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ジョー・マローン・ロンドン

【ジョー マローン】ポメグラネート ノアール コロン(ビバリー・ベイン)

ジョー・マローン・ロンドン
©Jo Malone London
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ポメグラネート ノアール コロン

原名:Pomegranate Noir Cologne
種類:オーデ・コロン
ブランド:ジョー・マローン・ロンドン
調香師:ビバリー・ベイン
発表年:2005年
対象性別:ユニセックス
価格:30ml/11,880円、100ml/23,650円
公式ホームページ:ジョー・マローン・ロンドン

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フルーツから生まれる官能

©Jo Malone London

ジョー・マローンのボトルに入っていなければ、絶対にジョー・マローンのフレグランスだとは思わない〝フルーツから官能を生み出そうとした〟意欲的な香り。

ジョー・マローンが、官能的な赤いシルクのイブニングドレスから着想を得たというこの香りは、彼女の「フルーツフルーツ」した香りにはしないでという要求に応えるために2年もの月日をかけて、ビバリー・ベインにより調香されました。

「ポメグラネート」とは「ザクロ」の意味です。ザクロの実とは、エジプト神話において、太陽神ラーが、ライオンの頭を持つ女神セクメトの殺戮心を抑え込んだ果実であり、ローマ神話においては、復活を象徴する果実です。

我を讃えよ!さもなくば、死を!」。森の中の野生のザクロ、その果実を手に取るためには、果実の下でとぐろを巻く蛇をかわさねばなるまい・・・少女の頃の冒険心と危険に対する欲求を掻き立てる香りです。

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赤と黒のセンセーション

©Jo Malone London

爽やかさとは無縁な「ノワール(=黒)」という名のこの香りの話をはじめましょう。まずは最初に、赤く煮え立つ釜の中にザクロ、ラズベリー、プラム、ルバーブといった果実が放り込まれます。煮込んでいる燃料は、火ではなく、シダー、パチョリ、ムスク、アンバーです。どうやらこの香りは「黒魔術」という裏テーマが存在するのかもしれません。

そして、魔法使いが魔法をかけるようにピンクペッパーとクローブがサクっと振りかけられるのです。その瞬間、熟した果実は、新鮮さを取り戻し、みずみずしく香り立つのです。

そして、そこに、カサブランカ、ジャスミン、ローズといったフローラルが華やかさを加えていき、フランキンセンス、オポポナックス、ガイアックウッドが夜の官能で包み込んでいきます。

ちなみにカサブランカとは、オランダで品種改良されたハイブリッドな百合です。純白の大輪の花が特徴的であり、「ユリの女王」と呼ばれます。

フルーティーでリッチなザクロと、ガイアックウッドとパチョリのウッディな組み合わせが、ヴィクトリア朝時代を完璧に体現していると感じました。この香りは、ヴィクトリア朝時代の木製の羽目板を連想させます。

クリスティーヌ・ナジェル

ちなみにこの香りは、2015年に大英帝国の輝かしい歴史と特徴的な時代を香りで讃える限定コレクション「ロック ザ エイジ」のひとつとしても再販され、黄金時代のヴィクトリア朝を表した情熱的な香りのイメージが振り分けられました。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「ポメグラネート ノアール コロン」を「ウッディ・フルーツ」と呼び、「ちかごろ「Noir」(黒)という言葉は、気前がいいといいたくなるほどよくラペルに採用されている。」

「トップノートは、ザクロの性質がまったく欠け、水っぽいフルーツジャムと、かんな屑のアコードである。悪くはないが、骨に触れているような感じである。」「5分たてば香気も尽きたと感じ、飲み残しのフェルネット・ブランカ(イタリアの食後酒)をグラスに入れたまま一晩置いたように、気が抜けている。」と2つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:ポメグラネート ノアール コロン
原名:Pomegranate Noir Cologne
種類:オーデ・コロン
ブランド:ジョー・マローン・ロンドン
調香師:ビバリー・ベイン
発表年:2005年
対象性別:ユニセックス
価格:30ml/11,880円、100ml/23,650円
公式ホームページ:ジョー・マローン・ロンドン


トップノート:ラズベリー、ザクロ、プラム、ルバーブ、ウォーターメロン
ミドルノート:カサブランカ、ジャスミン、ローズ、ピンク・ペッパー、クローブ、フランキンセンス、オポポナックス、ガイアックウッド
ラストノート:ヴァージニア・シダー、パチョリ、ムスク、アンバー