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ホットウォーター|ダビドフの「冷たい水」ではなく「熱い水」の香り

その他のブランド
©Davidoff
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ホットウォーター

原名:Hot Water
種類:オード・トワレ
ブランド:ダビドフ
調香師:オリヴィエ・ポルジュ、ドミティーユ・ベルティエ
発表年:2009年
対象性別:男性
価格:日本未発売

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「冷たい水」ではなく「熱い水」の香り

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帝政ロシアのキーウ(キエフ)に1906年に生まれたジノ・ダビドフ(1906-1994)は、1911年、5歳の時、ポグロムにより、両親と共に、3か月以上の流浪の末、スイス・ジュネーブに移住しました。そして父は、かの地でタバコ店を開業しました。顧客にはロシア革命前夜のウラジーミル・レーニンもいました。

19歳の時、ジノは、アルゼンチン、ブラジル、キューバの農園を訪れ、タバコの栽培と貿易を学びました。

1930年にキューバ・ハバナからジュネーブに戻ったジノは、父のタバコ店を引き継ぎ、ヨーロッパで唯一のキューバ産葉巻の仕入れ業者となり大成功を収めました。さらに世界で初めてのデスクトップ型ヒュミドールも発売し好評を得ました。

1967年以降、キューバで自社生産を開始し、世界中に高品質なキューバ葉巻メーカーとしてのブランドの地位を確立してゆきます。1988年にキューバとの関係を断絶した後、1991年以降は、ドミニカ共和国のサント・ドミンゴに工場を移転し、最高級の葉巻を生産しています。

そんなキューバとの絶縁を決定した1988年に、コティ社の協力の下生み出されたのが「クールウォーター」でした。〝冷たい水〟と名付けられたこの香りは、爽やかさ、セクシーさ、パワーの究極のブレンドを果たすことを目的に、ピエール・ブルドンにより調香されました。

この香りにより、それまでのメンズ・フレグランスの常識が、洗い流され、フレッシュ・クリーンなアクアティックな香りが大流行することになりました。2020年代においても世界で8分に1本売れている香りです。

この「クールウォーター」の11年後にあたる2009年9月に発売されたのが「ホットウォーター」でした。その名の通り〝冷たい水〟の逆を行く〝熱い水〟は、オリヴィエ・ポルジュドミティーユ・ベルティエにより調香されました。

大ヒット作に続く、ブランドの顔となるオリエンタル・スパイシーの香りとしてかなり期待されていたのですが、まったく売れず大失敗作となってしまいました。

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忘れ去られたダビドフの〝二番目の水の香り〟

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「肉感:燃えるように熱く、潜む熱を感じろ。手を伸ばし、この肌を愛撫せよ。鼓動が高鳴り、一線を越える。強烈なセックスアピール」というダビドフの公式イメージを持つこの香りは、燃え上がるような情熱の赤いボトルに封印されています。

封印を解き、素肌に開放するとこの香りは、澱みのないフレッシュなアブサンの香りからはじまります。鮮やかなレッドバジルがアクセントとなっています。ほんのりと「クールウォーター」の遺伝子とも言えるアンブロキサンとジヒドロミルセノールのマリアージュ=マリンも感じられます。

すぐにアブサンの中から、甘やかなバニラのようなベンゾインとパチョリが立ち上ります。そして燃え上がるようにホットチリなピメントが爆発し、甘くもスパイシーなアブサンへと進化してゆきます。

やがてベンゾインとスティラックスのパウダリーなアンバーシャワーを浴びているような、甘く温かい余韻に包み込まれてゆきます。ピメントは強くなく、素肌を洗い、磨き上げるような滑らかさがあります。名前と香料から連想させる、素肌の上で赤い衝撃を与えるスパイス・ボムではありません。

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香水データ

香水名:ホットウォーター
原名:Hot Water
種類:オード・トワレ
ブランド:ダビドフ
調香師:オリヴィエ・ポルジュ、ドミティーユ・ベルティエ
発表年:2009年
対象性別:男性
価格:日本未発売


トップノート:アブサン、バジル
ミドルノート:パプリカ、パチョリ
ラストノート:ベンゾイン、スティラックス