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クロエ

【クロエ】クロエ オードトワレ(ミシェル・アルメラック/シドニー・ランセスール)

クロエ
©Chloé
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クロエ オードトワレ

【特別監修】カイエデモードが崇拝するフレグランス・スペシャリスト様

原名:Chloe Eau de Toilette
種類:オード・トワレ
ブランド:クロエ
調香師:ミシェル・アルメラック、シドニー・ランセスール
発表年:2009年、2015年
対象性別:女性
価格:50ml/12,100円、75ml/15,510円

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クロエの「ローズ革命」第二章

ドリー・ヘミングウェイ ©Chloé

クロエがはじめてフレグランスを発売したのは1975年のことでした。しかし、何作かリリースされるも、ヒット作を生み出せず、20世紀末にはクロエのブランド力自体が落ち、フレグランスの新作はリリースされない状況が続いていました。

そんな中、1997年にクリエイティブ・ディレクターに就任したステラ・マッカートニーがクロエを復活させ、2001年にその座を引き継いだフィービー・ファイロが、パディントンというバッグと共に、ワイドパンツなどを独特のバランスでハイファッションに取り込んでいくセンスにより、爆発的な「クロエ旋風」を生み出すことになるのでした。

そして、2005年にクロエは、再びフレグランス部門へ乗り出す決意を固めたのでした。かくして、コティとロベルテの協力を得て2008年2月(日本は2008年4月2日)に発売されたのが「クロエ オードパルファム」でした。

当時、全く人気がなかったローズの香りを再び女王の座へ押し戻したこの香りは、ミシェル・アルメラックアマンディーヌ・クレーヌ・マリーにより調香されました。かくして、香水史の一ページを彩る、もうひとつの「クロエ旋風」の幕が切って落とされたのでした。

そして、その翌年の2009年4月に、「クロエ旋風」の最中に発売されたのが「クロエ オードトワレ」でした。

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2009年版クロエ オードトワレ

©Chloé

まず最初に、オードトワレとオードパルファムのメイン香料を比べてみてください。

クロエ オードトワレ(EDT)

トップノート:マンダリン・オレンジ、ウォーターメロン、ピンクペッパー
ミドルノート:フリージア、ローズ
ラストノート:アイリス、サンダルウッド、トンカビーン

クロエ オードパルファム(EDP)

トップノート:ピオニー、フリージア、ライチ
ミドルノート:ローズ、スズラン、マグノリア
ラストノート:アンバー、ヴァージニア・シダー、ホワイトムスク

EDPには存在しなかった柑橘が加えられていることが分かります。その柑橘=オレンジ・ブロッサムにウォーターメロンが組み合わさることによって、EDPにはなかった爽快感と輝きが、だんだんと瑞々しさと透明感で満たされてゆくのです。

さらにドライダウンするにつれ存在感を増すパウダリーなアイリスとミルキーなサンダルウッドが、ローズとフリージアに煌くようなソーピィーさを与えてくれるのです。

つまり、単純にクロエEDPの軽やかなヴァージョンがクロエEDTというわけではありません。私が当時お客様にお伝えしていたイメージは、クロエEDPがクラシックローズそのものを表現した香りなら、クロエEDTは朝露に濡れたローズを表現したような瑞々しさや透明感、そして、明るさと軽やかさを感じさせる香りでした。

この香りを特に好まれていたお客様は、若々しい印象の方だったり、クロエEDPだと香りが〝いかにも纏ってます〟という風に感じられ〝なんとなく良い香りがする〟方が良いと考える方だった気がします。またはクロエEDPをすでにお持ちの方が春夏に纏える香りとして購入されていた印象です。

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2015年版クロエ オードトワレ

©Chloé

現行版は、2015年7月22日に発売されたものです。調香師は、ミシェル・アルメラックは同じなのですが、パートナーが変わり、シドニー・ランセスールが起用されています。

クロエ オードトワレ(EDT)2009年版

トップノート:マンダリン・オレンジ、ウォーターメロン、ピンクペッパー
ミドルノート:フリージア、ローズ
ラストノート:アイリス、サンダルウッド、トンカビーン

クロエ オードトワレ(EDT)2015年版

トップノート:ベルガモット、レモン
ミドルノート:ホワイトローズ、マグノリア、ガーデニア
ラストノート:コットンフラワー、ムスク

ウォーターメロンの香りが失われた2015年版は、ベルガモットとレモンが、シトラスの苦味と酸味を弾けさせるようにしてはじまります。

すぐにマグノリア、ガーデニアのホワイトフローラルブーケが、クリーミーな陽光で、朝露をふくんだフレッシュなホワイトローズを包み込んでゆきます。

やがて、ふんわりとムスキーなコットンフラワーが、魔法の粉を吹きかけたように、ホワイトローズにパウダリー感(バラの石鹸のような)を与えながら、柔らかい肌の上に溶け込んでいくように導いてくれるのです。

最後に、クロエEDTについての総括です。

  • 2009年版 → フレッシュでウォータリー、オリジナルEDPから透明感と瑞々しさを加えたアレンジ。
  • 2015年版 → 真っ白な花びらがコットンや羽のようにふんわりと軽やかな印象、2009年版よりも〝フローラル〟の輪郭を残したまま、より繊細で軽やかなアレンジ。
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香水データ

香水名:クロエ オードトワレ
原名:Chloe Eau de Toilette
種類:オード・トワレ
ブランド:クロエ
調香師:ミシェル・アルメラック、シドニー・ランセスール
発表年:2009年、2015年
対象性別:女性
価格:50ml/12,100円、75ml/15,510円


トップノート:ベルガモット、レモン
ミドルノート:ホワイトローズ、マグノリア、ガーデニア
ラストノート:コットンフラワー、ムスク