ラスティ・ライアンのアイコニック・ファッションその一。
ラスティ・ライアン・スタイル2 シャンパングレースーツ
- シャンパン・グレーのシルクとウールの混合スーツ、ノッチドラペル、シングル、2ボタン、イタリアンスタイル、ローライズ・トラウザー
- タン・ベルト
- 光沢のあるシャンパングレーのサテンシルクのドレスシャツ(ローマでは、ニット・シルクのポロシャツにチェンジ)
- シルバー・レジメンタルタイ
- サングラスはディーゼルのコブレッティ、シャイニー・ライト・ゴールドのメタル・フレーム
- タン色のアリゲーターのペニーローファー、バイシクルトゥ
- スカイブルーのソックス
- ロレックスのデイデイト、プラチナ、ダイヤモンド・スタッズ・ベゼル
コスチューム・デザイナーのミレーナ・カノネロが、「ラスティという人間を体現したようなスタイル」と形容したのがこのスタイルです。とにかくシャイニーで成金趣味に溢れている自信に満ち溢れている男性像。どこからどうみても、誰かに雇われて働くタイプには見えない男性。
良い意味でも悪い意味でも、自由を愛するアメリカ男子の憧れの姿がそこにはあります。この作品には、3つのアイコニック・ルックが存在します。そのうちの一つ目は間違いなくシャンパングレー・ルックのラスティ・ライアンなのです。
ディスコミラーボールのようなドレスシャツ
フランク・キャットン・スタイル
- 使用感のあるブラック・パテントレザーコート
- 光沢のあるブルーのディスコミラーボール・シャツ
ベルスタッフのモーターサイクルジャケット
スコット・カーン扮するターク・モロイは前作に引き続き、エッヂーなジャケット姿で登場します。『大脱走』(1963)でスティーブ・マックイーンが着用していたベルスタッフの、バーガンディーのモーターサイクルジャケットを着ています。左肩の2ラインが実にカッコいいです。
モード感たっぷりのトレンチコートを身に纏うラスティ。
ラスティ・ライアン・スタイル3 ブラウン・トレンチコート
- ブラウンのコットンベルベットのトレンチコート
- チョコレート色のドレスシャツ
- 楕円形模様のブラウンのネクタイ
- ストライプのグレーのトラウザー
- ダークブラウンのモンクシューズ
- サングラスはディーゼルのコブレッティ
コスチューム・デザイナーのミレーナ・カノネロ(1946-)は、イタリア・トリノ生まれのイタリア人で、ジェノヴァでコスチューム・デザインの勉強をし、英国に移住しました。『時計じかけのオレンジ』(1971)、『ゴッドファーザーPARTIII』(1990)、『ライフ・アクアティック』(2004)のコスチューム・デザイナーとしても有名で、『バリー・リンドン』(1975)、『炎のランナー』(1981)、『マリー・アントワネット』(2006)、『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014)でオスカーを4度受賞しています。
そんな彼女の記念碑的な作品は『炎のランナー』です。そこでアイビー・ルックの源流であるブリティッシュ・トラッドの世界を忠実に再現し、1920年代のブリティッシュ・ルックを80年代に大流行させました。そんな彼女が、ブラッド・ピットに着せたファッション・アイテム。それはとことんまでトレンチコートだったのです。