最終日、メゾン ルイ ヴィトン ヴァンドームへ。

「メゾン ルイ ヴィトン ヴァンドーム」の三階のVIPルーム「アパルトマン」からヴァンドーム広場が見下ろせます。

ナポレオンが佇むアウステルリッツの記念柱を中心に八角形のヴァンドーム広場が、眼下に広がります。

この記念柱に上り、かつて『昼下りの情事』でオードリー・ヘプバーンの父は、オテル・リッツの浮気調査に励んでいました。

ヴァンドーム広場沿いに、ショーメが見えます。

ヴァン・クリーフ&アーペルも見えます。

オテル・リッツの隣にある「Dubail Paris」はラグジュアリーウォッチ&ジュエリーが集まるブティックです。

グラフ、ダミアーニも見えます。
1702年にルイ14世の栄光を称えるためにヴァンドーム広場は敷設されました。当時、八角形の広場の中央にルイ14世の騎馬像がありました。
しかしフランス革命時に取り壊され、その後、ナポレオン1世が、1805年のアウステルリッツの戦勝を祝賀して、1810年にカエサル・シーザーの姿の自らの像を建てました。現在存在する像は、その像です。
四日目の午前11時30分にルイ・ヴィトンが手配したバンに乗り、この不滅のナポレオン像が見守る、2017年10月にオープンしたばかりの「メゾン ルイ ヴィトン ヴァンドーム」に、12時に到着しました。
フランスに13年いるという日本人の男性スタッフの方が丁寧に案内して下さりました。若い頃の竹之内豊さんのような雰囲気でありながら、とても気さくな方でした。

三階にあるトラベル&ホーム コレクション「オブジェ・ノマド」コーナー
メゾン ルイ ヴィトン ヴァンドームの超VIPルーム「アパルトマン」

三階に、メディアでもなかなかその全貌を取り上げることがない「アパルトマン」というVIPルームがあります。

ルイ・ヴィトンのピンクドレスが展示されています。

アナ・デ・アルマス
VIPルームである「アパルトマン」に通して頂きました。このプライベートサロンには、カンヌ映画祭やヴェネツィア国際映画祭で女優さんに提供されたドレスが三点飾られていました。
特に私が気になったのは2022年のヴェネツィア国際映画祭でアナ・デ・アルマスさんが着ていたピンクドレスでした。現在『バレリーナ』(2025)で大ブレイクしている女優さんで『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のボンドガールでした。

2023年のカンヌ映画祭でザンドラ・ヒュラーが着用したドレスも飾られています。

プライベートサロン「アパルトマン」は、特別な顧客様だけが入ることが出来ます。

ルイ・ヴィトンとヴァンドームが融合したエレガントな空間です。
そして、アニエールのヴィトン一族のリビングルームに。

トランク製造アトリエに隣接する住居でヴィトン一族は長年暮らしました。

アール・ヌーヴォー様式の空間に圧倒されました。

一年に数日間しか一般公開されないアニエールのリビングルームに感動しました。

リビングルームで出して下さったクッキーが絶品でした。

リビングテーブルは、アンティークのトランクです。

100万円以上で実際に販売されている「マル・フルール」がテーブルの上に置かれていました。

手前に、実際にヴィトン一族がプレイを楽しんでいたビリヤード台が置かれています。

窓ガラスにとてもうつくしい装飾が施されています。

一族の写真が額縁に飾られています。
午後15時にアニエールに到着しました。ここがルイ・ヴィトンのツアーの終着駅となります。オーダー香水は、実はフレグランスをオーダーするだけでなく、フレグランス・トランクもオーダーすることです。
そしてルイ・ヴィトンは、トランクからはじまったブランドです。だからこそ最後の目的地は、ルイ・ヴィトンに最もゆかりのある聖地・アニエールなのです。まずはかの地にあるヴィトン一族のファミリーハウスで、ルイ・ヴィトンの生き字引と言われている女性アンバサダーの方から、ルイ・ヴィトンの歴史をじっくりと聞かせて頂きました。
ちなみにこのファミリーハウスにヴィトン一族が住むようになったのは二代目からで、1900年代に入ってからの事でした。アールヌーボー・スタイルで統一された室内インテリアの所々から、日本から影響を受けたデザインを感じました。
そしていよいよ最後に、アニエールのトランク展示場に行くことになりました。
オーダー香水の真髄は、フレグランス・トランクにあります。

1887年に作られたルイ・ヴィトンの帽子箱

2024年のファレル・ウィリアムスのファースト・メンズ・コレクションで発表された銅製トランク。

黄色のトランクはシュプリーム×キム・ジョーンズのコラボです。

こちらはフランスの名優ジャン・ギャバンがオーダーしたトランクを買い戻したものです。

展示されている幻のルイ・ヴィトンの香水。「Je, Tu, Il(ジュ・チュ・イル)」1928年。

「Heures d’Absence (ウール・ダブソンス)」1927年。

最後に頂いたトランクと全く同じ工程で作られたトランク小物入れ。
まず最初に、200種類以上ものルイ・ヴィトンの希少価値の高い関連アイテムが展示されたスペースを見学しました。ここにルイ・ヴィトンの一番最初のトランクなどが陳列されていたのですが、特に、私の心が奪われたのは、100年近く前に作られたヴィトンの幻の香水のボトルやケースでした。
トランクの展示場には、過去にコラボレーションして作られたトランクが約20個展示されていました。1879年のグレーのグリトリヨンから。ダミエ、モノグラムへの遍歴を、光村さんは巧みに伝えて下さりました。
その中に、ジャン・ギャバンが愛用していたという1940年に作られたレザー製のトランクや、ヴァージル・アブローがデザインしたものや、シュープリームとキム・ジョーンズがコラボしたもの、2024年のファレル・ウィリアムスのファースト・コレクションの銅でコーティングされたトランクも展示されていました。
いよいよ、日本に戻る時間となりました。午後17時にアニエールを離れ、シャルル・ド・ゴール空港より20時20分発の帰国便に乗ることとなりました。
以上が、ルイ・ヴィトンのオーダー香水ツアーの全貌です。