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム


トップノート:アマルフィ・レモン、ライム、マンダリン・オレンジ、ベルガモット、バジル
ミドルノート:ジャスミン、スズラン、カルダモン
ラストノート:オークモス、サンダルウッド、ガルバナム、ムスク、アンバー