作品データ
作品名:007 死ぬのは奴らだ Live And Let Die(1973)
監督:ガイ・ハミルトン
衣装:ジュリー・ハリス
出演者:ロジャー・ムーア/ジェーン・シーモア/ヤフェット・コットー/グロリア・ヘンドリー/マデリン・スミス
ボンドガール史上唯一の美少女ボンドガール
恐らく歴代のボンドガールの中でも日本人が最も好きな清楚系美少女ジェーン・シーモア(1951-)。撮影当時21歳の人妻だったジェーンだが、ここはあえて美少女と言わせて頂こう。それくらい、この作品におけるジェーンは少女性と処女性に満ち溢れていたのです。
今までのボンドガールに共通した、高身長にナイスボディで、自ら進んでビキニを着るゴージャスなお姉さん路線から一転して、ビキニなんて絶対に着ないアイドルのような美少女が、何かの間違いでボンドガールになってしまったかのような彼女の違和感がとても新鮮です。身長も161cmと高すぎず低すぎません。
そんな彼女が演じるタロットカード占い師ソリテアは、全く敵に対して無力であり、お姫様みたいにか弱い存在です。しかも戸惑いの表情を浮かべながら、日本のアイドルのように情け容赦なく、着せ替え人形のように色々な衣装とヘアメイクを施されるのです。
この作品は、ボンドムービー史上唯一、美少女がボンドガールになった稀有な作品です。しかも、彼女のコスチュームの数々は、実に個性的かつ70年代ファッションのクールネスを見事に体現していたのです。
当初ソリテアには、他の共演者と同じく黒人のダイアナ・ロス(1944-)で考えられていました。しかし、原作通り白人の配役を選ぶことになり、ゲイル・ハニカット(1943-)と契約しました。しかし、当時の夫である『欲望』(1966)のデヴィッド・ヘミングスとの間の子を妊娠したことにより降板し、カトリーヌ・ドヌーヴにオファーしようと考えていた矢先にジェーンが発掘されたのでした。
彼女にしたい理想のボンドガールNo.1
ソリテア・ルック1 秘書ルック
- 70年代マダム風アップスタイル、耳元はもちろんカール
- 白のボタンダウンブラウス、ポインテッド・カラー・シャツ
- 赤のベスト、Uネック
- 長いゴールドネックレス
英国人のジェーン・シーモアは、著名な産婦人科医の父親の下で裕福な家庭で育ちます(オランダ人の母親は、オランダの植民地だったインドネシアに移住していた第二次世界大戦中に、日本軍の捕虜として3年半、収容所にいました)。2歳の時からバレリーナを目指し、修練に励み、13歳でプロのバレリーナとなるが、膝の怪我によりバレリーナとしてのキャリアを断念します。
そして、1969年にリチャード・アッテンボロー監督の『素晴らしき戦争』でデビュー。そして、アッテンボローの息子と知り合い結婚しました(本作公開当時離婚する)。
ロジャー・ムーア推薦枠のボンドガール=マデリン・スミス
マデリン・スミスのドレスのジッパーを下ろすことのためだけに開発されたかのようなロレックス・サブマリナー5513ロジャー・ムーア仕様。
二人目のボンドガールであるマデリン・スミス(1949-)が登場します(序列では第三のボンドガール)。そのあどけないルックスとは裏腹に、成熟した168cmのダイナマイト・ボディで、ジェーン・シーモアには禁じられている(ボンドムービーの絶対要素である)青少年を芽ばえさせる役割を見事に果たしてくれます。
ちなみにマデリンは、10代後半からバーバラ・フラニッキの伝説のブティックBIBAで働いており、バーバラの助言でモデルになりました。代表作は1970年のハマー・ホラー『バンパイア・ラヴァーズ』です。
謎の美少女=どこかララァ・スン風。
ソリテア・ルック2 ファーハット&キャミソール
- ファーのヘッドドレス
- ブラウンのコート
- ブラウンのスタンドカラーのウールミニドレス、フロントジップ、ペザントスリーブ、上から両袖にオレンジ色のブレスレット
- ブラウンレザーのロングブーツ
- ブラウンのレザーグローブ
- ブラウンのハンドバッグ
- ベージュのレースとダークブラウンのキャミソール