歌舞伎町|ウイスキーとタバコの紫煙のかけひきに身を任せて。

その他のブランド
©株式会社キャライノベイト
その他のブランド
この記事は約15分で読めます。

歌舞伎町

原名:Kabukicho
種類:オード・パルファム
ブランド:破天荒
調香師:清水 篤
発表年:2025年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/23,650円
公式ホームページ:破天荒

スポンサーリンク

女と男のゲームが始まる大人の遊戯場・歌舞伎町の香り

©株式会社キャライノベイト

『東都冨士三十六景 内藤新宿』歌川国貞、1860年。

「東都冨士三十六景 内藤新宿」に描かれた、夜のにぎわいと人々の往来──
その余韻を現代の歌舞伎町に重ね、グラスの泡とたばこの煙がすれ違う夜の情景を香りに映しました。

公式サイトより

日本文化や日本の魅力を、香りを通じて世界へ発信するキャライノベイト(青山フラワーマーケットなどの人気フレグランスも創造しています)が、満を持して2025年4月14日に発表した国産フレグランス・ブランド『破天荒』。

日本人には「破天荒な性格」と誤用されやすいこの言葉の真の意味は「前人のなしえなかったことを初めてすること。また、そのさま。前代未聞。未曾有」です。

日本人の琴線に響く前人未到の香りを創造するために、日本の伝統文化を継承しながら、現代の価値観を未来へ受け継いでゆく〝新たな日本らしさ〟を表現する『破天荒』の〝お披露目フレグランス〟として、浮世絵を題材に『和の美学』を香りに投影した五作品が、総合ディレクター兼調香師の清水 篤氏により発表されました。

©ISETAN_BEAUTY

2025年10月1日より、伊勢丹新宿店のポップアップから先行販売された、限定フレグランス「歌舞伎町」は、歌川国貞の浮世絵『東都冨士三十六景 内藤新宿』からインスピレーションを受け、現代の歌舞伎町のエッセンスをたばこやウイスキーの調香で表現した、大人の夜を演出した香りです。

江戸時代、甲州街道に存在した宿場のうち、江戸日本橋から数えて最初の宿場である内藤新宿(1699年開設)は、元々はススキの広がる武蔵野の原野でした。現在の住所では新宿一丁目から新宿二丁目・三丁目の東西約1kmに広がる一帯にあたります。江戸四宿の中でも品川宿に次ぐ賑わいを見せ、旅籠に飯盛女を置く性風俗を中心とする歓楽街として発展してゆきました。

この新宿に1948年に、戦後の焼け野原から誕生した町が、歌舞伎町でした。椎名林檎様が〝JR新宿駅の東口を出たら、そこはあたしの庭〟と世紀末に歌っていた町です。

以下、カイエデモード独自の観点による香りの徹底解剖と、〝もっともっと『破天荒』の香りの魅力が見えてくる清水 篤さんの独占解説〟を掲載させて頂きます。ちなみに徹底分析は、敢えて、清水さんの香りのインタビューを行う前に、書き記したものです。優れたフレグランスには、付ける人それぞれの物語を変幻自在に生み出す魔性のパワーがあるものですが、『破天荒』のそれぞれの香りには、それが存在します(であるにしても清水さんの解説は読み応えがあります)。
スポンサーリンク

ウイスキーとタバコの紫煙のかけひきに身を任せて。

©株式会社キャライノベイト

「むやみに信じちゃダメ」。そんな女と男のゲームが始まる町・歌舞伎町という名のこの香りは、ウイスキーの香りからはじまります。すぐに絞られたライムスカッシュの香りと共に、戦後の焼け野原のような、炭と灰の香りが広がってゆきます。
新宿三丁目の伊勢丹新宿店のために作られたこの香りの名が、なぜ「新宿」ではなく「歌舞伎町」なのだろうか?と考えているうちに、ムーディーなタバコの香りが漂ってきます。
焦土と化した焼け野原の上に不夜城・大人の遊戯場・歌舞伎町が誕生したように、わたしの素肌の上に、炭と灰を降らせ、ウイスキーとタバコの紫煙で、ネオン化粧に隠して生きる女(または男)が生み出されてゆくです。
愛とはおそらく、最も美しい旅のかたちであるように、夜のウイスキーとタバコの紫煙の中から生まれた、あたらしい旅の最初の宿場の香り。このじんじんするようなけだるさがどうにもクセになりませんか?
スポンサーリンク

