フォー ユア ラブ
原名:For Your Love
種類:オード・パルファム
ブランド:ミゼンジール
調香師:アルベルト・モリヤス
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:日本未発売
モリヤス自身のブランド『ミゼンジール』とは?
私がこのブランドを妻と興したのは、ただただ自分の好きな香りを自由に作りたかったからです。つまり、想い出や、家族、過去の感情、あるいは過去の出来事を思い起こさせるような香りです。だから、一番好きなものは何かと聞かれても難しいのです。すべてが自分の子供のような気がするので。
香りの調香には、1年から6年かけます。それも毎日ではなく、週に1日か2日だけ作業する感覚で作り上げています。
アルベルト・モリヤス
1999年にジュネーヴで創業されたアルベルト・モリヤス自身のブランド「ミゼンジール」は、当初キャンドル・コレクションからはじまりました。元々は、パトリック・フィルメニッヒにVIPの顧客のために提供するキャンドル・コレクションを作るように依頼されたことがきっかけでした。
「ミゼンジール(Mizensir)」とは、mis en cire(set in wax)とモリヤス(Morillas)のM、そして、真ん中のZenは、モリヤス一家が大切にしている禅の精神であり、Sirは英国の貴族精神=エレガンスを意味する言葉遊びです。
妻クロディーヌと娘ヴェロニクによるファミリー・ブランドである「ミゼンジール」に、2015年にフレグランス・コレクションが誕生したのは、ヴェロニクのアドバイスからでした(2011年以降は元弁護士でもある彼女がこのブランドの最高責任者でなる)。そして、「エディション ドゥ ヴェロニク」という娘の名を冠した最初のコレクションを作り、ブランド20周年にあたる2019年に妻のために「フォー ユア ラブ」を作ったのでした。
2016年には、フランスの高級スキーリゾート、ムジェーヴに二号店をがオープンしています。
このブランドで、ニッチな香りを作るつもりは全くありません。そうではなく卓越した製品を作りたいと思いました。最高の原料と合成香料を使い、これまでの経験を生かして、誰かのためではなく、自分のために何かを作りたかったのです。
私たちにとって重要なのは香りです。最高の品質の香水を作ることが最も重要で、この理由から、私は広告に予算を割かないことに決めました。
アルベルト・モリヤス
はじめてのキスが永遠のキスになる香り
「ミゼンジール」とは、アルベルト・モリヤスが完全に自由なクリエイションが出来る〝理想郷〟です。そんな彼が、ブランド創業20周年の作品として選んだ香りの名が「フォー ユア ラブ」です。
それはフィルメニッヒにおける二つの最高峰の合成香料を駆使した愛の香りなのです。その合成香料の名はエキサルトン(合成ムスク)とCachalox(合成アンバーグリス)です。
二人の間ではじめてキスが交わされる瞬間。それは人生最大のリスクを冒す瞬間とも言えます。情熱がさらに燃えていくのか?それとも情熱の火は消えていくのか?全てはこの一瞬で決まるのです。
ふたりのものがたりを紡ぎ出すように、温かくも包み込むようなエキサルトンの輝きを肌と心で予感しながら、ほんのりと甘い情熱的なラズベリーに満たされるようにしてこの香りははじまります。
この香りの魅力は、静かなるコントラストです。すぐに、官能的なアンバーグリスにより、二つの感情がひとつになるように掻き混ぜられてゆくのです。ラズベリーの酸味と寄り添うムスクのパウダリー感が生み出すリップスティックのような感覚が、くちづけを交わす二人の世界を透かして見せてくれるようです。
やがて、甘やかなベンゾインとパチョリが香りをより一層高揚させてゆきます。それははじめてのキスが永遠のキスになる香りなのです。どこかメゾン・フランシス・クルジャンの「バカラ ルージュ540」のような温かく包み込んでくれるようなところのある香りです(ただし焦がしたシュガーのような濃厚さはなく、あくまでも円やか)。
香水データ
香水名:フォー ユア ラブ
原名:For Your Love
種類:オード・パルファム
ブランド:ミゼンジール
調香師:アルベルト・モリヤス
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:日本未発売
トップノート:ラズベリー、ムスク(エキサルトン)
ミドルノート:アンバーグリス(Cachalox)
ラストノート:パチョリ、ベンゾイン