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【ゲラン】サンタル ロワイヤル(2024)(ティエリー・ワッサー)

ゲラン
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サンタル ロワイヤル(2024)

原名:Santal Royal
種類:オード・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:ティエリー・ワッサー
発表年:2024年
対象性別:ユニセックス
価格:125ml/28,270円
公式ホームページ:ゲラン

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ミステリアスで魅惑的なサンダルウッド

©GUERLAIN

2024年10月に、ゲラン帝国より発売が開始された新しいコレクション『アプソリュ アレゴリア』は、通常のアクア・アレゴリアが描いてきた庭園の香りの究極形態としての〝花々の咲き誇る、贅を尽くした黄昏の夕闇に包まれた中東の楽園〟をテーマにした〈完全無欠のアレゴリア〉です。

6種の香りのうちの5種は、2014年から2020年の間に、当時ゲランのクリエイティヴ・ディレクターだったシルヴェーヌ・ ドゥラクルトにより生み出された、中東の市場向けに生み出された高級ライン『レ アブソリュ ドリエント(オリエントの決定版) 』が転生した香りです。

そのうちのひとつである「サンタル ロワイヤル」は、元々2014年に、ゲランの五代目調香師ティエリー・ワッサーにより調香された香りです。

〝ミステリアスで魅惑的なサンダルウッド〟はドバイで、ティエリーがある年配の紳士とした会話からはじまりました。「あなたは香水作りが分かっていない」と言われたことについて2時間ほど話し合いました。そして、パリに戻ったティエリーは、彼の言葉を思い出し、「よし、君が間違っていることを証明しよう」と生み出したのがこの香りなのでした。

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ローズとサンダルウッドの愛で闇を燃やしていく秘蜜のかおり。

©GUERLAIN

©GUERLAIN

サンダルウッドには、エレガントなウッディさと軽やかな側面に加え、ある種のフレッシュさがあり、同時にクリーミーで豊かな深みがあります。その本質的なしなやかさは、ある種のスパイシーな香りやフローラルな香りと思いのままに溶け合い、身体と魂に潤いを与えます。

ティエリー・ワッサー

月夜の薄明りの中、中東の大邸宅の中庭に据え付けられた釜の中で、暗闇の中でとぐろを巻くようにウードとレザーが煮立ち、妖気を放っています。すぐに、その中に、シナモン、ピーチ(アルデハイドC14)、ローズ、ジャスミンが加えられることにより、息をのむほど荘厳たる濃厚なフルーティーな蜜の香りが姿を現してゆきます。

まるでレザーのスパイシーさに独特な甘さを加えるように、さらにアンバーがこの釜に投入されます。

(石油のような)化学物質が燃えているような独特な香りを発する中、ジャミーなローズと輝くジャスミンの香りの中から、艶やかなムスクの風に乗ってほんのりとクリーミーなサンダルウッド(ティエリーは、この香りにおいて、サンダルウッドの神聖な側面ではなく、より官能的な側面を強調したいと考えました)が、この上なくプレシャスに香りを広がらせてゆきます。

酔わせるワインのようなスモーキーローズなドライダウンの中で、ゲルリナーデが織り成す黒魔術のようなリッチなダークネスなムードを感じ取ることができます。素肌の上に花の蜜を滴らせながら、ローズとサンダルウッドの愛で闇を燃やしていくような余韻に満たされていくようです。

ゲランのサンダルウッドは、2015年以降は、一般的にオーストラリアン・サンダルウッドと呼ばれるサンタラム・スピカタムではなく、よりウッディでクリーミーな豊潤さが魅力であるインド・マイソール原産のサンタラム・アルバムがオーストラリアでプランテーション栽培されているものが使用されています。

ルカ・トゥリンが、1つ星(5段階評価)をつけ「ダビドフの「クールウォーター」にウードを混入した、カビの生えたアプフェルシュトゥルーデル(リンゴのお菓子)のような香り。ここまで忘れ難い香りはそうない」と酷評しています。

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香水データ

香水名:サンタル ロワイヤル(2024)
原名:Santal Royal
種類:オード・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:ティエリー・ワッサー
発表年:2024年
対象性別:ユニセックス
価格:125ml/28,270円
公式ホームページ:ゲラン


シングルノート:ローズ、サンダルウッド、ウード、レザー、ジャスミン