作品名:クレオパトラ Cleopatra (1963)
監督:ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ
衣装:アイリーン・シャラフ/レニー・コンリー/ヴィットリオ・ニーノ・ノヴァレーゼ
出演者:エリザベス・テイラー/リチャード・バートン/レックス・ハリソン/ロディ・マクドウォール/マーティン・ランドー
カットされたクレオパトラの衣装①
1961年1月に監督としてマンキーウィッツは雇われ、衣裳デザイナーのアイリーン・シャラフは、同年4月に雇われました。そして、同年8月にリズ・テイラーとの初めてのフィッティングを行いました(リズの初撮影は9月25日から)。脚本がまだ完成していなかったので、アイリーンは脚本なしで衣裳の製作に取り掛かりました。
そのため65着作られたクレオパトラの衣裳は、4時間ヴァージョンにおいては、36着のみの登場となりました。
このケープは、カットされたオープニングのイシス神殿のシーンで使用されました(シーザへの絨毯の贈り物のシーンより前のシーン)。両袖にアイ・モチーフが施された実に印象的なデザインです。
カットされたクレオパトラの衣装②
頭上をフェニックスが舞う黄金のヘッドドレスと、蝉モチーフのネックレスに、ワンショルダーの赤のシフォンドレス。本当に素晴らしい衣装が、見事にカットされています。
ちなみにヘッドドレスの多くは、『スター・トレック』シリーズなどの小道具で有名なハリウッドのプロダクト・デザイナーであるウォー・チャン(1917-2003)によってデザインされました。
カットされたクレオパトラの衣装③
シーザーとの間に息子が生まれたときに着ているドレスのシーンもカットされました。実に豪華な水色のスパンコールドレスです。
ちなみに、この作品の調度品の多くは、チネチッタ撮影所のスタッフによって盗まれました。その被害総額は、100万ドル以上と言われています。