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マドンナ伝説8(4ページ)

マドンナ
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デヴィッド・フィンチャー×マドンナ

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「エクスプレス・ユアセルフ」 1989年5月リリース。全米2位、全英5位

このヴィデオには今までにないくらい口を出したわね。自分で仕切ったのよ。セットの建物、全員の衣装、メーキャップ係や衣装係、撮影カメラマン・・・とにかくみんなと何度も話し合ったわ。キャスティングも、イメージにぴったりのネコを見つけるのも、すべての面を仕切ったのよ。ちょっとした映画を作る気分だった。基本的には腰を落ち着けて、いいと思うアイデアややりたいと思うことをすべて出し合ったの。あたしたちが求めてるイメージをすべてね・・・それからいくつかアイデアが固まって、例えばネコとか『メトロポリス』とか。絶対にあの映画に似た雰囲気を出したかったの、あの男達―労働者がまじめに、整然と、一心不乱に働いてる様子をね。

ネコがミルクをなめて、それから床にこぼしちゃうのはデヴィッドのアイデアよ・・・ステキなシーンだけど、実はあたし反対したの。気が進まなかったのよ。ちょっとやりすぎだって思ったし、バカげてて陳腐な感じがしたから。映画学校で学んでる学生がやりそうなことだと思って。でも妥協してよかったと思ってるわ。

マドンナ

そして、天才デヴィッド・フィンチャー(1962-)の登場と相成ります。マドンナの歴代PV史上最高の予算である500万ドル(2016年現在の貨幣価値で1000万ドル)をかけて作られたこの作品により、マドンナは、1990年代のガールパワーの象徴として、後に現れるスーパースター達に影響を与えることになったのでした(ちなみに第1位は、マイケル&ジャネット・ジャクソンの「スクリーム」(1995)、2位が本作。3位はマドンナの「ダイ・アナザー・デイ」(2002)、4位がマドンナの「ベッドタイム・ストーリー」(1995)、5位がマイケル・ジャクソンの「ブラック・オア・ホワイト」(1991)と、マドンナとマイケルがいかにMTVの寵児であったかということが分かります)。

フリッツ・ラング監督の映画『メトロポリス』(1927年)にインスパイアされた作品であり、四変化するマドンナの姿が見れます(アニタ・ベルバーを髣髴とさせる片眼鏡の女)。そして、映像の最後に映し出されたメッセージは『メトロポリス』と同じく<脳と手の媒介者は、心でなくてはならない>でした。

女性の力を発揮して!さぁ、NO.1を目指して!でも心を失っちゃダメよ!というフレーズと共に、マドンナがメンズファッションに身を包み、1920年代のアニタ・ベルバーのように踊るのです。それはスパイス・ガールズやクリスティーナ・アギレラ、そして、レディー・ガガ(2011年に発表された「ボーン・ディス・ウェイ」において、本作の盗作疑惑が持ち上がるほど)に強烈な印象を残したのでした。メラニーC(スパイス・ガールズ)は、「彼女がブラを見せ、股間を掴んだあの時、マドンナはガールパワーのシンボルになったのです!」というコメントまで残しています。

ショートボブにメンズライクなスーツスタイル。

1920年代風に、眉毛は細く整えられています。

1920年代のヌードダンサー・アニタ・ベルバーがモチーフ。

スーツからブラを見せ、股間を握る瞬間、マドンナはガールパワーのシンボルになった!

コンサートにおけるガールパワー・スーツです。

ガーターストラップが垂れていて、ジャケットをはだけるとジャン=ポール・ゴルチエのデザインによるコーンブラ・ビスチェが現れるのです。

マドンナ・スタイル16 ガールパワースーツ・スタイル
  • ダブルのピンストライプスーツ。ストロングショルダー。パンツはルーズシルエット
  • ジャン=ポール・ゴルチエによるコーンブラビスチェ