風光明媚なリゾート地で、美女と危機一髪こそ男のロマン!
ジェームズ・ボンド・スタイル11 カジュアル・ルック
- VネックのTシャツ
- ストーンカラーのトラウザー
- ネイビー色のエスパドリーユ
SF路線からリアル路線に転換したボンド・ムービーは、リアルゆえに地味に見えてしまう要素に対する配慮として、ゴージャスなリゾート地や、こんな場所でこんなことをしてしまうの!感たっぷりなスーパーアクションをつるべ打ちしていきます。そして、この作品こそが、ジャッキー・チェンに功夫服を脱がせ、スーパーアクション路線へと進ませるきっかけになったのでした。
1980年代のスーパーアクション時代の到来は、ロジャー・ムーアというアクション・シーンを演じることの出来ない俳優によって、その幕は切って下ろされたのでした。
素晴らしいスーツのアンサンブル。
ジェームズ・ボンド・スタイル12 アースカラー・スーツ
- テーラー:ダグラス・ヘイワード
- ライトブラウン・ウールギャバジンスーツ、ノッチラペル、2つボタン、シングル、ダブルベンツ
- フランク・フォスターの水色シャツ
- ブルータイ
- ブラウンのレザーローファー
私たちは、ラグジュアリー・ストリートに目を取られすぎて、メンズ・クラシック・スタイルの新しい流れが進行していることを全く知らない。
今、世界中で、最もオシャレな男たちは、伝統的なカラー・バランスを上品に崩していくリゾート・クラシック・スタイルを日常の中で、見事に取り入れています(あのギラついたメンズ雑誌に載っているような下品な感じではなく)。それは、明るめのアースカラースーツに、ペールカラーシャツを組み合わせたものです。そこにネクタイは必ずマストな美学です。
ノータイでスーツを着るということは、実際のところ、小慣れた感じよりも野暮ったさを演出してしまいます。80年代的な明るすぎない明るさを身に纏うことにより、男は静かなる優雅さを相手に感じさせることが出来るのです。
インスタ等のSNSによって生み出されている「美化した自分」に傾倒する文化が生み出すものは、どこまでもチープカラフルな世界観であり、結局はエロスの要素を引っ張り出すしかない陳腐さに支配されていきます。そういった「自己愛に憑かれたインスタント」達とは対極の世界に生きるのが、「静かなる優雅さに満ちたエレガント」達なのです。
このボンドのスタイリングは、そういった観点から見ると実に興味深いスタイリングと言えます。