フィロシコス オードパルファン
原名:Philosykos Eau de Parfum
種類:オード・パルファム
ブランド:ディプティック
調香師:オリヴィア・ジャコベッティ
発表年:2012年
対象性別:ユニセックス
価格:75ml/28,270円
公式ホームページ:ディプティック
本物以上にあざやかで美しいイチジク
ディプティックから、1996年に発売された「フィロシコス」(オード・トワレ EDT)は、真夏のギリシャに生えるイチジクの実と葉と木のすべてをそのまま表現したウッディ・アロマティックの香りです。オリヴィア・ジャコベッティにより調香されました。
フィロシコスとは、ギリシャ語で「イチジクの友」を意味します。発売と同時に、この香りは、イチジク・ブームを生み出すほどの人気となり、フランス人の心を直ちに鷲づかみにしました。そして、ディプティックを代表する香りのひとつとなりました。
日本にブランド上陸後も、ディプティックのアンバサダーとして断トツの人気を誇っていました。そんな「フィロシコス」のオード・パルファム・ヴァージョン(EDP)が2012年に誕生したのでした。
EDP版について、一言で形容すると〝本物以上にあざやかで美しいイチジク〟の香りという言葉がもっとも相応しいでしょう。美しくもメランコリーなエーゲの風に乗って、生温かいイチジクの甘くて青い香りが漂うのです。
それはこの香りのテーマである、ギリシャのペリオン山(ケンタウロスの故郷とも言われる)の麓にある、天然のイチジクの果樹園を横切る至福のひと時を体現しています。
ちなみに、ミルキー(クリーミー)さにおいてはEDT版の方が優れています。つまり両方とも甲乙つけがたいイチジクの香りです。
天然香料神話を徹底的に否定した香り
イチジクが、周囲を泳ぐように香るのが、オード・パルファム版の特徴です。煌めきさえも感じさせるグリーンノートは、EDT版よりも強く、ココナッツノートはよりまろやかです。それはまさに熟する寸前のイチジクのようです。
グリーンフルーティーな香りの中、ホワイトシダーは劇的に脇役に徹し、ブラックペッパーと共に、日差しのよいのどかな緑の世界に、小川のせせらぎと、小鳥の囀りを生み出しています。
眠りを誘うというよりも、目覚めのコップ一杯の水のような香りです。
イチジクの香りを作るために、ジャコベッティは四つの合成香料を主に使用しています。ミントのような新緑を生むステモン(ジボダン)と、ココナッツのようなγ-オクタノラクト、ヘディオン(フィルメニッヒ)、そして、イソEスーパー(IFF)です。ちなみにこの香りには、30%以上の濃度のイソEスーパーが使用されています。
この香りのグリーンノートは、青葉アルコールのシス-3-ヘキセノールと、リナロールにより生み出されています。
つまり、この香りの巣晴らしは、膨大な合成香料により〝本物以上にあざやかで美しいイチジク〟の香りを生み出したということと、天然香料神話を徹底的に否定した所にあるのです。
香水データ
香水名:フィロシコス オードパルファン
原名:Philosykos Eau de Parfum
種類:オード・パルファム
ブランド:ディプティック
調香師:オリヴィア・ジャコベッティ
発表年:2012年
対象性別:ユニセックス
価格:75ml/28,270円
公式ホームページ:ディプティック
トップノート:イチジクの葉、イチジク
ミドルノート:イチジクの木
ラストノート:ホワイトシダー、ブラックペッパー