「歌舞伎町」の魅力を調香師・清水 篤さんに聞いてみました。

清水 篤さん © 株式会社キャライノベイト

Q.何よりもまず「歌舞伎町」の香りの中に身を置き、衝撃を感じたのは、いまだかつて感じたことがないほどリアルなウイスキーの薫りが、トップから広がっていくことです。すごく思い切った調香だと感じました。

A.歌舞伎町を香りにしようと考えたとき、最初に浮かんだのがウイスキーでした。ただ、ウイスキーそのものを再現したかったわけではありません。

歌舞伎町って、お酒を一杯飲んだところから、人との距離が少し変わっていく街だと思うんです。最初はまだ互いに少し構えている。でもグラスを重ねるうちに会話がほどけて、少しずつ街の中へ入っていく。

だからこの香りも、最初から綺麗にまとめるのではなく、まずウイスキーをかなり大胆に立ち上げました。そこからライムや炭酸の弾ける感じ、タバコの煙、夜の湿度へと変化していく。香りそのものが、歌舞伎町の夜へ入っていくような時間の流れを持つようにしたかったんです。

Q.伊勢丹新宿店でのポップアップを念頭に作られた香りだとのことですが、どうして、この香りの名を「新宿」ではなく、「歌舞伎町」にされたのでしょうか?あとどうしてこの(女と男のドラマのはじまりを想わせる)浮世絵を選ばれたのかも併せて教えて頂けると幸いです。

A.「新宿」という大きな街を香りにすると、どうしてもいろいろな顔を入れなくてはいけません。でも私が惹かれたのは、その中でも夜になると急に表情を変える「歌舞伎町」でした。

歌舞伎町には、華やかさもあれば猥雑さもあり、欲も孤独もある。いろいろな人が集まり、それぞれ違う目的を持ちながら、同じ夜の中で時間を過ごしています。その混沌も含めて歌舞伎町なんじゃないかと思ったんです。

そして、今回の「歌舞伎町」は、破天荒にとって少し新しい試みでもありました。これまでの破天荒では、浮世絵に描かれた情景や、その時代の空気をできるだけ丁寧に読み取り、そこから香りを組み立ててきました。でも今回は、浮世絵の時代だけに香りを留めず、時代を超えて香りを作ってみたかったんです。

内藤新宿は、江戸の宿場町として多くの人が行き交い、酒を飲み、人と人が出会う場所でもありました。その後、戦後の焼け野原から歌舞伎町が生まれ、昭和の歓楽街を経て、今ではネオンに照らされた世界的にも知られる夜の街になっています。街の姿はまったく違います。でも、そこにいる人を見ていくと、酒を飲み、人と出会い、惹かれ合ったり、別れたり、一夜を過ごしたりする。人間が夜にしていることは、時代が変わっても案外変わっていないんじゃないかと思ったんです。

この浮世絵を選んだのも、そこに男女の間に何かが始まりそうな余白を感じたからです。江戸の男女なのか、昭和の男女なのか、現代の歌舞伎町で飲んでいる二人なのか。時代を限定せずに見ると、不思議と同じ人間の物語に見えてくる。

江戸の内藤新宿と、現代の歌舞伎町。その間に流れた時間まで一つの香りの中で重ねてみる。それが「歌舞伎町」で初めてやってみたかったことなんです。

Q.伊勢丹新宿店でのポップアップは、新興の香水ブランドにとって、ひとつの大きな宿願だと思うのですが、しかも大手ビューティーメーカーしか許されない一階のあのスペースでポップアップを行える、その時に、お披露目する香りを作るということに、清水さんはどんな感情でのぞまれましたでしょうか?

