ナイトクラビング
原名:Nightclubbing
種類:オード・パルファム
ブランド:セリーヌ
調香師:不明
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/39,600円、200ml/60,500円
公式ホームページ:セリーヌ
80年代前半のナイトクラブの香り
15歳から16歳にかけて毎晩遊んでいたこの時代にパリのナイトクラブでドレスメーカーという職業、ひいてはキャラクターの研究、ファッションの基本について学んだのでしょう。
エディ・スリマン
2019年11月15日に、セリーヌはエディ・スリマン体制に入り、はじめてのフレグランス・コレクション「セリーヌ オート パフューマリー コレクション」として、9種類の新作フレグランスを発表しました。
そのうちのひとつである「ナイトクラビング」は、ナイトバードのための香水です。1978年から1980年代にかけてパリのナイトライフのメッカだったナイトクラブ〝レ バン ドゥーシュ〟や〝ル パラス〟に、エディ・スリマンが15歳の頃から毎晩ナイトクラビングしていた想い出を香りにしています。
「ジャズクラブ」×初代「ディオールオム」=「ナイトクラビング」
「ナイトクラビング」という名のこの香りは、その名を象徴する二つの香りからはじまります。それはタバコとコニャックの上品な香りです。明らかにアッパークラスの人々が集まるナイトクラブだということを伝えてくれるはじまりです。
タバコの香りも、直接タバコのスモークを吹きかけられるような香りではなく、衣服についたニコチンの匂いのようです。つまり非喫煙者にとっても嫌悪感を抱かせないタバコの香りがそこにはあります。
それはほのかにニコチンのようなアクセントを持つスモーキーなガルバナムや、ビターグリーン/カカオのようなパチョリ、酔わせるようなムスクのブレンドによって生み出されているものです。
そんな上品なナイトクラブの深紅色をしたベルベットの椅子に座り、心地よく酔いはじめた頃、オリス・バター、ツリーモスが、パーフェクトにメイクをした女性ゲストのメイクが崩れ始め、スティレットヒールを脱ぎ、あなたの鼻先に突き立てた瞬間のように、香り全体を退廃的に、パウダリーかつクリーミーな=80年代のノスタルジーへと導いてくれるのです。
最後にそこに加わるバニラが、オリス・バターにきらめきと艶やかさを与え、この香りを現代的な官能性で包み込んでくれます。
そして、朝を迎え、クラブから吐き出されたエディ少年が友人たちとパリの通りをさすらうような儚くも寂しい余韻と共に香りは消えてゆくのです。
この香りについてチャンドラー・バールは、「午後4時にナイトクラブのドアがオープンし、ブースのシートのレザーとメタルの香りがほんのりと漂ってくるような」「LAの人気クラブSoundでの暑い夕暮れ向きの香りではない」と表現しています。
メゾン・マルジェラの「ジャズ クラブ」とよく比較される香りです。しかし、何よりも、かつてエディ・スリマンがプロデュースした初代「ディオール オム」(オリヴィエ・ポルジュ)を連想させる香りです。
香水データ
香水名:ナイトクラビング
原名:Nightclubbing
種類:オード・パルファム
ブランド:セリーヌ
調香師:不明
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/39,600円、200ml/60,500円
公式ホームページ:セリーヌ
シングルノート:ガルバナム、オリス・バター、パチョリ、スパニッシュ・モス、バニラ、ムスク