パリ パリ
原名:Paris – Paris
種類:オード・トワレ
ブランド:シャネル
調香師:オリヴィエ・ポルジュ
発表年:2022年
対象性別:女性
価格:50ml/16,280円、125ml/ 23,320円
公式ホームページ:シャネル

シャネルの〝ラ・ヴィ・アン・ローズ〟

©CHANEL

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友人がパリを訪れると、そのスタイルには独特な何か、つまり〝気取らないエレガンス〟があると私に話してくれますが、私もその通りだと思います。そこで、パリの香りには、ダマスクローズ(非常に複雑な香りを放つ特別な品種のローズ)を使用し、この街の特徴と、その唯一無二の花の特性を融合させようと試みました。
「レ ゾー ドゥ シャネル」の香りは、通常のシャネルの濃厚なフレグランスよりもずっと軽やかなため、常にパステルカラーを採用しています。この淡いピンク色は、ダマスクローズを反映しているだけでなく、この街が持つ女性的な魅力をも表現しているのです。
ところでこの香りのために、シャネルがグラースに所有するセンティフォリア・ローズを使用しなかった理由は、官能性を表現する必要がなかったからです。
ダマスクローズの方が、より軽やかでフレッシュ、そして少し柑橘系の香りがします。さらに、よりフルーティーで、よりスパークリングなのです。
オリヴィエ・ポルジュ(以下、すべての引用は彼のもの)
2018年6月1日に三作品同時に発売されたシャネル史上初のオーデコロン・コレクションの名を「レ ゾー ドゥ シャネル」と申します。「Les Eaux De Chanel」とは、フランス語で〝シャネルの水〟を意味します。
2019年6月1日には、数量限定で第四弾「パリ リヴィエラ」が発売され(現在はレギュラー販売されている)、2021年6月には第五弾「パリ エディンバラ」が発売されました。
そして2022年7月1日に発売された第六弾が「パリ パリ」です。そう!パリと言えば、〝La Vie en rose(ラ・ヴィ・アン・ローズ)〟です。ローズが主役の〝愛を生む〟シプレ・フローラルの香りは、シャネルの四代目専属調香師オリヴィエ・ポルジュにより調香されました。
「シャネルの創始者」であるガブリエル・シャネル(1883-1971)が、シャネル帝国を築いていくきっかけとなった、癒しの水に包まれた5つの街を経て、ついにパリに戻ってきた『花の都パリに凱旋する香り』です。
ちなみにシャネルは、1910年にカンボン通りに最初の店を開き、途中でスイス亡命(1945年~1954年)の10年間を除き、1971年にリッツで最後の日を迎えるまでパリを本拠地として活動しました。
どんなときでもパリは愛を忘れません。

1960年のマドモアゼル・シャネル。パリのチュイルリー公園にて ©Willy Rizzo for Marie Claire magazine
最も表現しにくい街でした。そこに住んでいると、いつも少し視野が欠けてしまうものです。私は常に、パリジェンヌとその生まれながらのシックでエレガントなスタイルには、時代を超えた何かがあると考えていました。そしてそれを「パリ パリ」で表現しようと思いました。
この香りには、男性のワードローブからインスピレーションを得て、シンプルでエレガントな女性のシルエットを創り出すという、ガブリエル・シャネルの非常に現代的なアイデアも込められています。
そこで、非常に洗練された原料、今回は複雑な花であるダマスクローズを、ドライでスパイシーなパチョリやピンクペッパーと組み合わせました。こうすることで、エレガントなパリジェンヌのフェミニンな側面と、もう一つのアンドロジナスな、ほとんど男性的な側面が両立するように香り立ちます。
春のパリ。朝のカフェテラスで過ごすひと時でさえも、パリは愛を忘れません。甘やかにアーシィーなパチョリが、素敵な出会いに、思わず目を伏せてしまう瞳のように心を揺り動かすのです。さあ、カフェテラスの奥から〝ラ・ヴィ・アン・ローズ〟が流れてきました。
最初から最後までパチョリは重たくなく〝軽やかに愛を歌う〟ようです。パチョリはそれぞれの香料にそっと愛を囁くのです。そしてすべてにパリのエレガンスと憂鬱を与えてくれるのです。
すぐに現れるピンクペッパーにより、弾け出すレモンとマンダリンのフレッシュな風に乗って、ダマスクローズがいよいよ到来します。揺れるシトラスは落ち着きを取り戻し、ピリッとしたピンクペッパーと苦味のあるパチョリが、ダマスクローズに眠る情熱を、そう!心が躍るような愛する心を蘇らせてくれるのです。
〝花の都パリ〟から〝愛の都パリ〟へと変化してゆく、愛する男性の腕の中で〝ラ・ヴィ・アン・ローズ〟を口ずさみたくなる瞬間をボトルに閉じ込めたような香りです。
オリヴィエ・ポルジュのおすすめのレストランなど。