A.伊勢丹新宿は、香水を作っている人間にとって特別な場所だと思っています。ただ、だからといって伊勢丹らしい綺麗な香りを作ろうとは思いませんでした。むしろ、あの場所で発表するからこそ、新宿という街が持っている別の顔を持ち込みたいと思いました。

百貨店の整えられた空間があって、そこから少し歩けば歌舞伎町がある。その落差まで含めて新宿だと思うんです。破天荒は、綺麗なものだけを香りにするブランドではありません。

美しいものも、少し猥雑なものも、人間臭いものも、その中にある情景を香りにしていく。だから伊勢丹新宿という場所で「歌舞伎町」を発表すること自体が、私にとってすごく破天荒らしいことだと思いました。

Q.ミドルノートの炭酸水(スカッシュ)がすごく気になりました。その役割は、ウイスキーとタバコをフルシェイクするような感覚的な役割なのでしょうか?

A.炭酸は、単純にウイスキーとタバコを軽くするためだけに入れたわけではありません。グラスに炭酸を注いだ瞬間って、泡が立ち上がって空気が動きますよね。私はあの一瞬に、これから夜が始まるような高揚感を感じています。

ウイスキーとタバコだけだと、どうしても重く、少し過去を振り返るような香りになってしまう。でもライムと炭酸を入れることで、そこに若さやスピード感が生まれる。だから、昭和へのノスタルジーだけではなく、現在進行形の歌舞伎町にしたかったんです。

ウイスキーの深さ、タバコの煙、そこへ炭酸の泡が弾ける。そのコントラストが、歌舞伎町の夜の雑多なエネルギーにもつながっていると思います。

Q.私がこの香りから感じたのは、昭和の歌謡曲みたいな60年代から70年代の私が生まれる前の、藤圭子さんとかの歌謡曲が好きなのですが、そんな曲のムードがぴったり合う、とても昭和の女と男の夜のバーでの出会いを感じさせる香りだなと思いました。清水さんが思い描かれているこの香りの情景をお聞かせ願えますでしょうか?

A.昭和歌謡のように感じていただけたのは、とても面白いですね。私も昭和歌謡は好きですが、特定の時代や一曲を香りにしたわけではありません。

私自身、歌舞伎町で飲むことがあります。そこで見ていると、本当にいろいろな人が何気なくお酒を飲んでいるんです。中でも男女二人で飲んでいる姿をよく見かけます。楽しそうに話していたり、少し距離があったり、妙に親しそうだったり。そんな二人を見ると、「この二人は、このあとどうなっていくんだろう」と勝手に気になってしまうことが多々あります(笑)。でも、夜の街って、そういうところが面白いと思うんです。

その二人が恋人なのか、今日初めて出会ったのか、これから何かが始まるのか、それともこの一杯で別れていくのか。周りからは分からない。それぞれに物語があって、その途中の時間だけが同じ店の中で交差している。

昭和歌謡にも、好き、寂しい、会いたい、別れたいといった男女の感情を、すべて言葉にせずに想像させる色気があると思います。歌舞伎町にも、それと似た人と人との曖昧な距離感を感じます。

「歌舞伎町」で描きたかったのは昭和そのものではなく、時代が変わっても夜の街で繰り返されている、女と男、人と人の間に生まれる物語なんです。ウイスキーやタバコ、ネオンの気配の向こうに、「このあと何が起こるんだろう」と想像したくなるような余白を香りに残したかったんです。

Q.清水さんにとって衝撃を受けたお酒系のフレグランスなど何かございますでしょうか?あと今後、日本酒の香りを作られる予定はございますでしょうか?

A.衝撃を受けたというより、好きな香りとして思い浮かぶのは、ラルチザン パフュームの「フー アブサン」です。お酒をそのまま再現するというよりも、アブサンを思わせる世界観まで香りとして表現しているところが好きなんです。

お酒をテーマにした香りには以前から興味がありますが、今回の「歌舞伎町」も、ウイスキーそのものを再現することが目的ではありませんでした。日本酒についても、もちろん興味があります。ただ、日本酒そのものの香りを再現するだけでは、破天荒らしくないと思っています。

日本酒には、その土地の水や米、気候があり、その土地の料理があり、それを飲む人たちの暮らしがあります。もし日本酒をテーマにするのであれば、日本酒そのものではなく、その一杯の向こう側にある土地や文化、そこに流れている時間まで香りにしたいですね。

Q.最後に、この「歌舞伎町」から、日本の町の香りがはじまっていくんだと、京都や奈良、愛媛の町など、破天荒さんが日本列島を横断していくようなイメージが浮かび、勝手にワクワクしているのですが、今後、限定コレクション化していく予定はございますでしょうか?

