千夜一夜物語(アラビアン ナイト)
Arabian Nights キリアン・ヘネシーは2007年10月に「バイ・キリアン」(現在は「キリアン」)という名でブランド創業するにあたり、6作品からなるコレクション「ルーヴル ノワール —愛が描く甘い誘惑の世界—」を発表しました。
最終的に2011年までに10作品発表されたこのコレクションのすべての香りは、ディオールのジャドールを生み出したカリス・ベッカー(8作品)とシドニー・ランセスール(2作品)により調香されました。
一方で、2009年から、アラブへの愛を込めて、当初5作品からなる二番目のコレクション「千夜一夜物語(アラビアン ナイト)」を発表しました。
最終的に2014年までに発表されたこのコレクションに、キリアンのメンターであるジャック・キャヴァリエも参加する予定でした(「ムスク ウード」の調香に関わった可能性あり)。しかし、2012年1月に、キャヴァリエがルイ・ヴィトンの専属調香師に就任することになり、実現しませんでした。
このコレクションは、アラブへの愛を込めた物語なのです。
私はブランドを創業したすぐ後に、はじめて中東を訪れました。その時、バフール(ウードウッドのお香)を体感し、スモーキーでリッチな香りにすっかり魅了されました。そしてこのコレクションを作ることにしました。
キリアン・ヘネシー
トム・フォードは、イヴ・サンローランのクリエイティブ・ディレクターだった2002年に、アルベルト・モリヤスとジャック・キャヴァリエという最高のふたりを召喚し、当時まだまだ未知の領域だったウード(=沈香)の香り「M7」を創り上げました。
この香りの誕生により、フレグランスにおける、ウード=沈香の扉は開かれたと言ってもよいでしょう。(シトラスとウードのブレンドという分野を開拓した)しかし、セールス的には完膚なきまでの惨敗でした。
そんな彼が2007年にトム・フォードのプライベート ブレンド コレクションの第一弾として発表された12種類のフレグランスの中の一本として、「ウード ウッド」を世に生み出し、「ウード革命」=空前のウード・ブームが世界中で巻き起こったのでした。
その流れを敏感に嗅ぎ取ったキリアン・ヘネシーが、2009年に開始した、当初5作品からなる二番目のコレクションが「千夜一夜物語(アラビアン ナイト)」でした。全てウードの香りです。2013年からは、アルベルト・モリヤスもこのコレクションに関わるようになりました。
コレクション全九種類
2009年
ピュア ウード(カリス・ベッカー)
2010年
ローズ ウード(カリス・ベッカー)
2011年
アンバー ウード(カリス・ベッカー)
インセンス ウード(シドニー・ランセスール)
2013年
ムスク ウード(アルベルト・モリヤス)
2014年
エクストリーム ウード(ベルトラン・ドゥシュフール)
エターナル ウード(アルベルト・モリヤス)
ゴールド ウード(カリス・ベッカー)
ブラック ウード(シドニー・ランセスール)