ブイヨン・ピガール(Bouillon Pigalle)

ル・ヴォルテール(Le Voltaire)

私は南フランスで生まれましたが、パリで育ち、今もパリに住んでいます。私の幼い頃の記憶の多くは、雨上がりの濡れた石の匂いと結びついています。子供の頃、両親は週末になると、ブローニュの森の中心にあるバガテル公園(1775年に創設されたパリの4つの植物園の一つ)や、リュクサンブール公園に連れて行ってくれました。リュクサンブール公園は、おもちゃのボートを浮かべることができる湖があるので、子供たちには特に素晴らしい場所です。
私はオスマン様式の建築物や古き良き時代の並木道が残る9区に住んでいるので、当然ながらそこが私のお気に入りなのですが、隣接する2区も好きです。パリで最も小さなこの個性豊かな小さな区には、パサージュ・デュ・ケールや優雅なギャルリ・ヴィヴィエンヌといった18世紀から19世紀にかけてのガラス張りのアーケードに加え、ヴィクトワール広場の古い石造りの建物などがあります。
私にはお気に入りのレストランがたくさんあります。ブイヨン・ピガール(Bouillon Pigalle)は予約を受け付けていませんが、オニオンスープ、ブフ・ブルギニョン、そして茹でたジャガイモと丸ごとのニンニクを添えた濃厚なテット・ド・ヴォーなど、典型的で素朴なフランス料理を提供しています。それから、サン・ジェルマン大通り近くのセーヌ川を見下ろす、同名の埠頭にあるエレガントなレストラン、ル・ヴォルテール(Le Voltaire)もあります。ここは、フィレ・ド・ブフ(3種類の調理法で提供)やソール・ムニエールといった料理が味わえ、洗練された料理の腕前では右に出るものはいません。
夜には、リッツホテルのバー・ヘミングウェイがお気に入りです。旅行者、そして生粋のパリジャンが入り混じった雰囲気が魅力です。パリは他の都市に比べて時間帯の区切りがずっと緩やかで、昼と夜が一体化しているので、モンパルナスの賑やかなラ・ロトンドや左岸のレ・ドゥ・マゴなど、本来なら昼間しか開いていないようなカフェも、夜になると活気を帯びるのも好きなんです。
オテル・リッツ・パリのヴァンドーム広場を見下ろす部屋がパリのホテルで一番好きです。ここは本当に特別な場所です。特にガブリエル・シャネルの写真でよく見かけるものが、ここで撮影されていたので。
サンジェルマン通りには素敵な食品のブティックがたくさんありますが、私はパリの青果市場に行くのが大好きです。曜日によっては、農家の人たちが収穫物を街に運び込み、通りは活気に満ち溢れます。特に気に入っているのは、9区のトルデーヌ通りにある市場と、ボン・マルシェ近くのラスパイユ大通りにある市場です。こちらは、日曜日にはオーガニックマーケットになります。
カフェ・ド・フロールはサン・ジェルマン大通りにある非常に有名な店ですが、2階に行くことを知っているのはパリジャンだけでしょう。シックなブース席と静かな雰囲気で、ミーティングなど静かな場所が必要な時には最適です。
「ガブリエルは、白い花と石の香りを愛しました」

シャネル2015年AW ©CHANEL

©CHANEL
私が「パリ パリ」の主役にダマスクローズを選んだのは、このオーデコロン・コレクションの中でもっともフローラルだと考えられる香りをパリと定義づけたかったからです。
さらに、コレクションを通してすべての香りに共通しているフレッシュ感も水蒸気蒸留法で抽出したこのローズから香り、レモンやスパイスによりとても生き生きとしています。複雑でありながら儚げなローズは、都会的な洗練を感じさせます。
パチョリとの組み合わせは、エレガントさとカジュアルさを兼ね備えた、男性的で女性的な側面をより強調します。この香りはシンプルで軽く見えるかもしれませんが、実は複雑な香りなのです。
ちなみにこの香りのローズのイメージは、早朝の陽光に照らされ煌く〝オスマンのパリ〟建造物とのことです。オスマンとは、ジョルジュ=ウジェーヌ・オスマンのことであり、19世紀に現在のパリの街並み(シャルル・ド・ゴール広場やオペラ座)を作り上げた人です。
ガブリエルのことを考えるとき、私は彼女がNo.5の香りをまとっているのを想像します。彼女が好きだったというフレグランスを深く掘り下げていくと、どれも白い花と石の香りで構成されていて、彼女のパーソナリティにとてもよく合っているんです。
香水データ
香水名:パリパリ
原名:Paris – Paris
種類:オード・トワレ
ブランド:シャネル
調香師:オリヴィエ・ポルジュ
発表年:2022年
対象性別:女性
価格:50ml/16,280円、125ml/ 23,320円
公式ホームページ:シャネル

トップノート:シトラス、ピンクペッパー、レモン
ミドルノート:ダマスクローズ
ラストノート:パチョリ

