プリヴェ オニキス(ボワ ダンサン)
原名:Bois d’Encens
種類:オード・パルファム
ブランド:ジョルジオ・アルマーニ
調香師:ミシェル・アルメラック
発表年:2004年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/49,500円
公式ホームページ:アルマーニ ビューティー
天国にいちばん近いインセンスの森
ジョルジオ・アルマーニのオートクチュール・フレグランス『アルマーニ プリヴェ』は、2004年に〝最高品質の香料を生かすシンプルな香りの創造〟をテーマに、4人の有名調香師の手による4作品からスタートしました(50ml/185ドル)。
- アンブレ ソイエ(クリスティーヌ・ナジェル)
- ボワ ダンサン(ミシェル・アルメラック)
- オー デ ジェイド(アントワーヌ・メゾンデュー)
- ピエール ド リュンヌ(ダニエラ・アンドリエ)
ラグジュアリー・ファッションブランドが、お手軽な価格帯のファッション・フレグランスを出すのではなく、ラグジュアリー・フレグランスのコレクションを発表する流れを生み出したのは、このコレクションと、エディ・スリマンによるディオールオムの三種類の香り(「オー ノワール」「コロン ブランシュ」「ボア ダルジャン」)からでした。
「ボワ ダンサン」は、フランス語で〝インセンスの森〟の意味です。ミシェル・アルメラックにより調香されました。2024年現在、「プリヴェ オニキス」に名称変更されました。
父は短い処方(フォーミュラ)を作ることで有名です。この香りは大体8つの成分で作られました。普段は20〜30成分が限界です。
ベンジャミン・アルメラック
ジョルジオ・アルマーニ自身が愛用している香り
子供の頃、祖母と一緒に教会に行った時のお香の香りを探していました。そして、火山島のパンテッレリーアで黒い石の香りを嗅ぎ、その深みと温かみこそが、まさに私が探し求めていた香りだったと確信したのでした。
ジョルジオ・アルマーニ
発売されてからずっとアルマーニ自身が愛用しているというこの香りは、月が煙突のけむりの向こうにまだ小さく見えるある冬の夜の情景からはじまります。冷たい空気とスモーキーな無機質なけむりが、生命(いのち)を与えられ、生き生きとしたインセンスの香りに生まれ変わるのです。
全身が、寂れた工業地帯から、中世の教会の傍の森に瞬間移動するように、けむりのような渋いブラックペッパーとアニマリックなラブダナムの香りから、森が囁いているようなスモーキーなベチバーとその囁きを受け止めるシダーの静謐なる甘やかな香りへと移り変わってゆきます。
そして、雪を呼ぶように、大きな月に見守られながら、レモンみたいなソマリア産フランキンセンスの粉雪が降るのです。ギムレットのような冷たいジンの感触がほんのり感じられます。
心の隙間を埋めていくように、深く深呼吸して、心の中で安心して受け止めたくなる、不愉快なものは一切存在しない、柔らかく穏やかな香りです。ベチバーとシダーの存在感が素晴らしく、フランキンセンスの神秘性、純真さ、暗黒面、挑発的など色々な側面を引き出してくれています。
月に包み込まれるような、天国にいちばん近いインセンスの森に佇んでいるような至福のスモーキー・パラダイスの香りです。
ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「インセンス・アニマリック」「アルマーニの簡潔な、日本に影響されたスタイルは極端すぎて、傍から見ると一息入れたらどうかと思うほどだ。」
「さてプリヴェのラインは恐ろしく値段が高い。フランキンセンス(乳香)の香水、このボワ ダンサンを除いて、ほとんどがそれほどの価値はなさそうだ。」
「フランキンセンスはベチバーと同じく、香りが移ろいやすい。私はときどき、ニースのロシア正教会の晩祷に行くが、世界最高の聖歌隊が見えないところから歌声を響かせ、音楽はがらんとした教会の床に雪のように降り積もる。そこではインセンスのいろいろな変化を体験できる。ドライでスモーキーな香り、焼けたレモンの香り。」
「本物と同じく、ボワ ダンサンは2度と同じ香りにはならない。ときには冬の空気のように清潔で、またときにはしつこいほどのアニマル調にもなる。もし余裕があったら、買うことをおすすめする、ほかにはない香りだ。」と4つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:プリヴェ オニキス(ボワ ダンサン)
原名:Bois d’Encens
種類:オード・パルファム
ブランド:ジョルジオ・アルマーニ
調香師:ミシェル・アルメラック
発表年:2004年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/49,500円
公式ホームページ:アルマーニ ビューティー
シングルノート:ラブダナム、ペッパー、ベチバー、フランキンセンス、シダー