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ラルチザン パフューム

【ラルチザン】ロード ジャタマンシィ(カリーヌ・バンション)

ラルチザン パフューム
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ロード ジャタマンシィ

原名:L’Eau de Jatamansi
種類:オード・トワレ
ブランド:ラルチザン
調香師:カリーヌ・バンション
発表年:2007年(廃盤)
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/17,280円

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ラルチザン史上初の100%天然香料フレグランス

2007年にラルチザンより発売された、ラルチザン史上初めて100%天然香料でのみ作られたフレグランスです。

ジャタマンシィ」とは、サンスクリット語でヒマラヤ渓谷(高度3300-5100mの山地)に自生する女郎花科のヒマラヤナルド=スパイクナードという植物を意味します。その精油は、淡紅色の花を咲かせるスパイクナードの根茎から、水蒸気蒸留法によって抽出します(漢方においては甘松もしくは寛葉甘松と呼ばれる)。

その香り自体は、アーシィさとアニマリック、ウッディ、スパイシーが互いに強烈に主張し合う個性的な悪臭に近い香りです。

(色々な解釈があるのですが)最後の晩餐の前にマグダラのマリアがナルドの香油(スパイクナードから作られた香油)でイエスの足を拭う場面があるほど、他の精油とブレンドされると、神秘的かつムスキーな香りを与えてくれます。

そんな特徴的なスパイクナードという香料が使用されたオリジナルは、苦みのある爽快なグレープフルーツ、ベルガモットとフレッシュなハーブの香りではじまります。やがて、ミドルにローズ、イランイランの甘い香りが、スパイクナードの特徴のあるアーシィなウッディと共に現れ温かく香りを包み込みます。そして、ラストには、インセンス、サンダルウッド、パピルスが、スパイスと絡み合い、心に安らぎを与える涼しげなムードを醸しながらドライダウンしていきます。

フレッシュなグリーンとスパイシーなハーバルからはじまるウッディ・アロマティック・フローラルの香りは、カリーヌ・バンションにより調香されました。

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天然香料の香りの宿命

フランス農務省が、1991年に設立したオーガニック認定機関エコセールは、世界で最も権威のある有機栽培食品の認定機関です。そのエコセールからオーガニックコスメ認定規定“コスメビオ”の最高ランクに認定されたフレグランスです。

2014年8月に合成香料を加えたものをアジア限定で再販したのですが、こちらはエコセールの認定は受けておらず、改悪された香り立ちのため不評を買っただけでした。ただし、現在オリジナルボトルを持っていたとしても、もう発売当時の香りは致しません。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「さてフレグランスの世界には、オーデコロンとパルファン(香水)という両極があって、はるかな距離感がある。コロンほどお手軽ではないが、パルファンほど仰々しくもない製品群で、今ならここに天然香料オンリーのフレグランスが収まる。いい例が「マラケッシュ」(イソップ)、「グレッツォ」(ラ ヴィア デル プロフーモ)、「ヤトラ」(アヴェダ)などで、このロード ジャタマンシィもそうだ。」

「香りは爽やか。やや単調なのは、天然香料ものの宿命だろう。構成は独創性に富んでいて、とても巧みで繊細。すっきりしたウッディシトラスのトップノート、ミドルはそっと撫でるような優しいローズ、とりわけベースのスパイクナードとインセンスがいい。そして最後はウッディバルサム様ベンゾイン。非の打ち所がない展開だ。ロベルテ社のカリーヌ・バンションが手がけた傑作で、このブランドが「21世紀のゲラン」になりうることを予感させる。」と4つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:ロード ジャタマンシィ
原名:L’Eau de Jatamansi
種類:オード・トワレ
ブランド:ラルチザン
調香師:カリーヌ・バンション
発表年:2007年(廃盤)
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/17,280円



トップノート:カルダモン、ベルガモット、グレープフルーツ、クラリセージ
ミドルノート:カモミール、ローズ、イランイラン、スパイクナード
ラストノート:ベチバー、サンダルウッド、パチョリ、ガイアックウッド、インセンス、ティー、パピルス