A.歌舞伎町から始まって、日本橋、銀座、浪速、浅草と、それぞれ違う土地と時間を香りにしてきました。ただ、これから土地を増やしていくこと自体を目的にはしたくないと思っています。

私は実際にその土地を歩いて、人に会って、その土地の文化や歴史に触れる中で、「ここには香りにしたい時間がある」と感じた場所を作品にしたいんです。京都や奈良、愛媛ももちろん面白いと思います。でも、先に地名を決めて、それに合わせて香りを作るということはしたくありません。

旅をして、出会って、そこから香りが生まれる。その積み重ねの結果として、いつか破天荒の香りを並べてみたら、日本列島を旅していた。そんな形になったら一番面白いと思っています。

スポンサーリンク

2種の香りを重ねて、物語をひらく「聞き重ね」

日本の伝統芸道・香道では、香りを「嗅ぐ」のではなく「聞く」もの──。『破天荒』では、香道の文化にならい、2種の香りを重ねて、物語をひらく「聞き重ね」が提案されています。

それぞれの「聞き重ね」について総合ディレクター兼調香師の清水 篤さんに質問させて頂きました。

①『炎夜(えんや)』歌舞伎町 1プッシュ × 花火 2プッシュ

©株式会社キャライノベイト

夏の夜の熱気が、肌に纏わりつくような香り。

Q.なぜ「歌舞伎町」と「花火」を重ねようと思われたのでしょうか?

A.この二つを重ねた時に浮かんだのは、夜の街に残る熱でした。「花火」は、打ち上がる花火の華やかさだけではなく、火薬や土手の匂いまで含めて、日本の夏の夜を描いています。一方の「歌舞伎町」には、ウイスキーやタバコ、人が集まる真夜中の熱があります。

花火大会も歌舞伎町も、人が夜に集まり、普段とは少し違う時間を過ごす場所です。花火を見ながら酒を飲み、誰かと話し、夜が深くなっていく。花火が終わっても、そのまま帰らず、もう少し夜を楽しみたい人もいる。一瞬で燃え上がる花火の熱と、真夜中まで消えない人間の熱。その二つを重ねてみたいと思いました。

Q.『炎夜』という名前には、どのような意味が込められていますか?

A.『炎夜』は、夜の中に残り続ける炎をイメージしています。花火は一瞬で消えてしまいます。でも、その夜に生まれた高揚感や、誰かと過ごした時間は、花火が消えた後もすぐにはなくならない。むしろ花火が終わってから始まる夜もあります。

街へ移動して酒を飲み、話をしているうちに時間を忘れていく。花火そのものは消えているのに、人の中ではまだ何かが燃えている。そんな、終わったはずの夜をもう少し続けてしまうような時間を『炎夜』と名付けました。

Q.それぞれを単体で香った場合と、どのように印象が変わりますか?

A.「花火」は梅の赤や火薬、土手の空気を感じる、夏の夜の情景を持った香りです。「歌舞伎町」はウイスキーやタバコを中心に、真夜中の街の湿度や人間の気配を描いています。

二つを聞き重ねると、花火の火薬感と歌舞伎町の煙がつながり、香りの中に燻ったような熱が残ります。華やかに燃え上がって終わるのではなく、その火を持ったまま夜の街へ入っていく。夜が終わりそうで、まだ終わらない。そんな消えきらない夜の熱を感じる聞き重ねです。

②『紅煙(べにけむり)』歌舞伎町 2プッシュ × 魁 1プッシュ

©株式会社キャライノベイト

甘艶の奥にスモーキーな影を残す、都会的な二重奏。

Q.なぜ「歌舞伎町」と「魁」を重ねようと思われたのでしょうか?

A.この二つには、どちらにも人を惹きつける艶があると思っています。「魁」は月下香を中心にした華やかな香りで、人の視線を引き寄せるような存在感があります。一方の「歌舞伎町」は、夜になるといろいろな人が集まってくる街です。

酒を飲む人、働く人、誰かと出会う人。その中には、遠くからでもなぜか目に留まる人がいる。華やかな服を着ているからとも限らないし、美しいからというだけでもない。その人が纏っている空気そのものに、どこか惹かれてしまう。魁の艶と、歌舞伎町の真夜中に漂う人間の色気。その二つを聞き重ねました。

Q.『紅煙』という名前には、どのような意味が込められていますか?

