オードムッシュ
原名：Eau de Monsieur
種類：オード・トワレ
ブランド：グタール
調香師：アニック・グタール、カミーユ・グタール、イザベル・ドワイヤン
発表年：1981年／2013年
対象性別：男性
価格：100ml／28,050円
販売代理店ホームページ：ラトリエ デ パルファム
1981年に発売されたアニック初のメンズ・フレグランス
©Goutal Paris
©Goutal Paris
アニック・グタール（1946－1999）は、1981年に『アニック・グタール』を創業しました。というのが、一般的なアニック・グタールの創業プロフィールなのですが、本当の所は、1979年に、アニックが父親から30,000フラン借り、創業されました。
そして、1980年に、「フォラヴリル」と「オーダドリアン」を、ごく少量生産しました。「オーダドリアン」だけが評判になったことから1981年に追加生産し、同時に発売されたのがアニック・グタール初のメンズ・フレグランス「オードムッシュ」でした。
太陽を独り占めにして甘やかされ育てられてきたレモンが一搾りされることにより「華麗なる男前の香り」（別名：女性のための男前の香り）ははじまります。苦味と酸っぱさを感じさせる爽快感溢れるレモンに、ほんのり加わるオレンジの甘さが、男性の優しい横顔を想わせます。
そこに、オークモスとサンダルウッドが加わり、レモンはクリーミーになり、ゼラニウムと見事に調和し、落ち着きと優雅さが追加されてゆきます。そして、（カレーの香りを生み出す花）イモーテルの焦がした砂糖のような側面が、シトラスに神秘的な横顔を与えてゆきます。
とてもクラシカルなシトラスシプレでありながら、柔らかなアンバーがオレンジと結びつき明るい輝きを生み出しているところが、女性のファッションデザイナーが仕立てたメンズスーツのような繊細さと秘められた色気を感じさせます。
オリジナルの「オードムッシュ」は、「オーダドリアン」（1980）と「サーブル」（1985）の中間地点に位置するような香りと言えます。
タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「オードムッシュ」を「シトラスモッシー」と呼び、「天然原料の心地よさを感じる。均整のとれたリッチな男らしい香り。柑橘系の爽やかさ、ほのかに香るモッシーシプレの背景、最後の仕上げはうっとりするような永遠のカラメルカリーノートで全体的にみごとに仕上げている。試行錯誤を重ねて5年、グタールはさらに進化し、いちだんと深みを増した。」と4つ星（５段階評価）の評価をつけています。
2013年に復刻した「オードムッシュ」
©Goutal Paris
2013年にカミーユ・グタールとイザベル・ドワイヤンは廃盤になっていた「オードムッシュ」に生命を吹き込みました。クラシカルなシトラスシプレはそのままに、スタイリッシュな爽快感の中に神秘性を生み出していくために、オークモスの代わりにパチョリが使用されています。
眩しすぎるほど魅力的な男性像を照らし、光線を描きながら弾けるレモンとベルガモットの輝きを捕捉するマンダリン・オレンジのジューシーな甘さ。さらに輝きを煌きに変えてゆくミントの切れ味のよさ。令和の世に、昭和の映画スターのようなヘアスタイルを綺麗に固めたクラシカルな男前の姿がここに再現されていくようです。
すぐに、激しさの中に静けさを感じさせるジュニパーベリーとゼラニウムのアロマティックな芳香がサンダルウッドとパチョリに温められ、官能的なシトラスシプレの神秘性を生み出してゆきます。
こちらは「オーダドリアン」（1980）をよりメンズライクにした香りとも言えます。
香水データ
香水名：オードムッシュ
原名：Eau de Monsieur
種類：オード・トワレ
ブランド：グタール
調香師：アニック・グタール、カミーユ・グタール、イザベル・ドワイヤン
発表年：1981年／2013年
対象性別：男性
価格：100ml／28,050円
販売代理店ホームページ：ラトリエ デ パルファム
トップノート：レモン、ベルガモット、マンダリン・オレンジ、ミント
ミドルノート：ジュニパーベリー、ヨモギ、ゼラニウム、ローズ
ラストノート：サンダルウッド、パチョリ、サイプレス