ミア・ファローとフローラル・プリント
ローズマリー・ルック3 フローラル・スウィングドレス
- コクーンシルエットのイエロー・スウィングドレス。フローラル・プリント、ノースリーブ
- クリーム色のフラットサンダル、アンクルストラップ付き
- ブラウン・スエードのショルダーバッグ
- パールのピアス
主役のローズマリーに、ロマンはチューズデイ・ウェルドを望んだ。わたしはミア・ファローを望んだ。チューズデイの方が映画経験が豊かで演技も優れている。彼女ならこの役が要求していると思われるもの ― アメリカを代表するような健康さ ― を表現できただろう。ミアの方がより複雑だった。彼女を表面的に見ればずばりフラワーチャイルド。フランク・シナトラと結婚したばかりの、テレビシリーズ『ペイトン・プレース物語』の娘役女優だった。
ロマンは、ミアの現実離れした資質が映画に出てしまうのではないかと懸念していた。わたしは、それこそ映画に予期しない何か ― 本物の魔法 ― をもたらすものだと反論した。そして、ロマンは折れた。
『くたばれ!ハリウッド』 ロバート・エヴァンス
結果的には、ミア・ファローが主役だったからこそ、この作品はただのホラー映画、スリラー映画の領域を飛び越えたタイムレスな作品になったと思われます。この作品以降、ドラキュラや幽霊が出るものがホラー映画だった時代は終わりを告げ、一人の人間の精神の崩壊の過程を描いたものがホラー映画の主題となっていったのです。
そして、得も知れぬ不安の中で理性崩壊していくローズマリーの姿は、そのまま60年代のダークかつカラフルな時代の空気にぴったりとフィットし、一躍ミア・ファローは、女性たちのファッション・リーダーとしてアイコニックな存在となり、フラワー・チャイルドからシックスティーズ・チャイルドになったのでした。そして、それはスウィンギング・ロンドンの空気さえも体現した存在へと昇華していったのでした。未だに一つのホラー作品において、これほどのファッション・ムービーが誕生した例はありません。
僅か数秒しか登場しないが、印象深いファッションの数々
ローズマリー・ルック4 ボーダーシャツ
- ペールイエローのボーダーシャツ
- ベージュのパンツ
- クリーム色のフラットサンダル、アンクルストラップ付き
ローズマリー・ルック5 ボーイフレンド・ボーダーシャツ
- メンズライクなオーバーサイズのブルーボーダーシャツ
- ベージュのパンツ
- 頭にダークネイビーのスカーフ
ローズマリー・ルック6 ボーイフレンドシャツ
- バターイエローのボーイフレンドシャツ
- ブラウンのパンツ
- 黒のサンダル