A.『紅』は、魁が持っている艶や華やかさ。『煙』は、歌舞伎町のタバコや、夜の街に漂う少し曖昧な空気を表しています。真夜中の街で、煙の向こうに誰かの姿が見える。近づいてみたいと思うけれど、どんな人なのかはまだ分からない。夜の出会いには、そういう距離があると思うんです。

全部が最初から分かってしまうより、少し見えない部分があるから惹かれる。紅の艶が煙の中に見え隠れする。そんな情景から『紅煙』と名付けました。

Q.それぞれを単体で香った場合と、どのように印象が変わりますか?

A.「魁」は月下香の華やかさや艶が前に出る香りです。「歌舞伎町」はウイスキーやタバコによる、暗さや煙、人間の夜を感じる香りです。

二つを聞き重ねると、魁の華やかさがそのまま前に出るのではなく、歌舞伎町の煙の中に少し隠れる。そのことで、かえって色気が強く感じられるんです。見せる艶ではなく、見えそうで見えない艶。近づくほど少しずつ輪郭が見えてくる。そんな真夜中の人との距離を感じる聞き重ねです。

③『影灯(かげあかり)』歌舞伎町 1プッシュ × おどろおどろ 1プッシュ

©株式会社キャライノベイト

神秘的で静かな夜の残像。

Q.なぜ「歌舞伎町」と「おどろおどろ」を重ねようと思われたのでしょうか?

A.歌舞伎町を深夜に歩いていると、あれだけ明るい街なのに、ふと光の届かない場所が気になることがあります。ネオンや看板が光り、人もたくさん歩いている。でも一本路地へ入ったり、建物と建物の間を見たりすると、急に暗い場所が現れる。

「おどろおどろ」は怪談をテーマにした香りで、最初に少し違和感があり、そこから冷たさやグリーンレザーへ変化していきます。真夜中の歌舞伎町にその香りを重ねた時、明るければ明るいほど、その裏にある影が濃く見えるように感じました。

人がいるから安心とも限らない。灯りがあるから、すべてが見えているとも限らない。そんな真夜中の街を聞き重ねています。

Q.『影灯』という名前には、どのような意味が込められていますか?

A.『影灯』は、灯りによって生まれる影というイメージです。普通は、暗いから怖いと思いますよね。でも歌舞伎町では、逆に光が多い。ネオンや看板が街を照らしているからこそ、その光が届かない場所がはっきり見えてくる。

そこに何かがいるわけではない。ただ、見えない。そうすると、かえって想像してしまうんです。人の影なのか、建物の影なのか、それとも違うものなのか。灯りがあることで、見えないものまで意識してしまう。その感覚を『影灯』という名前に込めました。

Q.それぞれを単体で香った場合と、どのように印象が変わりますか?

A.「おどろおどろ」は、冷たさや違和感、怪談の気配を感じる香りです。「歌舞伎町」はウイスキーやタバコ、人々が行き交う真夜中の街を描いています。

二つを聞き重ねると、「おどろおどろ」の怪異が遠い昔の怪談ではなく、現代の夜の街へ入り込んでくるように感じます。酒を飲んで店を出て、明るい通りを歩いている。ふと横を見ると、暗い路地がある。何も見えないのに、なぜか少し気になる。それでも足を止めて、もう一度見てしまう。

光と影の境界に、何かの気配だけが残る。そんな真夜中の情景を感じる聞き重ねです。

スポンサーリンク

香水データ

香水名:歌舞伎町
原名:Kabukicho
種類:オード・パルファム
ブランド:破天荒
調香師:清水 篤
発表年:2025年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/23,650円
公式ホームページ:破天荒


トップノート:香檸檬(ベルガモット)、莱姆(ライム)、黒胡椒(ブラックペッパー)
ミドルノート:烏伊思幾(ウイスキー)、炭酸水(スカッシュ)、梔子(ガーデニア)、炭(バーチ)
ラストノート:霍香(パチュリ/パチョリ)、カスカスガヤ(ベチバー)、麝香(ムスク)、龍涎香(アンバー)