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【100BON(ソンボン)】アンバー&トンカ(ジャン=クロード・エレナ/セリーヌ・エレナ)

その他のブランド
©100BON
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アンバー&トンカ

原名:Ambre & Tonka
種類:オード・パルファム
ブランド:100BON(ソンボン)
調香師:ジャン=クロード・エレナセリーヌ・エレナ
発表年:2021年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/9,350円
公式ホームページ:100 BON

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100BON(ソンボン)について

©100BON

2017年3月に、高級香水市場に25年間携わってきたクリストフ・ボンバーナにより、フランス・リヨンで創業された100BON(ソンボン)は、アロマコロジスト、パティ・カナックの協力により100%天然香料で作られた香水を提供しています。

〝100BON〟の〝100〟には、100%ナチュラル、100%フランス製、100%購入しやすい価格といった意味が込められています。そして〝BON〟とはフランス語で〝GOOD〟の意味があり、さらに〝Bottle Of Nature〟の意味もかけられています。

今年58歳のクリストフは、1989年にロレアルに入社し、1995年からメイベリンのセールス・ディレクターとしてキャリアを順調に積み上げ、2012年にエルメスの香水部門のインターナショナル・ディレクターに就任しました。その間、自然に優しくて人にも優しい香水を作りたいという思いを募らせていました。

2016年に退職後、すぐにグラースにあるロベルテ社を訪問し、100%天然香料で作られた香水ブランドのアイデアの実現に向けて、試作品の製作に取り掛かりました。

本格的な香水を作る場合、合成香料は、香りに奥行きと安定と爆発力を生み出せることから重宝されてきました。さらに高品質で香水を保存するためにも欠かせないものとされてきました。これらのことを天然香料だけで成し遂げようとしたのが100BONのミッションでした。

かくして、ロベルテ社の100%天然由来の天然香料とビオ小麦由来のアルコールにより、100%天然香料の香水が誕生することになりました。さらに、従来の業界では広告とパッケージングが販売価格の30%近くを占めていることから、コストを最小限に抑えるため、そういった部分を削ぎ落し、価格に反映させました。

〝一瞬のHappyから長く続く幸福感=Wellbeingへ〟=「匂いを嗅ぐよりも、匂いの中で快適に呼吸する」という精神で100BONの香りは生み出されています。

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「DÉSIR デジール=欲望」コレクションの最終章。

セリーヌ・エレナとジャン=クロード・エレナ ©100BON

セリーヌ・エレナとジャン=クロード・エレナ ©100BON

アンバーは、他にはないパワフルで感動的な香料です。その魔法のエッセンスを発見したとき、あなたはその官能的なアコードに真っ逆さまに恋に落ちる。謎に満ちており、興味をそそると同時に、優しく洗練されていながら一定しているため、肌の上に乗せると、ひどく病みつきになる軌跡を見せる。

100 年以上前に考案され、創造されたフランスの香水の原型であるアンバーは、官能性のエッセンスとして、あらゆる時代をしわひとつなく超えてきた。私たちのフレグランスの冒険のこの第3章では、ゆっくりと徐々に、子供時代と無謀の罪へと向かっていった…。そして古典的なこの原料に、新しいバランスが生まれるところまで追いつめました。

私たちはトンカビーンを寛大に使用し、バニラを贅沢にアイシングし、最後に砂糖漬けしたマンダリンピールをすべてにふりかけました。

ジャン=クロード・エレナとセリーヌ・エレナ

2021年に100BONは、クリストフのエルメス時代からの盟友であるジャン=クロード・エレナセリーヌ・エレナが率いる「アトリエ・エレナ」とパートナーシップを組み、ブランド初のオード・パルファンを作りました。

そして、二人は香りを作家のように、全三章から成る、3つの香りとして生み出しました。3つの香りから成る〝第一巻〟は、「DÉSIR デジール=欲望」というタイトルが付けられています。

第三章は<世界の起源とその謎>をテーマにした「アンバー&トンカ」(賦香率15%、天然由来90%)です。アンバーとトンカビーンの引き寄せ合いの中に身を置き感じる、欲望の探求を形にした香りです。

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アンバーとトンカビーンの抱擁を素肌で感じ取るように。

©100BON

『100%天然香料』でしかも良心的な価格設定の香水を販売するとき、特に香水に対して、しっかりと向き合っていない百貨店やセレクトショップの販売員が、「100%天然香料で作られた香水」ですと第一声で発した所で、胡散臭い印象しか与えません(ちなみにこの香りは90%ではあるが、限りなく100%天然香料で作られた香水である)。

10年ほど前、フレグランスショップが市民権を得ていなかった頃ならそういった接客も通用したのですが、今では、彼らが香水に対して、何も知らない(トレーニングを受けていない)ことをほぼ99%のお客様は感じ取るわけなのです。

だからこそ100BONの「アトリエ・エレナ」コレクションは、しっかりとしたフレグランス・スペシャリストが扱わないといけない香水と言えます。今ほど、人々が『100%天然』という言葉に、反射的に疑いを感じる時代はないのですから。

それにしても、この三つの香り、ジャン=クロード・エレナとセリーヌ・エレナが作った香りが50ml/9,350円で販売されていることは衝撃的です(ボトルデザインや広告にお金をかけていないためこの価格が実現している)。

「DÉSIR デジール=欲望」という名の香り最終章は、まっさかさまに堕ちた後の、うっとりするような甘いアンバーの余韻からはじまります。かすかに背後で燃えている炎のような砂糖漬けされたオレンジピールを感じます。

そして悠々と広がるアンバーに、トンカビーンがぶつかり合います。この二つを引き合わせることはタブーであると言われるほど、通常、お互いに引き立て合うことなく、容赦なく潰し合うのですが、スモーキーなバニラにより、欲望を称え合うようなテンセグリティ構造が、素肌との間に生み出されていくのです。

このトンカビーンはアンバーより甘く、通常のトンカビーンのようにパウダリーなアーモンドのようではなく、とろけるキャラメルのようです。

最後に、二人の香りの作家が描こうとしたこの「DÉSIR デジール=欲望」コレクションについて記しておきます。まず最初に、三つの物語は、長く情熱的に愛着を持って使ってもらえるように作られています。それは自分自身と出会うきっかけにもなります。

この〝第一巻〟の連作を肌にまとうことは、何よりもまず欲望を受け入れることであり、次に肉体的な絆を結ぶことに同意することであり、最後に習慣に屈することなく不変性に身を委ねることです。つまり、カップルになることなのです。

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香水データ

香水名:アンバー&トンカ
原名:Ambre & Tonka
種類:オード・パルファム
ブランド:100BON(ソンボン)
調香師:ジャン=クロード・エレナセリーヌ・エレナ
発表年:2021年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/9,350円
公式ホームページ:100 BON


シングルノート:マンダリン・オレンジ、シスタスラブダナム、ゼラニウム、トンカビーン、バニラ