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ラルチザン パフューム

【ラルチザン】オ ボー ド ロー(ファブリス・ペルグラン)

ラルチザン パフューム
@L'Artisan Parfumeur
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オ ボー ド ロー

原名:Au Bord de L’Eau
種類:オーデ・コロン
ブランド:ラルチザン
調香師:ファブリス・ペルグラン
発表年:2017年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/20,240円

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日本の解釈ではモネの「睡蓮」の香り

@L’Artisan Parfumeur

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「オ ボー ド ロー」は、ラルチザンが、新たな客層の獲得を目的に、2017年に「シュール エルブ」と共に発売したオーデ・コロンです。その名の意味は、「水のほとりで」という意味です。

まず最初にこの香りに対する解釈は、ワールド・ヴァージョンとジャパニーズ・ヴァージョンの二種類があります。そして、そのどちらの解釈を自分自身の解釈とするかは、香りの楽しみ方のひとつなので、どっちであっても全く問題ありません。

では、まずジャパニーズ・ヴァージョン(ブルーベル・ジャパンのPRが日本マーケットに合わせて拡大解釈したと思われるヴァージョン)について。


フランスの印象派の画家クロード・モネ(1840-1926)は、1893年に、パリから数十キロ程セーヌ河を下った小村ジヴェルニーに日本風の太鼓橋のある庭園を造成しました。

そして、そこに睡蓮を浮かべた大きな池が掘られ、1899年から「睡蓮」を主題にした絵画を約250点以上描いたのでした。この「睡蓮」シリーズからインスパイアされ生み出されたのがこの香りであるという解釈です。それは正しくはないのですが、日本人には伝わりやすい解釈となります。

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真実のこの香りの意味は、「覚醒寸前」。


一方、世界的な正解の解釈としてのワールド・ヴァージョンは、クロード・モネであることは同じなのですが、1868年の「セーヌ河岸、ベンヌクール」からインスパイアされて生み出されたという解釈です。ちなみに、同じ名前のルノワールの絵画も存在するが、こちらについては言及されていない。

1866年から10年間、極貧の季節を過ごすことになるモネの覚醒前の絵画をインスピレーションの源に選んだ理由は間違いなく「覚醒前の天才」の香りを生み出したかったことからです。そういった視点で見ると、「睡蓮」シリーズにおいてモネは、もはや天才の円熟期に達しており、この香りのイメージとはかけ離れていると私個人は感じずにはいられません。

このオーデ・コロンは、ファブリス・ペルグランにより調香されました。それは印象派が絵画を描くように、ベルガモット、レモンといったシトラスに、オレンジ・ブロッサムのフローラルと、ローズマリーのグリーン、ヴァイオレットのハーバル、そして、ムスクといった香料を、上に上にと重ねあわせ、香りの境界線をぼかしていく面白さがあります。

オーデコロンには、人間の能力を覚醒させる何かがあるのです。ちなみに、「水」を題材にした香りでありながら、マリンノートが一切使用されていないのもこの香りの特徴です。

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香水データ

香水名:オ ボー ド ロー
原名:Au Bord de L’Eau
種類:オーデ・コロン
ブランド:ラルチザン
調香師:ファブリス・ペルグラン
発表年:2017年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/20,240円


シングルノート:ベルガモット、レモン、ヴァイオレット、ムスク、オレンジブロッサム、ローズマリー